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2013'01.08 (Tue)

「充電」

やったあ 給食開始だ!。逆にお弁当再開のお母様、お疲れ様です。英香です。
身軽な買い物。チビと一緒だと余計な物を入れられたり どこか飛んで行ってしまうのを制したり、落ち着かなかったもの。とりあえず婆さん連れて数日発散させた後、自分の冬休みとしてブックオフに繰り出したいです。
更新です。ちょっと長くなりましたか。しかも後日 続きがあるかも。取り敢えず連載の形はとりません。恋人期でムツゴロウ後です。

↓こちらから どうぞ




【More】

「充電」


忙しいのが常の堂上だが、ここのところ公休も返上しての計画書を作成していた。都内主要図書館で連動して行われるというイベントに向けて、警備計画だけでなく企画進行や他館との調整まで 何かと仕事が回ってくる。
その為 夜中のメールが時々ある程度で、2人きりで話すことも出来ずにいた。
明日からイベント開始。全ての準備を整えて3日間の開催を待つばかりだ。会場設営を順調に終えて 業務時間は押したが、いつもより早く上がれる。後は業務部の仕事だ。明日の警護に備えて小牧も手塚も先に帰寮している。少し遅れて郁が日報を提出すると、堂上は判を押しながら提案してきた。
「俺もすぐ終わる。久々に食事にでも行こうか。」
てっきり今日も仕事だと思っていた郁は ぱああと表情を明るくした。
「あ、でもお疲れじゃないですか?。明日からはもっと忙しいでしょうし。」
はた と心配気に眉を下げた郁に、堂上は仏頂面になって日報を返す。
「だからだろうが。先に郁を補給しておかないと 俺は明日ガス欠だ。付き合え。」
言い方は我が儘だが、寂しがっている郁に向けてのサプライズであるのも明白だ。郁が素直に頷くと 堂上も眉間の皺を解いて2人微笑み合う。
郁は帰り支度を終え 堂上が席を立って鞄を手に取った時、廊下をパタパタ走って来る音がした。ガチャッと急いで入って来たのは業務部の男性館員。
「あ 堂上二正! よかった~。」
額に汗を滲ませながらも 安堵の表情を見せて、抱えたファイルを広げ始めた。
「急遽 明日のスケジュールに追加要請が出まして――。」
「はあ?。今さらどこにどうやって入れろって言うんだ!?。」
堂上が血相を変えてファイルを奪う。
「都知事からの要請なんですよー。断る訳にいかないですし…。あとこちらの団体の会長さんが、時間に間に合わないとかで。」
汗を拭きつつ言い淀む。
「最終確認の時は問題なかっただろが。――隊長は?。」
「後は堂上に任せたって言って、先ほど出て行かれました。」
「あのオッサンは~…。」
堂上は頭を抱えてガックリ肩を落とした。縋るような目を向けている職員に わかったと手で合図をすれば、彼はホッとした面持ちで頭を下げて出ていった。

「あ――。…郁?。」
申し訳なさそうに堂上が郁を見やる。
「いいですよ。イベント終わったら 改めて誘って下さいね。――コーヒーいれてきます。」
上手く笑えたかな と思いつつ給湯室に入って、砂糖1つ加えたカップにコーヒーを注いだ。仕事だもん。元々今日は予定じゃなかったし と自分に折り合いをつけて、カップを堂上の机に置く。
「えっと、明日は早めに集合ですね。教官もお疲れ様です。お先に失礼します。」
郁は綺麗に敬礼を決めて 退室した。「すまない。」と言う堂上に微笑みながら。

寮の自分の部屋に帰り、電気をつける。柴崎も今日は残業なのだろう。
「夕飯 どうしよっかな~。」
郁は鞄ごとベッドに寝転がる。
下手に期待してしまった分、ガッカリしない訳はない。頭では分かってるはずなのに、お腹だって空いてるはずなのに、食欲は全くわかなかった。
「あたしの方が 教官足りてないよなー。」
明日は大切なイベントだ。朝は各図書館の館長クラスが集まってくる。その後一斉に各地区で行われる講演会は今後の図書館の在り方や本の意義とかなんとか…とにかく難しい話を一般の人達に分かりやすく伝えるべく、教官を始め 各館員一丸となって頑張ってるんだから!と、郁は勢いよく飛び起きた。

軽い夕飯とお風呂を手早く済ませた。遅れて帰って来た柴崎も済ませて後は寝るばかり。
「ホント小器用な教官は使われ放題だわね。私達が帰って来る時も まだ電気がついてたわよ。」
「大丈夫かなあ。最近寝不足も続いてるみたいだし…。」
郁がお茶に口をつけた時、携帯が鳴った。堂上だ。
「まだ寝てないなら 出て来られるか?。」
「は、はい。」
返事をしながら上着を引っ掴んで廊下に出た。いつものように柴崎はひらひらと手を振った。
ロビーにはいない。外に出ると 庁舎の方から駆けてくる人影。
「郁!」
郁の前にたどり着くと息を整える。庁舎を出る時に電話をくれたらしい。
「無事終わったんですね。」
「何とかな。隊長が直接都知事に掛け合ってまとめたらしい。あのオッサン、一言言って行けば手間が省けたものを。」
苦った顔をするも 持っていた箱をずいっと郁の鼻先に突き出した。
「隊長からだ。俺が持って帰っても仕方がない。」
「あ、ケーキだあ。」
中にはケーキが3つ。減ってるのは…
「「隊長が食べた。」」
揃った台詞に また揃ってブッと吹き出した。
「…今日は悪かったな。」
「もうっ、いいですって。ねぇ、教官。チーズケーキなら食べられるでしょ?。」
郁はグラウンド近くのベンチに堂上を引っ張っていって座る。
「手で失礼しますね。」
箱に入っていたのは、ショートケーキとモンブラン そしてチーズケーキ。そのチーズケーキを取り出すと 「はい。」と堂上の口元へ。暫く面食らっていた堂上だが、にやりと口角を上げて笑うと 大きな口を開けて一口齧る。
「ん、うまいな。」
郁は真っ赤だ。自分から仕掛けておいて何て顔してやがる とぺしりと叩いて触れるだけのキスを落とす。
「隊長には迷惑被ったんだ。次の公休に連休ねじ込んできたぞ。」
「うそ。」
「うそなもんか。言ったろ?。郁の補給が必要だって。今日はこれで勘弁してやる。」
ギュッと抱きしめ 再び塞ぐ。キスの合間に郁も囁く。
「あたしも教官が足りてません。」
2人の影が月明かりに重なった。
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