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2013'03.03 (Sun)

贈り物「ある飲み会」

ひな祭りです。
1日主人がいたので 色々買い物に回っていました。娘はお洋服買って貰ってホクホクです。――着られる日があるといいね。ほぼ毎日学校のジャージしか着られてないからな。
更新です。
「フクロウの鐘」の風羽さんに 楽しいお話を頂いたので、こちらからも飲み会のお話を。が、特殊部隊の仲間達が一緒ってなだけで普通の飲み会ってか、妙に堂上さんが余裕な気がする(´`)。逆に郁ちゃんが飲める人にしようかと思ったんですが、失敗に終わったので普通の設定です。こんなんでよろしければ 風羽さん、貰って下さい。
恋人期。堂上さんの退院後の飲み会です。

↓こちらから どうぞ

【More】

贈り物「ある飲み会」


落ち葉が落ち切り 木枯らしが身に染みる頃になってから、漸く堂上の退院祝いと称した特殊部隊の飲み会が催された。
「堂上の退院及びカップル成立に乾杯!」
「おぉ――。」
後半の宣誓に郁の顔は真っ赤になった。これは恥ずかしい と小さくなってウーロン茶に口をつけた。
しかし隣は空席だ。堂上は未だ残業に追われている。出掛けにいつの間にか書類が積まれていたのだ。
退院してからというもの、溜まった書類と他から回ってくる資料の山に埋もれ、毎日のように残業だ。それを理由に飲み会も引き伸ばされていたのだが、郁に手伝えるわけはなく、ただその後ろ姿に「お疲れ様です。」と声をかけるしかなかった。
「ほら、笠原。ちょっとくらい呑まないか?」
注ぎに回る隊員が声をかける。
「結構です。お腹すいてるんでいっぱい食べたいので。」
郁は目の前の唐揚げやポテトを小皿に移して頬張る。今日は酔って寝落ちするわけにはいかない。完治したとはいえ、退院したばかりの堂上におぶわせて帰るなんて迷惑はかけられない と、食べる事に専念した。
「お、酒飲んでないな。感心感心。」
郁の頭上から声がした。堂上だ。
「堂上教官。」
その弾んだ声に堂上は笑みを溢し、ぽん と頭に手をやってから隣の席に腰を下ろした。
「お疲れ。」「お疲れ様です。」
小牧も手塚も声をかけた。
「堂上、早かったな。ま 一杯いっとけ。」
進藤がビールを手渡す。
「何言ってるんですか、主賓来る前にできあがってて!。進藤一正の分は机の上に差し戻しておきましたからね。」
「げっ。」
と顰める進藤の顔に周りは沸いた。
「おーい堂上ー、酒が終わったぞー。」
「ツマミが足らーん。」
あちこちから声が上がる。
「だから何で―――。」
と渋りながらも腰を上げるのが堂上が堂上たる所以で…。
「あーあ、隊長に捕まったな。」
郁の隣の土井が笑った。見れば追加注文を終えた堂上が隊長に肩を組まれて沈んでいる。
「ありゃ暫く帰って来れないね。」
小牧もクスクス笑っている。
「しかしまあ、堂上と笠原がうまく纏まって良かったよ。まあーもどかしかった事。」
「あのー。」
郁は土井に問いかける。
「その みんな …いつからその話は……。」
「そりゃみんな 最初っから。」
「堂上の茨城での見計らいはみんな承知の上だったからな。」
斎藤も話に加わる。
「笠原の王子様話から賭けの対象なりまくり。」
「なかなか進まないから 仕切りなおしてばっかだったよな。」
周りの隊員も話に乗っかる。
「県展辺りから怪しくなってきたから本格的に仕切ったぞ。」
「当麻事件の初日に手ぇ繋いで帰って来たって聞いた時は 決まったかと思ったけどな。」
「そうそう、2人して出かけるって聞いてみんなそこに賭けたからな。」
郁は目を真ん丸にして呆気にとられていた。柴崎にも丸分かりと言われたが、そんなにバレバレだったのか。
「堂上の奴、ちんたらやってるから結局一人勝になって持ってかれたんだよな。」
「へぇー、誰に。」
「俺様だ。」
胸を張って鼻息荒く、その低い声に振り向いた進藤が固まった。
仁王立ちになって腕を組んでいる堂上。
「ふーん。」
「あ、え…何だな。」
あたふたとなる進藤に 堂上はニヤリと笑った。
「今日は進藤一正の奢りだそうです。ありがとうございました!!」
堂上の大声に「おお――。」と部隊が手を叩いて騒ぎ立てた。
「そりゃないよ~ 堂上~。」
進藤が泣きに入るその隙に
「ほら、郁。帰るぞ。」

堂上は郁の腕を取って立ち上がらせた。
「『郁』だって『郁』~。」
ヒューヒューと囃し立てられる中を突っ切り座敷を後にした。

「教官、いいんですか?。」
「いいんだよっ、あの人達は飲む理由が要るだけなんだから。」
手を引いてずんずん歩いて公園まで辿り着いた。
夜の風は随分冷たくなってきた。温かい飲み物を買ってからベンチに座る。
「悪いな、なかなかゆっくり出来なくて。」
残業続きの事を言っているのだろう。郁はブンブンと頭を振る。
「いえ、それより…。」
あの部隊全体のからかいを 今まで一身に受けていただろうと思うと申し訳ないような。自分の王子様信仰が招いたと言っても過言ではないのだから。
「自分が撒いた種だからな。結果がこれなら文句は言わない。」
引き寄せてキスするかと思いきや――
堂上は茂みに空き缶を投げつけた。
「痛っ。」
潜んでいたのは数人の隊員。
「さっさと二次会でも何でも行って下さい!。」
堂上の怒号に
「流石だ堂上!。完璧なる復活だ。」
と言い残して逃げて行った。
「……これからも 続くんですね。」
はあ……と2人 ため息をついた。
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