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2013'04.03 (Wed)

「懐かしい写真」(リク6)

おお、日付が変わってしまうよ。
別に忙しくしてた訳ではなく、婆さんの話し相手をしている時間が長かっただけ。そしてつい チビの雑誌の付録作りに没頭していました。うん、満足する出来です。きっとすぐに壊されるだろうがね(*_*)。
更新です。コレで終わっては申し訳ないような?。リクエスト内容は追記に。なんと都合により INDEX No.54の「波を寄せて」と関連つけてしまいました。上官・部下 県展後でオリキャラ有りです。

↓こちらから どうぞ


【More】

「懐かしい写真」(リク6)


茨城県展から稲嶺司令の引責辞任、そして彦江新基地司令の就任と 目まぐるしい変化を遂げた関東図書基地。
第一図書館では迫るクリスマスイベントの準備が進んでいた。
昼休憩に入った特殊部隊事務室に柴崎が訪れた。
「笠原~、郵便物が届いてたわよ。」
手には少し厚みのある封筒。
「ありがと。」
郁が受け取り、裏返して差出人の確認をした。
「あ、舞からだ。何だろう。」
差出人は『木村舞』。高校時代 同じ陸上部で活躍した親友だ。少し前に研修に来ていた水戸本部の和田三正とのやり取りを経て、数年ぶりに連絡を取ったのだ。
「わぁー、懐かしい~。」
封筒の中には数枚の写真。手紙によると高校卒業後に渡したかった写真を纏めて送ってくれたらしい。郁は大学で寮に入った為、別々の大学に進学した舞とは大会で時々会う程度になってしまったのだ。
「あら~、さすがに若いわね。血色の良いこと。」
きゃいきゃいとはしゃぎながら写真を捲り、見終わった写真を柴崎が男性陣に送る。
「やあ、可愛いね。これはインターハイの?」
「そうですね。最後の大会です。ちゃんと優勝してきましたよ。」
と郁は胸を張る。
短距離走であろう。スタートに立つところからゴールまでの連続写真には 綺麗なフォームで走る郁が、流れる背景にくっきり映っていた。
「さすがにいいフォームだな。」
滅多に誉めない手塚もため息をつく。
堂上にも渡った写真には 今の郁より若干幼い笑顔。それは茨城で初めて出会った、良化特務機関の検閲でのあの泣き顔とは違う輝きを放っていた。
この笑顔を見たくて守りたかった。
堂上は独り目を細めた。
「これは卒業式だね。」
小牧の手には引き伸ばされた大判の写真。5人が仲良さそうに顔を寄せ合っている。
「ええ、陸上部の仲間です。大抵この5人でつるんでいたんです。結構バラバラに進学したんですけど、みんなどうしてるかなぁ~。舞はマメだから連絡取ってるみたい。」
同封してあった手紙を読みながら、郁はその写真を覗き込んだ。
当然な事だが 見計らい時と同じ制服を身にまとった郁と舞、その上段に男が3人Vサインで肩を組み合っている。堂上は制服姿の郁に胸を突かれたように息をのんだ。記憶のままの少女。そして今手に入れたいと思っている成長した郁が目の前にいる。
「大学でもそれぞれいい成績出してたんですよ。舞は高跳び、男子は左から長距離の林、ハードルの鈴木、で 同じくハードルの瀬田。結構新聞とかにも出てたっけ。」
と、懐かしそうに写真を撫でる郁を 堂上は視線から外した。小牧はツツッと近付いて堂上の耳に囁いた。
「近いうちにこの中の男友達が訪ねてくるかもよ。よく憶えておいた方がいいんじゃない?。」
久しぶりに連絡がつけば会いたくなるものだろう。
他の写真でもその内の1人が郁を見つめる姿が映っていたのは堂上は確認済みだ。小牧に言われるまでもなく、つい記憶の引き出しに入れておく自分に気付いて眉をひそめた。
「さっさとケリ付けちゃえばいいのに。」
と呟く小牧に、堂上は机の影で蹴を入れた。

数日後。
午後のイベントに向けて忙しく昼食を取った後、堂上班は早めに図書館に向かった。児童室でのクリスマス会の警備担当になっているのだ。
館内のカウンター横で打ち合わせをしているところに 後ろから声を掛けられた。
「笠原!」
肩までの髪を束ねた背の高い男。ギターが入っているケースを背負っている。
きょとんとする郁に
「俺だよ 俺。舞からここにいるって聞いたんだ。」
と親指で自分を指す。
「あ~、久しぶり~。やだ、全然分からなかったよ~。どしたの?その格好。」
「うん、俺、大学2年の夏に足の靭帯切ってさ。リハビリしたけど もう記録伸びなくて、陸上辞めたんだ。で、その後軽音部に入って、見事にハマったって訳。」
背中のケースを揺すって苦笑する。
「え?そうだったんだ。インターハイじゃ 結構いいとこまでいってたよね。残念だったね、悔しかったでしょ?」
「あ、覚えててくれたんだ。嬉しいな。」
自分の事の様に肩を落とす郁に、男は照れて頭を掻いた。
「そりゃそうだよ。朝練だって1番早く出てきてたのにね。」
男は郁がそんなに自分の事を見てくれていたのかと嬉しくて破顔した。
「ああ、1番って程でもないけど頑張って早めにグラウンドに出るようにしてたんだ。」
郁は懐かしげに遠くを見る。
「最上級生になっても率先して器具を出し入れしてたし、ホントに陸上が好きなんだなあって感心してたんだ。」
「まあな、準備するっても コーナーポットくらいだし?…。」
「「懐かしいなあ。」」
郁と男は顔を見合わせて笑い合った。
「ほら来た。」
小牧は堂上に耳打ちした。堂上も内心焦っていた。この男が遠くから郁を切なそうに見つめている写真が数枚あったのだ。どう見ても 在学中は郁に告白出来ずにいたという身近な男友達だ。諦め切れずにいたのだろう。舞から伝え聞いて わざわざ郁に会いに来たのだ。
「…あのさ、笠原――。」
「あ、ゴメン、もう業務が始まるんだ。また今度ゆっくり来てよ。」
郁が腕時計を見ると もう午後の業務が始まる5分前。イベントに遅れる訳にいかないのだ。何せ郁は警備だけでなく、業務部の出し物に参加するよう 柴崎から頼まれているのだ。
「あ、年が明けたら いつものメンバーでプチ同窓会開こうって言ってるんだ。笠原も参加出来るか?」
男はその時想いを伝えようと心に誓って 児童室に向かう郁に声を掛けた。
「うん、もちろん!」
振り返って元気に返事をする郁に 男は大きな期待を抱いた。
「じゃあね、鈴木!。ハードルだけが青春じゃないぞ!」
満面の笑みで手を振っている郁を呆然として見つめる男、を見つめる堂上と小牧と手塚。
郁は「じゃね!」と児童室に入っていった。
「――俺は長距離の林だ…。」
小牧はクルリと背を向けて肩を震わせている。笑いを堪えているのがバレバレだ。
「髪型変わっただけだろ。」
手塚は呆れたように呟いた。俺でも分かったぞ、と。
卒業して7年。多少大人になってはいるが、髪型以外は大きく違わない。1度写真で見ただけだった堂上達でも見分けがついたのに。

そういえば、いつも1番にグラウンドに出ていたのは瀬田だった。
笠原、お前は誰と話してるつもりだったんだ――ガックリと膝が崩れ落ちそうになるのを必死で堪える男・林を、ホッとしながらも気の毒に思った堂上だった。

因みに 年明け早々に勃発した事件により、郁はプチ同窓会には出席出来なかった。再会が実現したのは暫く先の事である。


===========


リクエストは 隠れネコさんより 「卒業アルバムを中心に。できれば郁ちゃんので、高校・大学どちらでも構いません。堂上さんが小牧さんに この中の誰かが笠原さんを追いかけてくるかもしれないから、よ~くみておいた方がいいかもね と脅しておいて下さい。時期はどこでもいいです」でした。
職場に卒アルは不自然だったので、先に出した同級生設定のオリキャラ舞ちゃんに写真を届けて貰いました。脅すところまでだと話が落ちないので、中途半端かな?と思いつつここまで。隠れネコさん、こうなりました(^^ゞ。スミマセン、無糖なの。宜しければお持ち帰り下さい。甘~いお話のお返しにするには申し訳ありませんが(;^_^A。

プチ同窓会まで行ってもいいか、皆さんの反応頂いてから考えようかと(・_・|。自分、未だに同窓会やってません。還暦過ぎてからやるつもりなのかしら(´ω`)。
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