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2013'03.22 (Fri)

「双璧の罠」(リク3)

今日は小学校の卒業式でした。
1年生のチビは 登校だけして9時過ぎにはもう家に帰って来ました。式には3年生以上が出席なんですね。そういえば。
こいつがいるとお話がなかなか書き進められませんの。今日は穏やかな春らしい日だったので公園に出かけたり、合間を縫って 長男の書類を学校に提出しに行ったり。でも婆さんがいてくれるので チビを家に置いて用事を済ませられるので、同居って便利です。
さて 更新です。何だかんだで遅くなってしまいました。リクエスト その3 です。内容は最後にあります。オリキャラの須田先生が登場です。
↓こちらから どうぞ

【More】

「双璧の罠」(リク3)


駅前の通りから1本入ったところにある飲み屋に玄田は入った。普段特殊部隊で利用する大型店ではなく、こじんまりとした小さな店で、カウンターと3つのテーブル席がある程度の広さ。料理自慢の主人が腕を振るう、玄田お気に入りの飲み屋の暖簾をくぐると 主人の元気な声が上がった。
「玄田君。」
カウンターの奥に体格のいい男が座っていた。
「須田先生、お待たせしましたね。」
「いや、僕も今来たところだ。」
カウンターに置かれたビールはまだ泡が盛り上がっている。玄田もビールを注文して並んで座った。
須田は図書基地に近い病院の主任リハビリスタッフだ。怪我の多い特殊部隊の指定病院で、職場復帰の際にかなり世話になっている。玄田の担当理学療法士であり 付き合いはもう長い。
「先生とこうして呑むのも久しぶりですな。」
「図書隊は事件続きだったからな。ま、玄田君の入院中は こっそりスタッフルームで一杯ってのはあったがな。」
軽くジョッキを合わせて先ずは一気に飲み干す。2杯目と料理はお任せを頼むと一息ついた。
「報道の方も大分落ち着いてきたな。玄田君も大変だったろう。」
枝豆をつまみながら須田は労った。
「いえ、実際動いたのは部下達ですよ。」
「聞いたよ。無茶したが面白い。今と昔の2人の堂上君みたいなカップルだな、アレは。」
「笠原は昔の堂上そのものですからな。」
「ああ、笠原さんだっけ。『郁』としか聞いてないから スタッフ間では『郁さん』で通ってるんだ。よく手伝ってもらってるよ。堂上君もあんな顔するようになったんだな、安心したよ。」
玄田は「ほう。」と眉をあげてニヤリとする。
「まあ、奴らは長年王子様とお姫様してたから やっと落ち着けたんでしょう。…ところで先生。」
玄田は何やら須田に耳打ちをした。

郁の公休日には直接リハ室で落ち合う。堂上はリハ室に入るとマットレスに腰掛けた。すぐに若手のスタッフが声を掛けてきた。
「須田先生は今他の患者さんを診てますので 先に始めて下さいとのことです。」
見渡すと 隅の方で背中を向けて、車椅子の患者と話をしている須田の姿があった。
「……?」
「きょーかん。」
にこにこと郁が入ってきた。
堂上は違和感を感じていたが 郁の声で気にならなくなった。
「ああ、いつも付き合わせて悪いな 郁。」
「いえ、お手伝いさせて下さいね。」
郁は松葉杖を定位置に置くと 堂上のストレッチに手を貸した。体をほぐし、マットレスの前に立つ。右足に体重を乗せて確認すると 郁が正面に立った。何げに注目されているのに2人は気付いていない。
「よーし。…GO!」
郁が堂上に向けて拳を繰り出す。パシッといい音をたてて堂上が手の平で受ける。徐々に早く、左右に振り分けて範囲を広げる。堂上はバランスよく動きながら右足に負担をかけていく。その拳と反応速度に 周りはあんぐり口を開けて見守るばかり。
それを数セットすると休憩する。思わず拍手をする者もいた。
「いつもながらよく息が合ってるよな。迫力あるよ。」
どうやら恒例になっている堂上と郁のリハの様子に須田の肩が揺れていた。
幾つかの種類の訓練を終える。合間に見せる2人のやり取りは 堂上が郁の名を呼び それに郁が笑みで応える。
やがて須田はスタッフルームに消え、再びリハ室に戻ってきた。
「やあ 郁さん、すまなかったね。堂上君の調子も良さそうだ。もう2、3日で松葉杖も必要なさそうだな。」
「かえって邪魔な気がしますよ。」
堂上が不服を言えば
「ないと今すぐ走りだすだろ?。もう少しの足枷さ。」
須田がバンと堂上の背中を叩いた。

リハビリを終えると今日は用事があるという郁を玄関ロビーまで見送ることにした。
「今日はありがとな。おかげで気持ち良く汗がかけた。」
「お役に立てたなら。…ホントはもう少しいたいんですけど、柴崎と約束があって。また来ますね!」
可愛い事を言う郁をつい引き寄せたくなったが 残念ながら人目がある。しかも視線を感じて辺りを伺った。その時。
「置き引きよ!」
待合室から飛び出してきた男がいた。手には女物のバッグ。
堂上は郁に目で合図を送ると「郁、行け!」と促した。郁は同時に駆け出すと あっという間に追い付き引き倒す。と、バッグは別の男がすれ違い様にすり取り 堂上の方に走ってきた。
「教官!」郁の声が響いた。
松葉杖の小柄な患者だと高をくくっていたのだろうが、堂上は軽く松葉杖を男の足に引っかけて転ばし、なおも起き上がろうとした男の喉元に杖の先を突き付け動きを封じた。
「大人しくするんだな。」
堂上がバッグを拾い上げようと屈んだ時、男が松葉杖を払って逃げようとしたところ、今度は大きな足が背中を踏みつけた。
「往生際の悪い奴め。」
「……なんですか、その格好は。」
男を踏みつけているのは 白いケーシー(リハユニフォーム)を着た玄田。
「コスプレですか?」
後ろ手に犯人を確保した郁が首を傾げた。
「僕のケーシーなんだけど、似たような背格好でも玄田君は筋肉質だからかな。パツンパツンだ。」
須田が説明する。
「そこじゃないでしょう!。――もしかしなくても さっきリハ室にいたのは玄田隊長なんですね。何やってるんですか!」
「なんでも お前らが人目も憚らずイチャイチャしてるってんで見学しに来たんだ。この格好は――気分だ!」
堂上と郁は真っ赤になって反論する。
「「イチャイチャなんて――」」
「「してるな。」」
リハ室のカレンダーには何処かの情報屋から流れてくる郁の公休日に印がついている。この日に合わせてパフォーマンス張りの訓練を見ようと訪ねてくる患者も多いという。中にはピンクオーラにあてられる者も居ると聞くが、多くは「早く愛する人の元へ」と良い影響を与えているという。

「でだ、次の彼女の公休は。」
「別の部下が来月のスケジュール表を持って来ますよ。」
同じ格好をした大男が顔を付き合わせて盛大に笑う光景は、堂上の入院を象徴するようであった。


==========


リクエストは くほままさんより「オリキャラの須田先生と玄田隊長がタッグを組んで 堂上さんで遊ぶ。」でした。
どうやって遊ぼうかと考えてたら、堂上さんが気の毒としか思えない 騙されたり可哀想な話ばかり思い浮かんじゃったのでNG。平和な遊びはこれから相談するそうですので、先ずは覗き見して貰いました(^.^)b。いつでも真面目にいちゃついていて欲しいものです。くほままさん、須田先生は今後も登場予定ですので これからも宜しくお願いします(^人^)。リクエストありがとうございました!
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