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2012'12.23 (Sun)

「クリスマスの約束」中編

続きものの話って更新しやすいなあ と感じている英香です。
話が決まってるから書きやすいんですね。
しかし 最近堂郁になってるか甚だ疑問だったりして。出すキャラみんなに幸せな決着つけたくなっちゃうので、いらん話がくっついちゃうのです。
でも今回、念願の毬江ちゃんがちょっとだけ登場です。年内に実現できてよかったよ。
では更新です。勿論続きです。

↓こちらから どうぞ

【More】

「クリスマスの約束」中編


ああ この匂いは落ち着くな、郁は胸いっぱいに吸い込んだ後 ふと気付いた。
息を止めたまま状況を分析する。
これって――抱き合ってる?。
カチンと固まった郁を引き剥がし、堂上はぺしんと郁の頭を叩いて「戻るぞ。」と背中を向けて歩きだした。
「はい。す すみませんでした。」
慌ててついていく。涙は引っ込んだ。しかし堂上を見る勇気はなく、怒ってるのか 呆れてるのか――郁には分からなかった。

それから数日、公休を1度挟んでクリスマスまで 何事もなく過ぎていった。
図書隊にクリスマスは有って無いもの。家族持ちのいない堂上班は夜勤が入り、明日の朝まで勤務 というイブを迎えていた。
「毬江ちゃん、寂しいんじゃないですか?。」
郁は図書館のイベント警備でバディを組んでいる小牧に聞いてみた。
「はは、心配してくれるんだ。大丈夫 毎年の事だし、この前の公休で前倒ししてプレゼントも交換したしね。今日のイベントも顔だけ出すって言ってたな。」
「わ~ラブラブでいいなあ~。」
小牧が毬江を大切にしているように、毬江も小牧を理解し支えている。歳は郁よりずっと下だが、大人びた心遣いの出来る立派な女性だ。2人並ぶ姿はどこから見てもお似合いで憧れる。

今日のイベントはイブらしく 閲覧室に飾られたツリーの横で、クリスマスの本の読み聞かせと歌の合唱だ。最後にボランティアが訪れて ハンドベルで演奏すると、図書館中に澄んだ音色が響き渡った。親子連れは耳を傾け キャンドルサービスに参加する。
そこに 解放されている扉からするりと滑り込んだのは毬江だ。白いニットのワンピースにピンクの薄手のカーディガン。腕にはベージュのコートを抱えている。小牧と郁の姿を見つけて にっこり微笑んだ。
相変わらず可愛いなあ と郁は小さく手を振った。
すっと毬江が横に移動すると 後ろには1組の男女が立っていた。女性の方は
「詩織ちゃん…。」
呟く郁にペコリと頭を下げた。
イベント時間が終わり、親子連れが閲覧室から退室する。毬江が小牧に寄り添い 携帯で何か伝えると、小牧は微笑んで頷き、郁に言った。
「笠原さん、昼休憩に入っていいよ。」
「あ、でも片付けが…。」
「ボランティアの人がいっぱいだし 問題ないよ。」
毬江が郁に携帯画面を見せた。
『彼は私の高校の時の同級生なんです。』
「先日はどうも。」
と前に出て頭を下げた男性は、先日詩織を支えて書店に入っていった店員だった。

毬江は小牧と残り、郁と詩織 店員と3人で 図書館ロビーの横、自販機が並ぶテラスに入った。
すると詩織はガバッと郁に頭を下げた。
「郁さん、このあいだはすみませんでした!」
「い、いいよ。…恐かったよね、検閲。力になれなくて本当にごめんね。」
詩織は大きく首を横に振った。
「完全な八つ当たりだったの。後で妹に怒られちゃった。郁さんに酷いこと言ったらダメだって。彼にも。」
図書隊の人達がどんなに頑張って 守ってくれてるのか。私達の代わりにいろんなものを被っているんだからって。
「俺 中澤さんと同じクラスだったし、同じ本好きっていうので割と話する方で。図書隊の人と付き合ってるのも知ってたから相談に乗ってもらったんです。」
ああ だから一緒にいたのかと納得する。
「あの本は狩られてしまったけど、彼が探してきてくれたの。あれからずっと気にしてくれて――嬉しかった。」
詩織は頬を染めて店員の顔を仰ぎ見る。彼も詩織に視線を落として照れたように微笑んだ。
郁は詩織にも王子様がいる事を胸の内で喜んだ。
「俺 あの後、気になったんで笠原さんを追い掛けてみたんです。」
「へ?。」
「そしたら スゲーいい雰囲気だったから心配いらなかったんだなって。」
「な、何がっ…て――まさか あの。」
郁は真っ赤になって 両手を突き出し首を振る。
「一緒にいた小柄な男の人と抱き合っ――。」
「わ―――っ」と店員の口を塞ぐ。
「ち 違うの。あの、上官なだけであって…。」
郁は慌てて否定するが かえってバレバレだ。
「え?お付き合いされているんですよね?。」
「まさか!そんな…。」
茹で蛸のような郁の様子に店員は大きく頷いた。
「じゃあ大丈夫ですよ。」
何が?と 怪訝に郁は首を傾げる。
「その事 中澤さんに話したんですけど喜んでました。中澤さん そういうのを纏めるのが上手いんですよ。おかげで俺達も あっという間に……。」
ね、と2人は手を取り お互いに微笑み合う。なんでも 携帯の文章で伝え合うので、言葉では曖昧に濁すところをはっきりする分、気持ちがストレートに伝わって展開が早まったとの事だ。
挙動不審な郁をおいて 2人は寄り添い、図書館を後にした。残された郁の顔はいつまでも赤かった。
10:25  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

ブログを見て面白かったのでコメントさせて頂きました(^ω^)
もしよかったら自分のブログも見てくださったら嬉しいです★
http://daisuke0927.seesaa.net/
ちなみに料理レシピのブログです!!
これからちょくちょく拝見させて頂きます★
よろしくお願いします(^ω^)
ダイスケ | 2012年12月23日(日) 10:47 | URL | コメント編集

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