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2013'01.17 (Thu)

「タイミング」

主人に仕事を頼まれました。パソコンの。(なんて無謀な)
エクセルってので表の中にただひたすら名簿と数字を記入していくってのを。――出来ました。凄いって自分を誉めてあげました。
で、印刷した方がいいのかな?って思って、カチャカチャしてました。何だか分からないけど 表は延々と続いている。記入したところだけ範囲指定すればいいよねって またカチャカチャやってたら、ぱっと最初の未記入画面へ。
画面も真っ白。私も真っ白。この時点で夜中の2時。保存ってのしてない…。
ま、SS書いててよくある事なので 仕方なく1からやり直しました。結局無事 新たに保存して印刷したんですが、最後に画面を順に閉じていったら 1番下に隠れてましたよ。消したと思った表が。朝4時でした。脱力…。しかも起きてきた主人に、印刷いらない、添付ファイルで職場に送ってと。何ですか?それ。
めげずに更新です。緒形さん出し用に 随分前に書いてて途中だったお話。辻褄合わせ的な感じです。上官・部下で危機。カミツレオイルを渡すお話です。

↓こちらから どうぞ

【More】

「タイミング」


郁の鞄の中には プレゼント用の簡単な包装がしてあるカミツレのアロマオイル。
堂上に士長昇任試験の筆記の勉強を見てもらった。そのだだのお礼だし と机の横に掛けてある鞄にチラリと目をやる。
問題は渡すタイミング。出勤の早い堂上に合わせて朝渡そうかと思って珍しく早朝に来てみれば、緒形副隊長と既に打ち合わせをしていた。
「お、おはようございます。」
軽くがっかりしたが まだ1日は始まったばかりだ。
「おはよう。なんだ 早いな。」
いつもこうならいいんだがな と堂上が皮肉るが、そんな表情さえ眩しく見えるのはもう病気かもしれない。
「いえ、ちょっと早く目が覚めちゃって。」
えへへ と笑っておいた。

午前中は内勤だった。データの入力をしながら 背中合わせの堂上に意識が向く。時々クルリと椅子を回して郁や手塚に指示を出すその動作1つ1つに心臓が飛び上がりそうになるのを、必死に取り繕いながら業務をこなした。
休憩にコーヒーを淹れる為に 郁は給湯室に入り、流しに手をついて「はあ――。」と大きなため息をついた。
「だめだ、チャンスが無い。」
「何のだ?。」
「教官に筆記をみてもらったお礼を渡す―――。」
つい返事をした形になって 郁は慌てて声のした方を向いた。入り口に立っていたのは緒形だった。
「おがっっ! ちがっ 違うんです。何でもありません! 何でも!。」
慌て過ぎて上手く誤魔化すことも出来ず、アハハハと訳の分からない引きつった笑い声をあげてその場を逃げるように離れるしかなかった。
郁は壁に沿って給湯室から出ると、「おい、コーヒーは。」と言う堂上の声に
「笠原、トイレです!」
と応えて バタバタと事務室を後にした。
堂上班の面々は顔を見合わせて肩を竦め、敢えて追及もせずに業務に戻る。郁が挙動不審に陥るのはいつものことだと。
緒形だけは 郁が出て行ったドアを見ながら「フム。」と顎に手を当てて微笑した。

郁はその後も堂上に渡す機会を得ず、午後の訓練に入った。
訓練中は余計な考え事をしている暇はない。怪我にも直結する。道場で格闘技訓練に入り、乱取りで次々相手を変えながら組んでいく。体格に恵まれた隊員が多いが、郁もそれなりに対処できるようになっている。
隊員達は郁と組むと
「合格おめでとう。」
と声をかけてくれた。お祝いだ と見事に投げさせてくれたり、逆に技をかけてきたり。
手塚も同じく手荒い祝いを受けているようだった。

各自汗を流してシャワーを浴びる。
堂上は小牧と業務の打ち合わせをしながら事務室に向かっていた。
「お疲れー。」
土井ら 訓練上がりの隊員達も足早に向かう。
そこへ後ろから堂上を呼ぶ声がした。振り向くと 書類を手にした緒形が立っていた。
「先行っててくれ。」
堂上は小牧にそう促すと 緒形の元に向かった。
「何でしょうか?。」
緒形が呼び止めるとは珍しい。指示をする時は席について というのが常だ。ぽいと投げてよこす玄田と違ってきちんと手続きをとる。その緒形が呼び止めるのなら、急ぎの用件か。
堂上は身を引き締めて緒形の前に立った。
「笠原の事なんだが。」
緒形が右の口角を上げながら話しだした。
「笠原ですか?。」
緒形の表情から 悪い話ではないだろうと思いながらも、続きを待った。
「俺のところにも評価員から打診があった。実技試験に参加した子供達のリクエストが後を絶たないそうだ。児童室の企画に取り入れたいとさ。」
書類をパンと弾いた。
「そうですか。笠原も喜びます。」
「笠原も随分成長したもんだ。実技はトップだったそうだな。」
緒形から誉められて 自分の事のように嬉しい反面、普段過保護を指摘されている自分の狡さが胸に刺さる。成長を喜ぶべきである上官が、どこか庇護したい欲求があるなど。郁に対しても失礼だ。
「笠原の実力です。」
背筋を伸ばして言い切った。
「筆記もな?」
緒形の目は笑っている。堂上は肩の力を抜いて苦笑した。
「そっちは随分面倒を見てやったらしいな。」
「はあ、うちの班から1人だけ落とす訳にいきませんから。よく頑張りました。今では信頼出来る部下です。」
「上官としてだけか?。」
緒形の言葉に はっとする。他の隊員達の様に 堂上と郁の事を茶化す人柄ではない。
「ま、鬼教官として しっかり誉めてやれな。」
緒形は周りに人影がなくなったのを確認してその場を離れた。堂上は緒形の指摘を心の中にやり過ごした後、事務室に向かった。

「堂上教官!」
漸く堂上1人のタイミングを捕まえた郁の声が廊下に響いた。
その声を遠くに聞いてから 緒形は事務室のドアを閉めた。
「奴はいつまで言い訳を連ねていられるかだな。」
そういえば進藤達が賭けをしてたんだっけ。
「おい、進藤――。」

郁の手から渡された カミツレのアロマオイル。2人の前進に大きく貢献するアイテムは 漸く堂上の手へ。
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