All archives    Admin

07月≪ 2020年08月 ≫09月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031

2013'04.07 (Sun)

「目撃して」前編(リク7)

春休み最終日です。
子供達は学校の課題に追われています。頑張れ。
夜には婆さんの退院祝いと入進学祝いを兼ねて外食だ。お花見の予定だったけどね、天気悪くて変更です。
更新です。前・後編になります。本題入る前が長くなっちゃいましたのよ(^^ゞ。リクエスト内容は後編に追記します。上官・部下でカミツレデート前です。

↓こちらから どうぞ


【More】

「目撃して」前編(リク7)


ここ数年、あることをスルーされて正月を迎えていた堂上だが 今年はそうはいかなかった。
堂上班の正月休みは 1月3・4・5日の3日間。元旦付近は家族持ち優先に休暇を取る為、独身者のみで構成されている堂上班は多少ずらして設定したのだ。
実家は都内だ。冠婚葬祭以外では殆ど帰る事はない堂上も、正月休暇は実家に顔を出す。今年は少々帰り辛かった。
「お帰り 兄貴。明けましておめでとう、の三十路男。」
玄関を開けて早々に飛んできたのは 堂上が何かと振り回される妹・静佳だ。
「…ただいま。明けましておめでとう、だが 一言余分だ。」
上着を脱いで玄関先のハンガーに掛けると居間に向かった。
「お帰り 篤。明けましておめでとう。無事正月を迎えたな。」
危険な職種に就いている息子を酒を準備して出迎えた父に、堂上は年始の挨拶をした。同様におせちの準備をする母にも。
出来合いのおせちをつつきながら 久しぶりの家族水入らず。話題に上がるのは――。
「ねえ、30になってもまだ独り身でいるの?。ここ何年も浮いた話1つも聞かないけど。」
目聡い静佳には 会うたびに鋭いチェックが入る。兄貴が買わないようなストラップをしているとか、メール着信が頻繁になってるとか、思わずギクリとさせられるのだ。
「そうか、篤も30になったんだな。そろそろ考えてもいいかもな。」
「30 30うるさいな。男の30なんて、まだヒヨッコ扱いさ。」
父の言葉に酒を呷りながら答える。
「あら、父さんは30で結婚したのよ。篤は危険なお仕事してるからこそ 護る家族が必要よ。」
家族がいれば無茶しなくなるでしょ、と母は伊達巻をテーブルに出して また台所に戻っていった。
「危険職種にチビときたらお見合いは不利よねぇ。兄貴、チャンスがあったら逃しちゃ駄目よ。兄貴には積極性が足りないんだから。」
「余計なお世話だ!」
こんな話の展開になるんだろうな、との予想はついていたから帰って来辛かったのだ。しかし漸くそのチャンスが巡ってくる、予定だ。この休暇が終わって最初の公休日。郁とカミツレのお茶を飲む約束をした。何かが変わる――と思っている。
「彼女のいない寂しい兄貴を優しい妹が誘ってあげるわ。」
嫌な予感。
「あたしの休暇は今日までだからもう帰るんだけど、明後日は半ドンなのよね。どうせ暇なんでしょ、付き合ってあげる。」
断る!と言っても静佳の提案はある意味決定事項だと諦めている。
「じゃ、12時半に立川の駅で。ランチ奢ってよね。」
ショルダーバッグを引っ掛けて 颯爽と居間を出ていった。堂上の返事は聞かないで。
「静佳は篤が帰って来るのを待ってたみたいよ。」
漸く座った母は にっこりと笑った。

堂上は休暇の最終日の正午過ぎ、立川駅で静佳と待ち合わせていた。
「あ、兄貴、いたいた。」
「いたいた じゃないだろ。人を待たせておいて。」
いいじゃんいいじゃん と静佳は堂上の腕を組んで歩き出した。渋々ついていく堂上は諦め顔だ。何故ならいつもの事だから。

「教、官?。」
郁は目を疑った。
正月休暇中 1人バーゲン巡りをしていた郁は、その様子を目撃したのだ。
道路を挟んだ向かい側に女性と腕を組んで歩いている堂上。見間違いじゃない。無駄に視力もいいのだから。
「彼女、いたんだ……。」
カミツレのお茶を飲みにいくのに 何着か洋服を買ってみたんだけどな。紙袋をギュッと抱えてとぼとぼと歩き出した。

「ほら、兄貴。コレなんて似合うんじゃない?」
ランチを奢らされた後、何軒か店を連れ回された。カジュアル系のシャツを数着 店員に頼んで包んで貰う。
「はい、誕生日プレゼント。」
「……報酬は。」
コレは何か裏がある、と堂上は眉間に皺を寄せて訝しんだ。
「あのね、兄貴はもっと柔らかくなれば女の子なんていくらでも寄ってくると思うの。」
ほらココ、と眉間の皺を伸ばすように指で撫で付ける。
「さっさと母さん達を安心させてあげなさいよね。」
「人のこと言えるか。」
静佳の手を振り払って言い捨てる。
「あー!」
なんだなんだと 静佳が大声で指を差した先を見た。
「コレ 可愛いっ。ね、あたしにぴったりだと思わない?」
ジュエリーショップの店頭に並んでいるネックレス。すすっと出て来た店員が
「とってもお似合いですよ~。」
と静佳の胸元に翳して見せた。
店員と静佳がニコニコして堂上を見ている。
「―――いくらですか?」
堂上は最大級のため息をついて財布を取り出した。
「やだあ、兄貴ったら。あたし欲しいだなんて言ってないのにぃ。あ、包まなくて結構よ。このまま着けてくから。」
してやったり顔の静佳を
余計に高くついたじゃないかとギロリと睨むが、この妹に堂上の眼光は全く効かない。
「じゃ、あたしこれから新年会なの。兄貴 サンキューね!」
ネックレスをつけるとウインクする。下手くそなウインクは子供の頃から変わらない。
じゃねっと さっさと離れて行く静佳に「気を付けるんだぞ。」と声をかけると「こっちのセリフよ。」と返して人混みに紛れていった。
嵐のようだったな。
静佳との買い物は荷物番や荷物持ちに時々使われてきた。毎度の事だが消耗が激しい。それでも30男を心配してるようだな、と押し付けられた紙袋を持ち直して寮に戻ろうと、改札口方向に振り向いた。
「あ……。」
そこには同じく正月休暇最終日である郁が立っていた。
09:00  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 | 2013年04月07日(日) 22:16 |  | コメント編集

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://746754.blog.fc2.com/tb.php/216-a966a3d3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |