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2013'01.13 (Sun)

「勉強会」

只今息子は試験中。母は妄想中。
いえ、力を発揮出来るよう 祈っている英香です。
昨日はお休みしちゃいました。ほぼ1日 道祖神祭りの為に出てました。どんど焼きですね。甘酒作ったり けんちん汁作ったり。取り仕切るおばちゃんの指示に 若い?母ちゃん達で切り盛りしてました。無事お焚き上げしてきましたよ。寒かった。皆さんの地域はいかがですか?。
で、更新です。上官・部下の 危機。こちらも試験勉強です。頑張れ。

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【More】

「勉強会」


業務が終わって日報を提出すると
「30分後に第2会議室な。」
堂上が郁に声をかけた。
昇任試験を控えて 苦手な筆記の勉強をみて貰っているのだ。
「は、はい!。」
トキンと小さな鼓動がはねたのは抑えておいた。会議室に2人きりとか 甘いシチュエーション…では全くないから。単に出来の悪い生徒と鬼教官の勉強会だから。
脳裏に浮かぶのは前回の勉強会。郁の物覚えの悪さに 堂上はため息と怒号を繰り返したものだ。元々座学で寝ていた経緯も知られている。今更とはいえほぼ1から覚えることになって、スパルタ勉強会と化したのだ。
「うげぇ」との心の声が聞こえたのか、堂上がギロリと睨んだ。

「ここは昨日やっただろが。」
丸めた書類でパカリと叩かれる。
とにかく書け と命じられるまま繰り返し書く。査問の時もそうだった。ただひたすら書いて体で覚えて頭にたたき込む。そして ふと視線を上げると書類に目を通す堂上の横顔が見えた。郁の苦手なところを抜粋しているのだろう。
――かっこいいなぁ…とか、ダメダメ。
図書隠蔽事件の嫌疑を断固として退けて 試験資格の推薦をしてくれたんだよね…いや あたしだから特別とかじゃなくて、誰にだって公正に守る人なんだから!。
ついもたげる甘い考えに挙動がおかしくなる。
「ほら。」
目の前にコーヒーが差し出された。
いつの間にか堂上が淹れてくれたらしい。
「わ、すみません。」
伏せていた頭をピシッと起こし、両手でカップを受け取った。ほんのり伝わる液体の温もりにホッとする。口に含めば
「甘い…。」
「脳がオーバーヒートで糖分が欲しいんだろ?。クワガタコーヒーじゃなんだけどな。」
そう笑ってカップを傾ける姿にもきゅんとか鳴るAカップがうらめしい。
優しいんだよね。パコパコ叩きはしても決して見放さないし。「うちの班から1人だけ落とす訳にはいかんからな。」と面倒を見てくれる。ここは教官の期待にも応えなくちゃ、と郁はカップを置いて机に向かった。
「じゃ、ここからここまで100回書き写せ。」
「げっ。」
「げ じゃない!」
ずいっと寄せられた顔が近くて ボッと赤くなる。顔を隠すようにしてガリガリと書き写しながら
「トラック100周ならいける気がするのにぃ~。」
と ぼやいてみる。
「幸い実技はお前の得意分野なんだから ここはちゃっちゃと励め。」
ぽん とのるのは丸めた書類ではなくて堂上の大きな手。
「…教官って 飴と鞭の使い方が上手ですよね。」
ぼそりと言う郁の言葉に 堂上は手を乗せたまま耳を傾ける。
「こうして貰うと、何だかやる気が出てきます。」
自分の手の下から上目遣いの郁の顔。ふにゃりと笑う郁に思わず絶句した。つい強めに拳骨を落とす。
「いったぁ~。」
涙を滲ませて頭を擦る郁を置いて
「あほう、愛の鞭だ!。しっかり書き写せ!。」
と 自分でも訳の分からない台詞を吐いて会議室を出た。
どかどかと廊下を歩きながら口元を手で覆う。
なんて顔しやがるんだ。煽るつもりか。2人きりの空間を意識させるな。
自分用の濃いブラックコーヒーを淹れに給湯室に入った。
「あ、カップ…。」
堂上のカップは飲みかけのまま会議室に置かれていた。
そんな勉強会が暫く続く。
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