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2013'02.25 (Mon)

「虫除け 郁ver.」

こんにちは 英香です。
そういえば お雛様かざりました。
一昨年子供がボールをぶつけて 三人官女の鼻が欠けてしまいました。その2日後に行った釣りで 主人が鼻の下辺りに木の枝で怪我をしたというちょっとホラーちっくな出来事が。
ちゃんと直して貰いましたよ。というか頭を変えたわけですが。毎日子供達もお人形に手を合わせています。予言だったのか罰だったのか。因みにボールをぶつけたのは長男。
さて 更新です。珍しく?長いばかりの会話文。恋人期。ムツゴロウ後の事務室で。オリキャラ出ます。

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「虫除け 郁ver.」


新年度となり 関東地区の主要図書館 及び図書基地の幹部が集まる会議が催される。一部館長や司令の交代がある為 その辞令も下りるが基本儀礼的なものだ。
問題はこの時付随してやってくるもの。
「今年は誰が狙われてるか知ってるか?」
「去年は業務部の曽根さんだったろ。気の毒にあん時は婚約者と喧嘩になったらしいぞ。」
「そうそう 結局別れたって聞いたぜ。」
「その前の八木さんの方もダメだったって。」
「それであのオバサン 今年こそはって張り切って美人連れて来るってさ。」
某図書館の山口館長は、毎年この時に見合い話を持ってくる。独り身に持ってくるには問題ないが、自分が気に入ったターゲットに恋人がいようがお構い無くごり押ししてくるのだ。そのせいで破局に至ったカップルも多く、この時期になると戦々恐々となるのだ。

幹部会が終了した。
「山口館長が特殊部隊に来るってよ!」
事務室が騒めく。独り身の多い部署だ。案外良縁ならば喜ぶ隊員は多い。
ガチャリと戸を開けて入って来たのは 50代後半の女性。かっちりと正装したスーツ姿で背筋を伸ばしてカツカツとヒールの音を響かせている。紫の縁の眼鏡の奥には 押しの強そうな目が光っている。
その後ろに続いて入ってきたのは 柴崎に匹敵すると思われるほど美しい女性。長い髪にウェーブをかけてあり 歩く度にふわりと揺れる。目鼻立ちのハッキリしたメイクが映え ピンクのグロスの効いた唇はぽったりして艶やかだ。膝上の短めなスカートが揺れ 華奢な体に不釣り合いなほど豊かな胸が目を引く。
おぉーーとどよめく。
女の郁でさえ見惚れる。
「ちょっとそこのあなた。」
山口館長が郁に声をかけた。
「堂上篤二等図書正はどちらかしら。」
(堂上かよー)と落胆の色で事務室は染まる。しかし。
「堂上教官は只今班長会議に出席しているので こちらにはいません。」
答える郁は 堂上の恋人だ。事務室中の隊員が固唾を飲んだ。
「ああ。堂上二正は若くして特殊部隊で班長を張っているのよ。あの玄田隊長の懐刀と言われていて出世間違いなし。聖華女学院卒の白鳥さんに相応しい男性よ。」
鼻息荒くまくし立てる山口に 白鳥という女性はキラキラと期待に満ちた目を周りに向けた。
「未来の旦那様の職場ですから よく見学されたらいいわ。私は堂上二正を呼んで来ますからこちらで待たせて頂きなさいな。」
と 山口は事務室を後にした。

白鳥は上品そうに来客用のソファーに座る。聖華女学院といえば 家柄良く 優秀な女性でないと入れない有名な学院だ。山口が堂上の見合い相手として連れて来たのだと思うと 郁はどう接したらいいか分からない。だってどう見ても白鳥の方が堂上に相応しい。ましてや自分が堂上の恋人だと進言するのはおこがましいとさえ感じる。
「あの…お茶です。どうぞ…。」
郁は白鳥の前にお茶を出した。
「有難う。貴方は堂上二正のことはよくご存知かしら?」
白鳥は優雅に微笑んで郁に問いかけた。
(自分が堂上の恋人だって言え!)
周りの隊員は心で郁に叫んだ。
「はあ、直属の上司ですので。」
郁はトレイを抱えて俯いた。
「あら、丁度宜しいこと。堂上二正について前もって情報を教えて頂けるかしら。とても素晴らしい男性とは聞いていますのよ。」
髪を掻き上げる白鳥の仕草は色っぽい。
「え…はい。」
「彼の好み位 知っておいた方がいいものね。」
(敵に塩を送るまねするなよー。)
みな ハラハラして見ている。
「まず、そうね、好きな食べ物とかは?」
「えっと…職業柄 しっかり栄養のある物を好みます。最近は脂質が少なくて筋肉が付くからと鶏肉も進んで注文してます。食べた事ない料理は一口欲しがります。」
「料理教室を開いてますの。栄養バランスを考えて料理は出せますわ。」
「あっさりしたものなら甘いものも食べます。チーズスフレとか。」
「得意ですので 次は手作りをお持ちしましょう。」
「ビールの後は大抵日本酒ですね。アルコールには強いです。」
「ご一緒できますわね。では趣味とか。」
「図書隊員ですのでかなりの読書家です。当麻先生を始め 謀略物を好んで読んでいます。」
「やっぱり知的ですのね。わたくしも読んでおこうかしら。映画とかお好きかしら?」
「アクションとかミステリ物を観ますね。最近は恋愛映画も眠らずに見られるようになりました。角川監督の映画はチェックしてるみたいです。」
「?よくご存知ね。では女性の髪型の好みとかある?。」
「髪を掻き混ぜるのが好きみたいなので 短くていいそうです。」
「あら、切ってみようかしら。」
白鳥は長い髪を束ねてみた。
「好みの装いってご存知?」
郁はそうですねぇ と腕を組む。
「基本似合っていれば褒めてくれます。スカートは短いと眉間の皺が増えます。柄のタイツは嫌いだと言ってました。妙な気分になるって。メイクはナチュラルで。リップは色つきのリップクリーム程度で十分だそうです。口紅は苦くて苦手みたいです」
と郁は苦笑する。何度も塗り直すのも面倒ですしねと肩を竦める。
「…外出は?。」
「手を繋ぐのが好きですね。寒い時はコートのポケットにそのまま突っ込んだり。やたら握り返してきます。」
「……優しそうですね。」
「はい。撫でる時は優しいです。でも戦闘職種ですのでつい力強くして苦しい時があるので気をつけて下さい。」
「………夜は…。」
「え――優しい時と激しい時と…朝までって場合もあるので体力は付けておいた方がいいと思います。」
「…………。」
(…………。)

廊下から騒がしい声が聞こえてきた。
「だからお断りしますっ。必要ないですから!」
バタンと大きな音を立てて堂上が事務室に入ってきた。
「とってもお似合いの女性なのよ。容姿端麗。頭脳明晰。清楚でおしとやか。ほらこちらのお嬢様よ。あ、白鳥さん。こちらが堂上二正。大丈夫よ、照れてらっしゃるだけだから。」
後を追って入ってきた山口に白鳥は ほうとため息をついた。
「おば様、もう結構ですわ。ごちそうさま。お腹いっぱいですの。」
一度も口を付けずに冷たくなった湯呑みを置いて立ち上がると、軽く頭を下げてふらふらと出ていった。
「どうしたのよ、白鳥さん!」
山口も慌てて後を追って出て行った。

堂上は難しい顔で郁に問いかけた。
「ウマい菓子でも出したのか?。そんな必要なかったぞ。」
「素敵な女性ですね。とってもお似合いですよ…。」
我慢していた涙が滲む。
「どうした。何か言われたのか?。俺にはよっぽど郁の方が可愛いぞ。」
「いいです。どうせあたしなんか――。」
「あほう、ほらこっち来い。分からせてやるから。」
他の隊員には目もくれず、落ち込む郁を慰めるように堂上は郁を抱えて出ていった。

「笠原恐るべし。見事な虫除けだった。」
「あんだけ惚気られれば諦めるしかないだろ。」
「彼女 2度と来ないな。」
「それにしても 堂上。甘甘なんだな。」

一部始終を見ていた小牧は笑いに伏し 手塚は無心に徹していた。
こっちにお鉢が回って来ないかなー という多くの隊員の期待は叶わなかった。
11:55  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

こんにちはヾ(=^▽^=)ノ♪ 家で読んでいて良かったです、大爆笑してしまった!!♪ 郁ちゃん天然も極まれり!! たぶん堂上さんがお見合いでぐるぐるだったのでしょうが、見事な攻撃だっ(^∀^)b 小牧さんは三途の川の一歩手前ですよ、きっと(*^□^*) タスクフォース面々、砂漠化できる程砂吐いてそう(^m^)=3
すぎ | 2013年02月25日(月) 12:55 | URL | コメント編集

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