All archives    Admin

07月≪ 2020年08月 ≫09月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031

2012'12.19 (Wed)

「果物籠」

今日は義母にクリスマスプレゼントとしてバッグを買って貰う英香です。
盗られたバッグはつい最近 義母に買って貰ったものでした。今、長女のバッグを借りて動いているのですが、新しくまた買ってくれるそうです。義母は私の誕生日には靴、クリスマスにはバッグを買ってプレゼントしてくれます。先日はサプライズで気分だからと買ってくれたんですが、罰当たりな結果になったので…。
私はあまりこだわりがないので、このまま子供のバッグを使うつもりだったんですけど、せっかくなので甘えさせて貰う事に。
大切に使わせていただきますね。さて、私からは何にしようかな(まだ決めてない)。
更新です。なんかオリキャラばっかで申し訳ないかも。目の前にやってきたクリスマスのプレッシャーで頭から甘いのが出て来ない(いえ、元々甘さとほど遠いのですが(T_T)…。捻り出そうとするから無理があるのかな)。
取り敢えずこれで更新です。恋人期 堂上さん転院したてです。以前書いた「リハビリ室」の前に当たります。

↓こちらから どうぞ

【More】

「果物籠」


基地近くの指定病院に転院した堂上は これから本格的になるリハビリにむけて準備をする。準備といっても上半身を中心に軽く動かす程度だが、これまで被弾経験が何度かある分 大体のメニューは分かっているわけだ。
施設説明も手続きも必要ない。これでいつでもリハビリが開始できる。そこへコンコンと病室のドアがノックされた。
「はい。」
「堂上君、入るよ。」
入ってきたのは、入隊時から世話になっている 理学療法士の須田だった。
「また来たな。まあ 久しぶりだがな。」
若い時はしょっちゅう担ぎ込まれて来ていた。抗争での被弾回数は同期でも1番多いだろう。案件を脳まで持っていけずに 脊髄で考えていた頃の話だ。
「玄田君から話は聞いている。随分便利に使える男になったと言ってたぞ。」
それ、褒めてないな と体を傾げた。
須田は玄田隊長も担当している。もっとも、一般と違う経過をみせる玄田を 他の誰かが手に負える筈もなく、医師からして怪我の処置以外を須田に全任する形を取っている程だ。

堂上はベッドに横になり、簡単に関節の可動域を確認して貰う。
「相変わらず よく鍛え上げた身体だな。運良く 筋肉の損傷は大したことないようだし、退院する頃にはほぼ回復するだろうな。」
一通りチェックを済ませた頃、廊下をドカドカと歩いてやってくる足音がする。この歩き方をするのは。
バーンとノックもせずにドアが荒々しく開く。
「おう、堂上。元気か!。」
予想通り 玄田だった。珍しく果物籠をさげている。
「相変わらず元気そうだな、玄田君。」
「お、須田先生。また世話になります。」
ガハハと笑う双璧はまるで合わせ鏡のようで。
「図書隊は大変だったらしいな。茨城の県展といい、危険な職種だ。しかし俺も当麻先生のファンだからな、堂上君の活躍は嬉しい。」
怪我はいただけないがな、と首がもげるかと思う程堂上の頭を掻き回した。
「非常事態でしたので 娘さんの結婚式に出席できず、申し訳なかったですな。」
「いや、元より身内中心の小さな式だったからな…。」
須田は堂上の頭から手を外し、ポンと肩を叩いた。
「…じゃあ 堂上君、明日からいろいろ検査が入ってるから、終わり次第リハビリを始めよう。焦ることはないから ギプスのある今のうちは身体は休めておきなさい。玄田君も帰りにリハ室に寄ってくといい。チェックを兼ねて 久しぶりに話そう。」
須田は要件を済ますと病室を出ていった。

須田を見送って 玄田は近くの椅子に腰を下ろす。
「須田先生に任しとけば心配ない。しかし 先生はまだおまえに未練があるみたいだな。」
玄田はニヤニヤしながら持ってきた果物籠からメロンを取り出した。
血の気の多かった堂上が入院する度に須田がリハ室で説教をする。命を大切にしろ、身体を労れ。怪我は治るが なくしたら取り戻せないものがあると。特に頑なではあるが人となりを気に入ったらしい堂上にはうるさかった。時々遊びに来ていた当時医学生だった須田の娘も。娘の様子に須田は、堂上に交際の話を持ちかけた事があったらしいが、結果的には堂上がなびくことはなかった。

玄田は勝手にナイフを取り出すとメロンを切りはじめた。さすがに手刀で割るわけではない。
「食べるか?」
誰の為に持って来たかは聞かない事にする。一切れだけ堂上に渡した玄田に一応声をかける。
「今、課業中ですよね。」
「問題ない。後は緒形に任せてきた。書類は進藤にも分けてやったからな。」
「自分でやって下さいよ!。進藤一正に任せたって また緒形副隊長に回すだけでしょうが。」
玄田は噛み付く堂上を片手で制する。
「緒形が気の毒と思うなら おまえが早く復帰する事だな。じゃ。」
しれっと言うと 濡れた手を隊服で拭い、腰を上げて出ていった。
「…嵐の様だったな。」
堂上はどっと疲れを感じた。

手の届く範囲で食べた残骸を片付ける。まだギプスは取れていない。松葉杖を引き寄せてベッドの横に立ち上がったところでノックが聞こえた。今日は来客が多いがこの時間に来るのは。
「きょーかん。」
病室を覗き見た郁が目を丸くする。
「わあ、何やってんですか!。立ち歩いて大丈夫なんですか?。ぎゃ、何ですか この有様!。」
豪快なメロンの食べ散らかしに 郁は慌ててティッシュの箱を探す。堂上をベッドに促し 濡れた床やゴミを処理する郁に、堂上は隊長の来襲の話を聞かせた。
「隊長らしい。」と笑う郁の手を堂上が握る。真っ赤になって笑いを収める郁をベッドに座らせ「仕切りなおしだ。」と唇を重ねた。隊長が課業後に来てたらかち合うところだったな とホッとする。
転院してきた昨日も郁は顔を出してくれた。基地に近いこの指定病院には、堂上の希望通りマメに顔を見せてくれるらしい。多分堂上の為に綺麗な格好にわざわざ着替えて。浮かれているのは自分だけではないと、そんな郁が可愛くて嬉しく思う。
唇が離れ、まだ恥ずかしくて視線をさまよわせていた郁の目に止まったのは 大きな空間が空いている果物籠。
「あ、あの、リンゴ 剥きましょうか?」
ああ、頼む と何の気もなく返事をした自分に膝詰めで説教をしたいと 後で堂上は後悔した。

今日は来客が多い。そんな堂上の転院後の1日はまだ終わらない。

12:55  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://746754.blog.fc2.com/tb.php/103-8f510f8a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |