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2012'10.08 (Mon)

「夜風に触れて」

あぁ、昨日は更新が間に合わなかった英香です。
魔のさ行。というのは、私は携帯でポチポチやっているのですが、調子付いてる時に さ行を打つのに連打するつもりが、その上のボタン (電源?受話器を置くボタン)を間違えて連打がちです。すると全部クリアになってしまうんです。
もうすぐ書きあがるってタイミングでクリアになると凹みます。
何度となく失敗してるから学習すればいいのにね。昨日は復活する時間がなくて日付が変わってしまい、諦めて寝ました。
改めて更新です。上官部下時。危機辺りのつもりです。
話変わっちゃったよ。


↓こちらから どうぞ


【More】

「夜風に触れて」


奥多摩での集中訓練で 各種射撃訓練や降下訓練、山の中でのハイポートといったメニューをこなす。
2週間の行程も残り3日ほど。夜のミーティングも終了し、各自部屋に戻っていった。
もう何度と訪れている訓練場だが、郁はふと宿舎の外に出た。いつもであれば 疲労に負けて布団に直行しているところだが、涼しくなってきた風に当たりたくなったのだ。
今日の射撃訓練には 堂上が付きっきりで見てくれた。というか 堪り兼ねて見ざるを得なかったのだろう。的の紙に当たるのは半分に満たなかった。
前日こっそりと進藤に構えを伝授してもらったから、少しでも上達したところを見せたかったのに… 簡単にはいかないものだ。訓練中とはいえ、意識しつつある堂上の視線が気にならないわけはなく、妙に力が入った自覚もあった。
教官の近くは 安心する時と緊張する時と、どっちだか分かんない時があるよな~と 月を見上げながらぶらぶら歩く。
宿舎裏庭に出ると 大きめの庭石が点在している。ちょっともたれて休むのに丁度いい。面した部屋は先ほどまでいたミーティングルームだ。そこにはまだ人影があった。進藤と堂上だ。
何やら話し合っていたが、暫くすると進藤が部屋を出ていった。残った堂上が資料を整理していると不意に顔を上げた。
「笠原?。」
郁に気付いた堂上はベランダから外に出てきた。
「どうした。女が1人出歩く時間じゃないぞ。」
「ちょっと風に当たりたくて。それにここには特殊部隊の皆しかいないですし。」
「それでも、だ。――あぁ、確かに気持ちいいな。」
風になびく髪を右手でかき上げる。堂上のそんな仕草に郁はドキリとして目が離せない。
なに男に色気感じてんだろ。慌てて視線をそらして俯いた。
「構えは悪くなかった。64式はかなり重いが反動の振れは何時もより少なかったぞ。」
射撃訓練の話らしい。出来の悪さを落ち込んでいると思われたのか、珍しくフォローが入った。
「お前の筋肉のつき方は射撃向きじゃないからな。あれでもそれなりに上達してきてると 進藤一正も仰ってたぞ。」
やはり先ほどの会話は郁の訓練成果らしい。せっかく2人に着いてもらったのにあの体たらくは情けなかった。
「それよりお前。」
急に近づいてきて郁の腕を取ってぐるりと体の向きを変えられた。腕を後ろの方に上げられると ピリッと肩に痛みが走り顔を顰めた。
「午前のフォーメーション訓練で妙な倒れこみしただろ。あの時だな。」
気付いてたのか、と堂上の観察眼には恐れ入る。痛みを庇うから余計なところに力が入るんだ、と小言が入る。
「お風呂でよーく揉み解したんで 明日にはへっちゃらですよ。」
ぐるぐると肩を回して見せた。実際大したことないのだ。
堂上は苦笑し、そうか と郁の頭に手を置いた。
訓練では相変わらず鬼のように扱かれる。拳骨だって容赦がない。でも仕事から離れると今では柔らかい表情が多くなった。
――頭に置かれた手が離れない。郁が首を傾げて堂上を見るが、灯りのある部屋をバックにしていて表情が読み取れない。月が雲に隠れて闇が深い。

俯いた位置から小首を傾げてこちらを見られると 上目遣いに見つめられる錯覚に陥る。半ば頭を押さえられているからなおのこと。郁の表情は丸分かりだ。ほんのり頬が染まっているのは風呂上がりとは関係ない。その証拠に触れた頭は冷たく冷えていた。このままだと風邪をひく。
「ほら、もう中に入れ。身体暖めて早く休め。」指示を重ねて頭を叩く。少し迷ったが肩に掛けてあったシャツを郁に放った。
「洗ってある。羽織って行け。」ぐいぐいと背中を押して促した。これ以上闇に紛れているわけにいかない。堂上は流されそうになる自分を戒めた。
時々調子を狂わされる。山猿のはずが囮にもなる女になった郁に。距離を計りかねる今はこの状況はまずい。郁が宿舎に入るのを見届けて 少し熱を覚まそうと月が顔を出すまで夜空を見上げていた。
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