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2013'04.15 (Mon)

「桜色の熱」

週末はちょっと嫁さんしてた英香です。
今日は風はありつつ暖かい日。溜まった家の前を刷き掃除するつもりが 一足先にお隣のおばちゃんが綺麗にしてくれていました…。
このおばちゃん無類の綺麗好き。地続きのこの近辺をレレレの如くお掃除してくれます。それこそ早朝であろうと夜であろうと。
「葉っぱが落ちてると気になってねえ。」
目の前、林です。
綺麗にしてくれるのは有難いんですが、無言のプレッシャー。そのお隣の奥さんと苦笑しながらお礼を言っておきます。ああ、溜め込まないでお掃除しなきゃ。
更新です。なんか中途半端な気がしなくもないのですが。題名負け?。途中オチが分かっても いいよね。上官・部下で内乱中盤辺りかな。

↓こちらから どうぞ


【More】

「桜色の熱」


図書特殊部隊の事務室。
朝礼が済み 各々仕事に取り掛かる。
今日は図書館児童室で研修イベントが行なわれる。近隣の幹部達が業務部のイベントを視察に来るのだ。郁と手塚はその警備に駆り出される事になっている。

開始前の業務部との打ち合わせ時間が迫っていた。郁は自席で身だしなみの最終チェックをする。幹部達の目は警備にも向く。動きやすいパンツスーツだが、いつもよりピシッと着こなす。鏡を覗いて自分なりのGOサインを出した。
堂上は朝礼後に会議に出席していた。一言声を掛けてから出たかったが仕方ない。手塚と共に副班長である小牧の前で敬礼する。
「手塚・笠原組は児童室警備に就きます。」
揃って出かける直前に 郁は忘れ物に気が付いた。
「すぐ行く。」
机の上の書類を取って確認する。手塚は廊下で誰かと挨拶しているようだ。
郁は慌てて戸を開けて出ようとすると 丁度出くわした相手と激しくぶつかった。
「あいたたた。」
「あほか貴様!。勢いよく飛び出てくるんじゃない、気を付けろ!」
会議から戻ってきた堂上だった。
「スミマセン!笠原落ち着いて警備に就いてきます!」
敬礼しながら頭を下げると「笠原。」と廊下の先で手塚に急かされた。
「分かってる!。では。」
郁は踵を返すと文字通りすっ飛んでいった。
「こらっ、廊下を走るな!。」
堂上の怒号に郁はひらひらと手を振って行ってしまった。
「ったく、舌の根も乾かない内に…。あの石頭めっ。」
堂上はぶつぶつ言いながら入って来た。
「……俺達、午前中は事務仕事だよね。」
小牧は堂上を見て確認を取る。
「ああ、お偉いさんが来るっていっても小さな研修だからな。あいつらだけで十分だろう。防衛部も絡んでるっていうし。」
堂上と小牧の机の上には締め切り近い書類が山になっている。何でこんなんになる迄溜めておくんだろうなあ とため息が出る。勿論溜めたのは自分達ではない。
堂上はてきぱきと仕分けをする。
「堂上、コレも頼むぞ。」
進藤がファイルを振りながら近付いてきた。ホイ、と渡す段階で堂上の顔を見た。
「…おまえらは警備に行かないのか?」
「行かないからこうして書類に埋もれているんです―――はい、コレとコレは自分でやって下さいね。」
数枚抜き取り進藤に差し戻した。
事務処理組はパソコンキーをカタカタ鳴らす。小牧のデータと合わせてファイルに綴じ、堂上は緒形に提出した。
「うむ、見事だな。」
緒形は書類も見ずに堂上から目を離さず口角を上げた。特に難しい処理をしたわけではない。そんなに褒められる仕上がりか?と 堂上は首を傾げながら事務室を出ようとドアに向かった。
「お おい、堂上 何処へ行く。」
声を掛けた進藤に眉根を寄せた。
「…トイレ、ですが。」
ばっと土井が席を立ち「俺先にちょっと。」と出ていった。
カチャン。
トイレの中で何か乾いた音。
「やあ、運悪く割れてしまったよ。」
手洗い場にある唯一の鏡に蜘蛛の巣状のひび。堂上は別に殊更身だしなみに気を付けているわけではないが、手を洗いながらため息をついた。
「明日にでも取り替えてもらうさ。」
にへらと笑う土井に堂上は怪訝な顔をした。

堂上と小牧は昼食を食べに食堂に向かった。
すれ違う者は堂上の顔を見てクスリと笑う。
「なんだ?」
堂上は不快感を顕にしたが理由が分からない。

トレイを持って並んでいた。
「あら、堂上君。色男だわね。」
食堂のおばちゃんがウインクして笑うのはさすがにおかしい。
「なあ 小牧、俺の顔に何か付いてるのか?」
テーブルに着くと隣に座った小牧に問いただした。
そこへ警備を終えた手塚が「お疲れ様でした。」とトレイを持ってやってきた。
堂上を見てぎょっとする。
「ど、堂上二せ……。」
すかさず後ろから来た進藤に口を塞がれた。
「どしたの?手塚。」
イベントで一緒だった柴崎と共に郁も続いてやってきた。
堂上の正面に座ろうとした郁が堂上に視線を移して目を見張った。
「キャ――――。」
郁は手近にあった台布巾を堂上の顔に投げ付けた。咄嗟にそれを叩き落として堂上は怒鳴った。
「貴様。上官に向かって布巾を投げ付けるとはいい度胸だな!」
もうダメだ とばかりに小牧は腹を抱えて笑いだした。
それを皮切りに進藤ばかりではなく周りの館員までもが吹き出した。
辛うじて手塚だけ苦い顔を貫き通そうと頑張っているが、なんだなんだと堂上は困惑した。
「もしかして半日その印を晒してたんですか?」
柴崎も憚ることなく笑いながら携帯していた鏡を堂上に向けた。
「この春の新色でーす。」
受け取って覗いた自分の額には くっきりとキスマーク。バッと勢いよく額に手を当てると 一目散に洗面所に駆け込むべく走りだした。

先日 公休の重なった郁と柴崎で買い求めた桜色の口紅。朝それを載せた郁の唇はいつもより華やかで、艶やかで。
「見事なマーキングだこと。」
生暖かい視線に晒し続けた額は 暫く熱を帯びたように甘く熱かった。
20:57  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2013年04月15日(月) 21:42 |  | コメント編集

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 | 2013年04月17日(水) 11:41 |  | コメント編集

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 | 2013年05月05日(日) 21:51 |  | コメント編集

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