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2013'02.11 (Mon)

「波を寄せて」6

日帰り温泉に行ってきた英香です。
家族は昼間外出してて、家に残っていた私が着替え等の用意をしてから出かけました。
主人は犬の散歩をして結構汚れていました。大型犬と戯れましたから。
温泉入って さっぱりして出てきたら、着替えていない主人が先にビール飲んでいました。「どしたの?」と聞けば
「(ジャージの)ズボンが2本入ってたんだけど。」
上下がトチンパタンになるから着替えるに着替えられず。
またやっちゃった。

さて続きの更新です。次回はエピローグになります。こんな感じになりました。
↓こちらから どうぞ

【More】

「波を寄せて」6


堂上は吸った息を フーッと大きく吐き出した。
「改めて一言いっておくが、お前の認識は間違ってるからな。」
腕を胸の前で組んで言い進める。
「アレは特別な人間じゃない。その場の感情で流されたり 間違った選択をした人間だ。反省だらけで俺が切り捨てた。――ただあの時の見計らいに、後悔はない。」
堂上は腕を解いて真っ直ぐに和田を見る。その一点の曇りのない目に、和田はブランコから立ち上がって向き合った。
「俺は もうあの時の三正ではない。」
「……」
「堂上篤として 笠原郁を――愛したい。そのスタートラインに立つ為にも 連れて行かれては…困る。」
徐々に照れてか声が小さくなる堂上に、和田は「ぶっ」と吹き出した。
「今更スタートラインですかあ?」
「な、なんだ。おかしいか?」
「しかも『愛したい』って。普通宣言するなら『愛してr――」
「余計なお世話だ!」
全身真っ赤になった堂上に 容赦なく和田は笑い声をあげる。「堂上二正は相当めんどくさい人ですね。」と誰かと同じ評価を落として。
「ダメですよ、その程度では。水戸本部は本気で笠原さんを取りにきます。もっと強い宣言でないと とても太刀打ち出来ませんね。」
――これは遊ばれている。が、この際すっきりするのも悪くはないか。

「堂上篤は笠原郁を愛している。何処にも、誰にも、渡さない。」

和田は夜空を仰ぎ観て 満足気に笑みを浮かべた。
「堂上二正――」
そっぽを向いていた堂上が和田に視線を流したタイミングで 左頬に拳が入った。堂上は後方にバランスを崩した。
「一発殴らせて下さい。」しれっと言う和田に 頬を押さえて睨み付ける。
「順番が違うだろが!」
「さすがタスクフォース。咄嗟に歯を食い縛れるなんて 残念。」
和田は楽しそうに笑った。

揃って帰寮すると ロビーには堂上班と柴崎がソファーに陣取っていた。
「2人共お帰り。やあ、派手にやったね。」
小牧が笑って出迎えた。手塚は堂上を見て慌てて「氷を持って来ます。」と寮に入っていった。殴られた頬は少し腫れていた。郁は目を見張ってわなわなと震える。
そして足早に和田に近づくと右手を振り上げた。
パシン と乾いた音がロビーに響く。
「堂上教官に手をあげるなんて許さない!」
堂上は涙を滲ませて和田に詰め寄る郁の片腕を掴み
「いいから。」
と引き離す。
「笠原さん、痛いよ。こっちがKOされた方なんだけどな。」
強烈なボディーブローをね、と叩かれた頬を擦る。
氷を持ってきた手塚に「あ、もう1つ。」と小牧が指示を出した。
でも でも と半ばパニックの郁をそのまま女子寮の入り口まで引き摺って
「柴崎、後は頼む。」
と ポイと放る。
「ハーイ。」
柴崎は郁の背中を押しながら奥に入っていった。
それを見届けてから 堂上も部屋に戻る。手塚が追加で持ってきた氷を頬に当てがった和田と苦笑しながら。

柴崎は郁を部屋に押し込んで 「落ち着きなさい。」とお茶を淹れた。
「バカね、あんたも。」
呆れた様にため息をついて郁の隣に座る。
「水戸本部の意向から和田三正の動向まで、こっちは全部お見通しよ。」
郁は肩を窄めて縮こまる。「……ごめん。」
柴崎は郁の肩に手を回す。
「だからバカだっていうのよ。1人で抱え込んで、どうせグルグル考えてたんでしょうよ。」
その手で郁の腕を強めに擦ってやる。
「立派に成果をあげてくる隊員をみすみす手放すわけないでしょっ。あんたも特殊部隊としてやれる事 まだまだあるんだし。」
「うん。」
「そもそもあの人が黙ってる訳ないしね。」
バシンと背中を叩くとお茶を啜る。
堂上はいつでも郁の窮地に駆け付ける。初めて会った時から。迷惑ばかりかけている郁を、導き支えてくれる。上官として。
「でも、なんで教官が殴られなきゃいけないの?。元々あたしの問題じゃん。結局上からは異動の話は来てないけど。和田三正のデマだったの?。」
「いいえ、水戸からその申請が出ているのは本当。で、どこかで止まっているのね。その内分かるでしょ。堂上教官のはまた別。――あ~見たかったなあ~。小牧教官も見たかっただろうな~。んー残念~。」
柴崎はジタバタと悔しがるが、郁には見当がつかない。堂上と和田に何があったのか。こういう時、柴崎は絶対口を割らない。
柴崎は膝立ちになって郁の頭を抱え込む。
「あと野々宮さんからの伝言。『ヒエラルキーは少しずつ改善されています。まだわだかまりはあるけれど、私達も強くなりました。自分達でしっかりやっていきます。』だって。何も心配いらないわ。須賀原館長の代理も目処は立ったみたいよ。これは折口さん情報。」
そっか、それぞれに頑張ってるのか。あたしはあたしに出来ることを全力で。仲間を信じ――教官を信じて。
「ありがとう。」
郁は柴崎の腕を きゅっと掴んだ。
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