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2013'05.03 (Fri)

「憂鬱な時を」6

学校は4連休です。
長女は最終日が休みなだけで部活がびっしり。長男は学校の課題が山ほど出てるし 大きな遊びは計画たてられず。
隙をみて男性陣は釣りに行くらしい。行ってらっしゃい。
連休中も多分通常更新かな。出かけると1日とぶかもですが 日記は続くこちらのブログ。
多分次回で長くなっても終わりそうっていうか終わらせます。妙な気を起こさねばですが。
では更新です。うまく描写出来なくて分かりにくいかもですが、雰囲気だけ、ね(^^ゞ。

↓こちらから どうぞ

【More】

「憂鬱な時を」6


翌日の訓練は基礎とフォーメーション訓練。
柔軟やスクワットをし、地を這い、走り込む。その上で各班フォーメーションを組み、仮想戦闘を行なう。
「うぅ、きっつい。」
郁はズボンに入り込んだ土を掻き出し、泥だらけの顔を撫でる。
「今日の日替わり何だったっけ。絶対大盛りにしてもらお。」
「もう昼の心配か。お前 エネルギー効率悪いよな。」
手塚の呆れたような声に郁はぷうっと膨れた。
「健康な証拠だもん。」
「そうそう、笠原さんは美味しそうに食べるから 食堂のおばちゃんが喜んで大盛りにしてくれるんだよね。可愛いね、堂上。」
「何で俺に振る…。」
ニコニコ笑う小牧を堂上は冷たくあしらう。
そこへサイレンが鳴り響いた。
緒形副隊長のもとに訓練していた班が集合した。無線で報告を受けた緒形が指示を出す。
「第二図書館で良化隊に賛同するという3人組が暴れているそうだ。防衛員で対峙しているが特殊部隊の出動要請が出た。斎藤班・堂上班行けるか。」
班長をはじめ横一線に整列する。
「了解。」
敬礼すると素早く装備に取り掛かるべく走り出した。

バンに乗り込み 緒形から状況の確認をとる。
「男の3人組だ。声明は出ていないから良化隊の名をかたる突発的な犯行と思われる。武器は1人が短銃を所持。本物かは不明。」
「利用者は。」
斎藤の質問に緒形は苦る。
「逃げ遅れた親子と館員が退路を断たれた状態らしい。人質にとられたも同然だ。」
「くそっ。」
誰ともなく舌を打つ。
「小牧と手塚は狙撃体制で向かえ。俺と笠原は裏から回る。」
堂上の指示に短く答え、堂上班と斎藤班で左右から展開する段取りを整えた。

第二図書館では既に包囲体制が出来ていた。防衛員から犯人と逃げ遅れた親子達の位置の報告を受け、各自持ち場に散る。
堂上と郁は人質の救出が先決である。非常口から音もなく入り 犯人の動きを探る。
息を潜めていると突然子供の泣き声が響き渡った。緊張に耐え切れなかったのだろう、小さな男の子の声だった。その声を合図に犯人達が動き出した。
銃を手にした男がカウンター内にいた親子達に近付く。他の1人はロビー階段脇に、もう1人は閲覧室方向に様子を見に歩んでいく。
上からの小牧の指示で配置につくと、閲覧室入り口に来た犯人を土井が後ろから羽交い締めし 他隊員が素早く確保した。同時に階段上から斎藤が別の犯人に飛び掛かり確保する。それを見て銃を持った犯人が慌ててカウンターを離れたところで、堂上と郁が親子の元へ滑り込んでいった。
「堂上さん!」
見れば親子と共にいる館員は篠田だ。
「!おまえか…」
堂上は銃を構えてカウンターの影に入った。
郁も篠田に気付き、一瞬息を呑んだが 気を取り直して親子を抱きしめた。
「大丈夫よ。」
男の子に安心させるように笑顔を見せると 堂上と視線を合わせた。

――堂上さんが助けに来てくれた。
篠田の胸はいっぱいになった。不安で心細かったのが、逞しい堂上の存在で ぐっと安心感が出たのだ。運命かも――そう思った。

「くそっ 撃つぞ!」
犯人は銃を天井に向けて発射した。
パン と乾いた音がして蛍光灯が割れてパラパラと破片が降ってくる。本物の銃だ。但し手が震えている。
扱い慣れていない分 予期せぬ事態も考えねばならない。手塚はいつでも撃てるよう 照準を合わせた。

犯人と堂上は互いに銃を構えて、堂上がジリジリと誘導していく。郁は子供を抱えた母親と篠田の背中を軽く押して 柱の影に移動した。親子を奥に押し遣ると 篠田に耳打ちする。
「指示があるまでここでじっとしてて下さい。」
篠田は頷いた。
自分と同じ高さの目線。
――女性の特殊部隊員。泥だらけだが強い光を目に蓄えた、堂上と同じ世界にいる女性。篠田の胸は騒めいた。
目の前の緊迫した空間は今まで知りえなかったこと。図書館員としては利用者と防護室の扉の中で 息を潜めていたことしかなかった。その世界に足が竦んだ。
堂上が素早く移動してきて郁に目配せすると、頷いた郁が身を低くして犯人の死角に移動した。堂上は篠田達を庇うように背を向けた。
――堂上の広い背中。篠田より肩の線は低い位置にあるが 頼りになる背中。自分を守ってくれる背中だ。

柱の先の角で土井が待機しているのが分かった。堂上が親子と篠田に声だけで指示を出す。
「合図したら真っ直ぐ走って下さい。向こうで隊員が受け止めてくれます。」
堂上と郁でタイミングを合わせるところで、はやる気持ちが押さえられず 親子が走りだしてしまった。
犯人の銃が親子に向けられたのを見て 郁が飛び出した。
援護する為に堂上が動くが 篠田が恐怖で咄嗟に堂上の背中に縋りついた為に一瞬の遅れが出た。

銃声が鳴り響く。

郁が斜めに倒れこむのが見えた。
「笠原!!」
堂上が張り上げた声は悲痛な叫びに聞こえた。

12:38  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

Comment


 こんにちは!
 「憂鬱な時を」めちゃくちゃ面白いです。

 ラストがすごっく気になります。
 次の更新が待ち遠しいです!

 実写、図書館戦争は7日に見に行く予定です!
 見たら、感想を書かせていただきます。

 これからも、頑張ってください!
                 From 凛香
凛香 | 2013年05月03日(金) 17:37 | URL | コメント編集

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 | 2013年05月03日(金) 19:10 |  | コメント編集

毎日の楽しみの一つになってます♪( ´▽`)

緊迫してきましたΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
郁ちゃん!!
続きが待ち遠しすぎます(((o(*゚▽゚*)o)))
ももいちご | 2013年05月03日(金) 23:23 | URL | コメント編集

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