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2013'01.06 (Sun)

「青痣注意報」

1日お休みした 英香です。
昨日は遅まきながら 親戚が集まりました。一応田舎の長男の嫁。
「気を使わなくていいよ~。」
とは言ってくれるが そうもいかず。バタバタと嫁さんしてました。
で、萌えもない更新をまた1つ。やっぱ自分に余裕がないと萌え補給されないから仕方なし。上官・部下で内乱。週刊新世相の攻防です。

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「青痣注意報」


4月下旬、『週刊新世相』で扱った記事は 少年の供述調書の全文からなるものであった。社会的に漏洩・公開は違法にあたり、今回のやり方は批判に晒される。行き過ぎた報道で これまで何度となく対立もあった。
しかし どんな本も全力で守る。
良化特務機関が検閲をかけてくるのが明らかである以上、特殊部隊も警護を強化することになり、時間差や囮車輌を駆使した計画が作成された。

入荷当日は堂上班と青木班が組み、分配便の護衛についたが、図書館手前で良化特務機関が検閲をかけてきた。小牧がフェイクを抱えて堂上が警護を装い相手を引き付けると乱闘が始まった。その隙に後ろのバンから本物を持った郁が飛び出すと 良化隊も分かれて郁に追いすがってきた。手塚が1人に足をかけて沈めると 郁は間を自慢の足で縫うように突破する。玄関に飛び込んでしまえば良化隊は手出しできない。郁は低い姿勢を保ちながら突進した。
予定では玄関に待機していた防衛員が自動ドアを開けているはずが、タイミング悪く郁は身体ごと体当たりする形になった。
鈍い音と共にガラスが崩れる音。「笠原!」という手塚の緊迫した声に 弾けるように堂上は振り向いた。
玄関には割れたガラスと横たわる郁。
郁は倒れながらも防衛員に本を渡し 任務を完了させた。


「痛たたたたっ。」
図書基地に近い病院に郁は担ぎ込まれた。軽い脳震盪を起こしたものの 大事には至らなかったのは、日頃の訓練の賜物か。生来の頑丈さか。郁の手当てをしている看護師は 気の毒そうな顔をしつつ、目は笑っている。
郁の左顔面は腫れあがり、絆創膏だらけだ。残るような傷にならなかったからか 容赦なく笑われる。
「笠原ぁ、そりゃ女としてどうかと思うぞ。」
他分配先でも衝突があったらしく、何名か同じ処置室で手当てを受けていた。斎藤もその1人で、右足を痛めて戦闘靴を脱ぎ 片足だけスリッパだ。
「う~ そんなに酷いですかあ?。怖くて見れない~。」
郁は絆創膏をあちこち抑えながら 手で確認する。
そこへバタバタと堂上達が入って来た。
「ぎゃ、ど 堂上教官!」慌てて郁は顔半分を手で隠す。
堂上は取り敢えず元気そうな様子を確認すると ほっとした表情を一瞬だけ見せたが、やがて沸々と怒りを露にした。
「か―――さ―――は――――ら―――」
堂上は盛大な説教を始めた。
「女が顔に怪我をこさえてどうするんだ!。」
小牧がすかさず郁に鏡を渡すと 郁が悲鳴をあげた。
「いや―― お嫁に行けな――い。」
「大丈夫だ。責任は堂じょ…。」
ぐあっと斎藤がスリッパの足を抱えた。
「ひでーぞ 堂上!。素足に戦闘靴は凶器なんだからな!。」
「うるさいですよ。病院ではお静かに。」
堂上は斎藤に鋭い視線で制した。お前の説教はいいんかよ とぶつくさ言う斎藤を、小牧は笑いを堪えながら宥めた。
「ほら、堂上。笠原さんの治療は済んでるんだから基地に連れ帰ったらいいよ。俺達もう少しかかるからさ。」
小牧に促されて 堂上は郁に「行くぞ。」と声をかけると、看護師から氷嚢を受け取って2人処置室を出ていった。

見送って暫くすると一気に騒がしくなる。
「いやあ~ 笠原はえらく懐いてんなあ。口を開けば『堂上教官』だもんな。」
「いいとこ見せたかったって ぶつぶつ言ってたぞ。」
「堂上には見られたくないって 顔抑えてたよな。俺達にはいいんだ。」
皆 口々に笑い合う。
「堂上も早くこっちに来たくて 鬼の様でしたもん。伸された良化隊員もお気の毒なってくらい。」
小牧も思い出して腹を抱える。
「素直に心配したって言えばいいのに。」
「あれじゃあなー。」
大きな乱闘があったとは思えない雰囲気に 看護師達も苦笑いだった。

堂上は郁の顔に氷嚢をそっと押しあてた。
くどくどと説教は長いが 傷を扱う手は優しく感じるのは気のせいか。覗き込んだ堂上の顔が近くて 何故か郁のドキドキは止まらない。
「む~だってぇ~。」
「こりゃ 明日の顔が見物だな。」
「へ?」
「左目周りに青痣決定だ。」
「えー やだあ~。」
「やだじゃない、あほう。修理代、経費で落とせるよう掛け合ってやったんだ。文句言うな。」
ペシリと郁の右の頭を叩いて その手を前に差し出す。傷に響く~と喚いた郁は その堂上の手と顔を交互に見比べて首を傾げた。
「手。その目じゃ真っ直ぐ歩けんだろが。」
腫れた瞼で視界が塞がっている。看護師には眼帯や包帯を勧められたが、視界を完全に遮るのはいざという時不利になる為に断ったのだ。確かにぼやけた視界では歩きにくい。
おずおずと手を差し出せば、ほら と攫われて引っ張られる。氷嚢で冷やしているのは 腫れた怪我か熱くなった顔か。
褒めて貰いたかったのに―と無意識に口から出た郁の言葉に 堂上は素直に褒めさせないおまえが悪いと仏頂面のまま。説教ぐらいは許せとばかりに重ねた手に力を込めた。
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