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2013'02.17 (Sun)

「退院を祝おう」

寒い寒いと予報で言われていたそうですが、この辺りは比較的マシのようです。思ったほど風がないからかな。
連日飲み会だった主人。帰ってくるとお喋りが止まらない。ただでさえ喋る男です。受験勉強中の長男も更に喋る男なので 深夜なのにべらべらべらべら…。あ、もう勉強にならないな。迷惑な酔っぱらいです。
諦めて放っておきました。
更新です。特に捻りもない日常をお送りします。堂郁じゃないか。特殊部隊・手塚の話?。恋人初期。題名そのままです。

↓こちらから どうぞ


【More】

「退院を祝おう」


秋も深まり 過ごしやすくなってきた。
「お疲れ様でした!」
課業後に急いで日報を仕上げて事務室を飛び出していった郁を 隊のみんなが見送る。これから堂上の見舞いに行くのだろう。以前と雰囲気の変化が見て取れる郁を微笑ましく思うのはどの隊員も同じだ。
「堂上の奴も退院が決まったらしいな。」
「そろそろ復帰してもらわないと 仕事がたまって仕方がないぞ。」
いや、自分でやろうよ と手塚は内心突っ込みを入れる。
堂上と郁が付き合い始めたと小牧が隊のみんなに報告をすると、割れんばかりの歓声が上がった。「長かったなあ。」「じれったいったらなかったぞ。」「やっとまとまったかぁ~。」と口々に安堵とも言える声が漏れた。
そんな中 手塚は少し複雑な心境だった。2人がお互いに想いあっていることは何となく分かってはいた。柴崎に付き合わされて2人で呑む時は 大抵その話題も出て、不本意ながら笠原に対してライバル意識を自覚する始末だ。それは別として 何故あの2人なんだろう。隊のみんなも さもくっつくのが当然のように言うのは何故なんだろう。
笠原が堂上を慕うのは分かる。図書隊員の目標としていた位だ。尊敬する上官を異性として見れば恋愛感情を持ってもおかしくない。堂上はそれほどまでに立派な男だ。しかし笠原は 例の王子様を探してたんじゃなかったのか?。諦めたのか?。
もっと分からないのは堂上の方だ。あれだけ才能があって的確な判断の出来る男が 何故笠原を選ぶんだ?。その気になれば もっと女性らしい相手がいくらでも選べるだろうに。よりによってあの笠原だとは。いや、同僚としてあいつの能力を認めていない訳ではない。ただ異性として見た場合、恋愛対象として如何なものか。疑問というより不思議で仕方がない。
勿論祝福はする。恋愛は本人の自由だ。殊更この当麻蔵人の事件では 2人過酷な状況をくぐり抜けたのだ。小牧に言わせれば凄まじく相性はいいらしい。周りから見ればハラハラする程に。
そんな事を手塚がぐるぐる考えていると、事務室の戸をバーンと開けて玄田隊長が入って来た。ニヤニヤとした顔は絶対何か企んでいる。
と 脇に抱えていた物を手塚に放り投げてきた。慌てて受け止めると それは大きな布らしき物を丸めた物体。
「めでたく堂上が退院してくる。盛大に祝ってやれ!」
広げて見れば 横断幕。『祝・退院』では有り余る長さだ。
「そりゃいいや!」
進藤と斎藤が手塚から横断幕を引き取り 床に広げると、わらわらと隊員達が集まって熟考し始めた。ノリの良い集団だ。更に言えばいつも堂上を嬉々として弄る。生真面目な堂上の反応が楽しいらしい。手塚にしてみれば堂上が気の毒にしか思えないのだが。取り敢えず様子を観察する事にした。
「退院祝いだからな。」
「祝い事が重なってるだろが。」
「カップル成立だろ。」
「相手が笠原だからな。」
「そうそう、これは外せないな。」
さらさらと筆を滑らせるのは 巨漢ながらも書道を得意とする土井二正。

『退院&カップル成立&王子様卒業おめでとう、堂上くん!』

出来上がった横断幕を囲んで みな感慨深気だ。
「アイツの回り道も漸く辿り着いたな。」
「俺は 下手すりゃずっと蓋してるかと思ったよ。」
「あ~、頑なだかんなあ。」
手塚はじっと横断幕を見つめている。
「ん?どうした手塚。なかなか上手く書けただろ?」
胸を張る土井に手塚は問いかけた。
「何故 堂上二正が王子様卒業なんですか?」
笠原なら分かりますが、と言う手塚に視線が集中した。次に大爆笑だ。
「そこか? 今更そこなのか!」
「おまえ 3年こんなに近くにいて何見てたんだよ。」
「小牧、ネタ割りしてないんかよ。さすが手塚だな!」
手塚は背中や肩をバンバン叩かれもみくちゃだ。小牧は腹を抱えて笑っている。
「いや、あんなに駄々漏れな2人に説明いらないだろ 普通。」
……これは面白がって黙ってたくちだろう。小牧という男が見えたと思った。ついでに柴崎も。

どうやら笠原の王子様は堂上二正だったというのが種明かしらしい。運命的な再会を果たしたはずが 笠原の王子様発言で羞恥に耐えられず箝口令を敷いてひた隠していたのだと説明された。それでも蓋はしきれなかった。やはり運命だったのか。
それにしてもこの横断幕は…。
「これでは 余りにも堂上二正が気の毒…」
「どうした?手塚あ。」
ガッツリ組まれた玄田に気圧されては何も言えない。あの堂上でさえ押さえ切れないのだから。

「あ、笠原もう帰ったの?」
手塚と小牧が帰寮準備をしているところに柴崎が顔を出した。
「ああ、多分病院。」
手塚が答えると
「堂上教官に急ぎの書類があるんだけど…じゃ、最後のお見舞いがてら行きましょか。」
拒否権はないらしい。小牧も含めた3人で病院に寄ることになった。

病室の前で足を止める。
「ん。」
と手塚が柴崎から書類を取り上げると そのまま戸に手を掛ける。
「手塚、いきなり開けちゃ――。」
小牧の制止に構わず戸を開ける。
「「………」」
「…あ、ここ 置いときます。」
書類を戸の脇に立て掛けて そのまま出て踵を返す。
「ちょっと、どうしたのよ!」
廊下を引き返す手塚を柴崎と小牧は追いかけた。
「……取り込み中でした。」
耳まで真っ赤な手塚に 2人は爆笑する。
「手塚って 強者だよ。」
看護師に注意されるまで ずっと手塚は笑われ続けていた。

病室では堂上と郁は暫く固まっていた。

15:26  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

おはようございますヾ(=^▽^=)ノ いや~、面白かったです(≧▼≦)♪ 手塚の朴念仁振りは理解ってるつもりでしたが、脳内こんなだったか君!?と、改めて笑えます♪ …ドア開けちゃうし(^m^)=3 タスクフォースのからかいは大人なんだな…と噛み締めました。←固まってる二人もきっとね!!
すぎ | 2013年02月18日(月) 04:20 | URL | コメント編集

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