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2013'04.18 (Thu)

「未遂」前編

1日バタバタしていた英香です。
タンスの組み立て 3竿。思ったより仕上がりは大きかった。お店で見た感じとは違うのね。
主人はこうした作業は絶対しません。母ちゃん担当。でも流石に大物、疲労困憊です。腕が痛い。明日に残すのは嫌で、勢いで仕上げました。
壮観。遣り切った感があります。
夕方からはまた別の用事でずっと車の運転でした。
てなわけで、中途半端な更新です。
最近ジレジレばかりでちゅーもさせてなかったなあ、と書き始めたら何故かこんな話に。長さも中途半端なんで 前後編です。恋人期です。久しぶりな気がする。違う?。

↓こちらから どうぞ

【More】

「未遂」前編


郁は気が重かった。
この2ヶ月ほど 頻繁に郁にレファレンスを求めてくる男性利用者がいる。
『以前陸上をしていた』
最初に接した時にそんな共通点を見出だした男は その後は指名して来るようになった。
特殊部隊である郁は毎日館内にいるとは限らない。郁のいない日は適当に本を物色しているようだった。
「はじめは体力作りとか食事療法の話だったんですけどね…。」
食堂で唐揚げ定食をつつきながらため息をついた。最近は馴れ合いからか、郁のプライベートな内容に踏み込んでくる質問が増えた気がする。距離も詰めてくる為 適当に切り上げるようにしていたが、今日はなかなかに食い下がってきた。見兼ねた手塚がさり気なく割って入った程だ。
「そろそろ注意しておいた方がいいんじゃない?」
小牧が堂上に視線を投げると、堂上は眉間に皺を寄せながら味噌汁を飲み干した。
「相手にするなよ。付け上がらせるとストーカーに発展するケースになりかねんからな。次来たら他に振れ。」
「自分で何とかしますよ!。そんなに悪い人には見えないし…。」
「また おまえはぁ!」
堂上と郁のやり取りに 小牧は「まあまあまあ」と間に入る。
「笠原さん、注意するに超したことないよ。俺達も気に留めておくから。」
「…はい、お願いします。」
郁は肩を竦めた。
実際少し気になるという程度だった。ただ、ちょっと視線が嫌な気がするだけ。会うと必ず下から上へと舐めるように見られて目を細められると、郁の背中にぞくりと走るものがあった。

夜 堂上と郁はコンビニで買い物をしていた。
「笠原さん。」
飲み物を選んでいた郁が声を掛けられた。
「あ。」
「偶然ですね、こんなところで会うなんて。」
ニコニコと近付いてきたのは例の男だった。
「これ 買うんですか?」
ひょいと郁の手からペットボトルのレモンティーを取ると「奢りますよ。」と軽く振って見せた。
それをまた横から取り上げた手があった。堂上だ。
「その必要はない。」
郁の手を引いて 堂上は後ろに郁を庇った。
「――あなたは?」
郁より少し背が高い。上から斜めに見下ろすように堂上を睨んだ。
「こいつの彼氏だ。」
男は 堂上の裾を握る郁の手を見て眉をひそめた。
「彼氏、ねえ…。」
「今後一切こいつに近寄る事は許さん。」
堂上ははっきりと男に言い切ると 郁の手を引いてレジを済ませ、そのまま外に出た。
男がついてくる気配があった。
「…どこまで来るんでしょうか。」
郁は堂上の手をきゅっと握った。
「郁――。」
堂上は郁の肩を引き寄せキスをした。
「ちょ、教官っ。」
「まだそこにいる。見せ付けとけ。」
慌てた郁の唇の上でそれだけ言うと、再び塞ぐ。少しずつ深く 舌を絡めとるように追いたてれば、おとなしくされるがままだった郁が暴れだした。仕方なく離せば 真っ赤になって小声で抗議してきた。
「こ、ここまでする必要あるんですかっ。」
「念には念を だ。」
郁をかき抱いて辺りを伺うが 男の気配は消えていた。この程度で諦めてくれればいいが と、くたりと力の抜けた郁にまた遠慮なく唇を寄せた。

暫く男が図書館に現れる事はなかった。
「諦めたんでしょうか。」
手塚はバディである堂上に一言だけ言うと警備の為辺りを見回した。
『堂上。』
小牧から無線が入った。
『笠原さんがトイレ行ったきり戻らないんだ。確認してもらったらいないって。』
「っ、分かった。」
堂上は手塚に目配せする。
「すまんが小牧と合流して警備を続けてくれ。」
「俺達も…。」
「いや、取り敢えず警備がてらでいい。」
堂上は郁の回線を開いたが応答がない為 直ぐに探し始めた。


「郁ちゃん。あっちで何か困ってるんだって。郁ちゃんを呼んできてって言ってるんだけど。」
トイレから出た郁にそう伝えたのは仲良しな幼稚園児の「かな」だ。
「ありがと かなちゃん。んー、どこかな?」
バディである小牧に連絡しようか迷ったが 直ぐに終わるなら、と一先ず案内してもらう事にした。
「こっち。」
かなは郁の手を引いて先を歩いた。
児童室を通り過ぎて自習室へ。その奥の専門書のコーナーに向かう。
調べ物かな あたしで分かればいいけど、と考えていると
「あのお兄ちゃん。」
かなの指差した先にいたのは 例の男だった。
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