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2013'04.27 (Sat)

「憂鬱な時を」3

ああ、今頃劇場で上映されてるのね。
感想聞かせて下さいネ。
長女に座席で怒られた母ちゃんです。
「お母さんはすぐに流されるんだから!」
はい、その通りです。すみません。
その上楽しみにしていた某お茶会には 仕事を持ち帰ってきた主人にPCを使われ、終わるのを待っていたら寝落ちしてしまった。残念。
更新です。やっと相手の女性が出ます。さてこの先…(・_・|。

↓こちらから どうぞ


【More】

「憂鬱な時を 3」


翌日は1日地下書庫業務。忙しく動いている間は余計な事を考えずにいられる。今の郁には丁度良かった。
リクエストには、季節がらクリスマス関連の本が多かった。題名を見て そんな時季なんだ、とやっとのことで思い至る。県展以降のバタバタで クリスマスなんて存在さえ意識にはなかったのだ。
「そういえば柴崎からクリスマスイベントの助っ人を頼まれていたっけ。」
そろそろまた忙しくなる。図書隊にはプライベートでクリスマスをゆっくり過ごす暇はないのだ。
地下書庫勤務の日は変則的な昼食となる為、地下休憩室で軽くコンビニ弁当を食べる程度。堂上班は簡単に食事を済ませて談笑していた。
「お、いたいた。今日は地下業務だったんだな。柴崎さんに教えて貰わなきゃ分からなかったよ。」
木村がやって来た。
「おかげで図書隊の華とお話出来たけどな。」
破顔した木村だが 直ぐに堂上を睨んで指を突き付ける。
「課業後迎えに行くからな。逃げるなよ!」
「いらんわ!一緒に行くなんて小学生か!」
堂上は大きくため息をつく。
「課業後は防衛部に寄る用事がある。少し遅れるが必ず行くから先に始めていろ。」
「絶対だぞ。これで今年のクリスマスをどう過ごすかが決まるんだ。お前もそろそろ甘いクリスマスでも迎えてみろよ。」
しっし と追い出す堂上に念を押して、木村は「んじゃ。」と出て行った。
――行くんだ 合コン。
郁は束の間忘れていた現実にひっそり肩を落として、冷めたミルクティーを口に含んだ。
「結局行くんだ。」
小牧は眉間に皺を刻んでいる堂上に苦笑を向ける。
「あれから武田二正が乗り込んできてな、延々と意気込みを語っていかれた日にゃ…な。」
バリバリと頭を掻く堂上に 郁は声をかけた。
「皆さん、いい出会いになるといいですね。じゃ、先に仕事 戻ってます。」
泣きそう。そんな立場じゃないのに。
郁はゴミを片付けると きゅっと口を結んでからにこりと笑う。部下は上官の幸せを願わなくちゃ。
「さ、午後も頑張るぞ!」
郁は気合いを入れて書庫に向かった。
「健気だよ。」
その背中にぽつりと溢して小牧は立ち上がった。
堂上は口元に手を当ててから気持ちを入れ換える。
「お前もそう思ったんだろ。」
クスクス笑う小牧に「ぬかせっ。」と吐き捨てるように言うと仕事に戻る。
自然 頑張る郁に頭ぽんが増えたのは、少しでも何か伝えたかったからかもしれない。

残業はない。日報も提出した。帰る支度をして 郁はつと堂上の机に目をやる。堂上は防衛部に年末年始付近の警備書類の打ち合わせに行っている。
「お邪魔しまーす。」
柴崎が華やかな笑顔で事務室に入って来た。
郁はキョトンとしている。
「ほら、行くわよ。」
「何処へ?」
「お互い残業のない夜じゃない。たまには外に飲みに行きましょうよ。あ、手塚もね!」
急に振られた手塚が目を丸くした。
「お、俺もか?」
「当然でしょ。こんな美人が女だけで飲んでたら 声かけられ放題よ。煩いから壁になって貰わなきゃ。」
柴崎は小牧を見上げる。
「堂上教官は忙しそうですし、小牧教官 ご一緒しません?」
「いや、今日は遠慮しておくよ。虫除けは手塚で十分でしょ。また忙しくなる前にちょっと実家に寄ってみるよ。」
確実にまた残業続きになる12月の図書隊だ。毬江ちゃんに会う予定なのだろう。小牧は既にプライベートな顔をして帰って行った。

ぐいぐいと押されるように出た郁が連れて行かれたのは 最近開店したというお洒落な居酒屋だった。
「へぇ~ なかなか。」
お酒の飲めない郁にはメニューの充実した店は有難い。唐揚げだポテトフライだという いつもの特殊部隊の飲み会では味わえないちょっと華やかな見た目のメニューは 和洋折衷の創作料理。
「お酒は?」
柴崎に訊かれてうーんと悩む。飲んで寝落ちはしたくない。
そんな時はいつだって堂上教官が――と浮かんだその姿を 郁は頭を振って消そうとした。ダメダメ、今日は食べる事に専念しよう。もう迷惑はかけたくない。ごく薄いチューハイ1杯だけ注文する。考え出せばマイナスの事しか思い浮かばないんだから と箸を進めた。

「よう 堂上!こっちだ。」
何処からか聞こえてきた声に郁は固まった。
斜め前、観葉植物の少し向こうで見知った男が入り口に向かって手招きしている。木村二正だ。そこに向かってきたのは、堂上だ。
郁はさっと観葉植物の影に隠れるように小さくなった。
「柴崎!謀ったな!」
郁は小声で柴崎に噛み付いた。
「何を?。ただ木村二正にいいお店があるって教えてもらっただけだけど。」
しれっとビールに口をつける。
郁の場所からは堂上達の様子が垣間見れるのはただの偶然か。

「遅いぞ。先に始めるところだった。」
別にいいのに、と堂上は木村を一瞥すると 空いている角の席に座ろうとした。
「あ、あのっ。堂上二正、今日はわざわざお越し頂き有り難うございます!」
堂上の前の席の女性が立ち上がり ペコリとお辞儀をした。
顔を上げれば視線は堂上を見下ろす位置にある。
「はじめまして。篠田といいます。」
堂上はその背の高さに目を見張った。
木村に手紙を託した女性だろうとは察しがついた。堂上は暫く座らず 篠田と名乗った女性を見た。
「あ、大女でびっくりしました?。170あるんで…。」
肩を竦めて小さく笑う篠田は、堂上に座るよう促して新しいグラスを渡した。
170はあるだろう。見慣れた高さだ。顎のラインに切り揃えられたストレートな黒髪がさらりと揺れた。

14:14  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment


 こんにちは!
 今日から、実写が公開ですね(笑)

 私は7日に見に行く予定ですが、今から楽しみです(≧∀≦)

 「憂鬱な時を」面白いです!
 今後の展開が楽しみです!!

 続きを楽しみにしています(笑) 頑張ってください!
凛香 | 2013年04月27日(土) 19:05 | URL | コメント編集

今日友達と映画見にいってきました!!
期待以上でした!!(((o(*゚▽゚*)o)))
原作に忠実で、時間上省くところは上手いこと省いてあって、
もう、ほんっっとに良かったです!!
もう一回みたいです笑
絶対見に行くべきです!(((o(*゚▽゚*)o)))

英香さん!続編絶対ありますよ!
終わり方が続きがあるっぽかったんです!
毬江ちゃんが出て来ない可能性を考えると、今回は1巻の内容だったので、2・3巻の内容がセットかもーとか勝手に思ってます笑

憂鬱な時でまさかの長身女性!?Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
次回更新楽しみにしています(((o(*゚▽゚*)o)))

ももいちご | 2013年04月29日(月) 00:24 | URL | コメント編集

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