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2013'05.12 (Sun)

「相違」

久しぶりの雨な気がします。暖かい。
長男は1日寝てました。夜はなかなか寝ないくせに 朝は起きない。特に予定はないし放っておきました。夕方5時過ぎても起きる気配がなかったので、私が負けました。ぶっ続けて16時間以上。まだ眠れてたかもですが、寝過ぎも色々支障がでるし。今更か。
更新です。ちょっと珍しい?。恋人期。バレンタイン前かな。
↓こちらから どうぞ


【More】

「相違」


今日の映画は 郁の1コ上の先輩が彼氏と観てきたというお薦めの映画。

「アクション満載。でもすんごいロマンチックだったの~。」
郁と柴崎の部屋に夜押し掛けて来て、散々デート内容や惚気を語って帰っていった。
「柴崎 どんな映画か知ってる?。」
持っている雑誌には小さな記事で出てるだけ。
「そうねぇ、カップルにぴったりっていうのは聞いてるわね。堂上教官と観に行ってくれば?」
明日公休でしょ、とテーブルに頬杖をついて郁を見る柴崎は目を細めている。女の郁でさえその艶っぽさに顔を赤らめると 雑誌で視線を遮った。
「んー、そうしよっかなぁ~。」
特に予定はないし、とその旨を堂上にメールで入れた。

「ああ、この映画か。」
堂上は映画館のポスターを見上げた。
「知ってました?」
「ちょっとな。寮で話題になってたから…。」
微妙に郁と視線を逸らして答えた堂上から、郁は感心したようにチラシに目をやった。
「へぇー、男子寮でも人気あるんだ。それは期待出来ますね!」
ワクワクと目を輝かす郁は 飲み物を購入するべく列に並んだ。チケット代を堂上がもつかわりにサイドフードは郁が用意する、そんな暗黙のルールが出来上がっている。堂上は一瞬躊躇したがチケット売り場に足を向けた。

「ホントだ。カップルばっかり。」
席に落ち着くとぐるっと辺りを見回してみた。満席ではないが適度な距離でカップルが並んで座っている。
映画は有名なハリウッド女優が身体を張った アクションが売りのスパイ映画だ、と聞いている。郁好みの迫力ある映像を期待して画面に向かった。
のっけから爆発シーンで始まり、緊迫したストーリー展開でハラハラする。郁はのめり込むように楽しんでいた。
後半、敵だと思っていた男が味方とわかり やがて恋に落ちていった。そこからはロマンチック というか 何というか…。かなり色っぽいシーンがちりばめられる。身体を張ったとはこういうことか とも言える描写が続いた。直接的な画面がないにしろ 郁にとっては刺激的で、ましてや隣に堂上がいると思うと目のやり場に困ってしまう。
画面から視線を外すが、前のカップルは肩を寄せ合い、隣のカップルは指を絡めて時折見つめ合う。
(ひー、どうしよう。)
更に居心地が悪くなってソワソワしながら ちらりと堂上の様子を伺った。
郁と反対側のひじ掛けに寄りかかっている。表情をまじまじ見るわけにいかないので分からないが、そんなに変わった様子は感じられない。
そりゃそうか、変に意識してるのはあたしだけ。
映画はクライマックス。再び過激なアクションで見せ場を迎え ピンチを潜り抜けた主人公が恋人と共に決着を着けて終わった。

「は、迫力ある映画でしたね。」
「そうだな。」
微妙に2人の間が空いているのは気のせいでもないだろう。
鑑賞中に郁が慌て出したのは知っている。寮で話題になったのは、肌が露な色っぽいシーンが多いからで。
郁はそういった事に奥手である。意識され過ぎるのもどうだかな、堂上は気付かれない程度に小さく肩を竦めた。

ゲームセンターにいきましょう、と郁が言い出して体を動かすことにした。バッティングマシンを相手に勝負をして競い合う。なかなかの抵抗を見せる郁と軽く汗を流した。
夜は ちょっとしたレストランで食事をした。運動した後だ。デザートまで美味しくいただいた。
帰りは隣の大きな池のある公園に寄った。池の周りを周遊する。
「さすが小牧教官お薦めのレストランでしたね。デザートプレートの飾りが素敵でした。」
さきほどのレストランの庭にはイルミネーションが施されており、池にそのライトが映し出す幻想的な空間が浮かび上がっている。
「綺麗。」
そう呟く郁の瞳に映る光は美しく、堂上は吸い寄せられていった。
繋いだ手を引き寄せて1度軽く唇を合わせる。頬を撫でながら郁の瞳に自分を確認すると再び重ねる。
「んっ…」
郁の吐息までも納めるように 角度を変えながら幾度も重ねる。頬を撫でていた右手は後頭部へ 項から髪を掻き上げるようにしてキスを深くする。
映画を観て ぶらぶら歩き 食事をして寮に帰る。恋人らしくこうして公園で触れ合うのはいいが、些か健全過ぎやしないか?。草食系ではない男として 不満が無いわけでは決してない。此迄の経緯として 郁を尊重するのが大前提だった堂上だが、映画に触発されたのか――郁を欲する男の自分を自覚する。
今日の映画がカップルに好まれるのは理由がある。
非現実的なスパイ映画のなかであっても 男女が惹かれあい、結ばれる過程が丁寧に描かれている事。殊更、恋人として寄り添う美しい情景が、殺伐とした世界と対照的でありながらも 必然性がある要のシーンとして際立っていた。

それは湖の畔で交わされていた。今の情景と重なる。

「ちょ、教官…激しい です…。」
郁は唇と唇に僅かな隙間を作って喘ぐ。
そろそろ要求してもいいだろうか。堂上は額を合わせて郁に囁く。
「おまえを俺の物にしたい。」
首筋にキスを落とすと郁はピクリと反応した。
基地とは駅を隔てた場所にいる。明日は内勤。朝までに戻れば何とか――。
「へ?。違ったんですか?」
少し予想と違う郁の返答に堂上は眉をひそめた。
「あたしは教官のものですよ?」
小首を傾げる郁の瞳を凝視すると ゆらりと不安の色が濃くなるのが見えた。
「え?違うんですか?」
大きな瞳が涙で滲む。
「待て待て待て。」
このパターンは――堂上は慌てた。
「あたしは恋人同士だとばっかり…。」
「違わないからっ。」
間髪入れずに否定する。
郁の顔は ぱあっと明るくなった。
「嬉しっ。もうあたしは教官のものになってますよ!」
郁は堂上の肩に額を置いて身を預ける。
ダメか?伝わらなかったのか?
それなりに直接的に要求したつもりの堂上だったが、到達地点の相違があったらしい。あの映画で色々意識してたんじゃないのか?体を動かして勝手にスッキリしてしまったのか?。ゴロゴロと懐いている郁を見やる。
どっちにしろ今の郁に再度要求するには 自分ががっつき過ぎな気分にさせられる。
「…帰るか。」
「はい。」
ご機嫌な郁は堂上の腕に絡み付く。堂上は胸の内で大きくため息をついた。

「何よ、あんた帰って来ちゃったの?」
部屋に着いた途端、柴崎に呆れた様な声をあげられた。
「だってもう門限だし。」
当たり前じゃん と上着をハンガーにかける。
「映画観て来たんでしょ?」
「うん、まあまあだったかな。」
ぽっと赤くなる。
「……教官 何か言ってなかった?」
「んー、へへっ。」
郁は惚気てみせる。
「ってね。今更なのにね~。変な教官。」
今日はてっきり初のお泊まりコースになるかと柴崎は思っていたのだが。
「不憫な…。」
ご機嫌な郁の影に ガックリ肩を落としている堂上の姿を想像する柴崎であった。
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 | 2013年05月12日(日) 06:53 |  | コメント編集

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 | 2013年05月12日(日) 09:42 |  | コメント編集

もうこの一花の祭りを見るのが日課になってます笑
毎日学校から帰ったら、ここに来てます♪( ´▽`)w

今日のはまさにも堂郁カップルっぽくて(*^^*)
堂上さん、やっぱ郁ちゃんには敵わないw

次の更新も楽しみにしてます♪♪♪


ももいちご | 2013年05月12日(日) 18:50 | URL | コメント編集

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