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2013'05.22 (Wed)

「支え」中編

突然 最大の懸念事項が改善された英香です。
なんだったんだーと叫びたい。人間、いろんな現象が起こります。はい。
今日から上の子達は中間テスト。
「ボロ負け。」
そうでしょうとも!。勉強するよりLINEばっかり 休憩ばっかり。いっそ取り上げたい。けど携帯いじってばかりの母ちゃんが言っても説得力が…。
更新です。ヤバイ。後編が長くなりそう。
元々ナンバーで連載予定のネタ。ちょっと自分が不安定だったので 短くして、と見切り発車したんですが…。やっぱり大事なところが残っちゃった。さて(;^_^A。
でも取り敢えずここまでです。

↓こちらから どうぞ


【More】

「支え」中編


午前は訓練にあてられていた。
梅雨の間は泥だらけになっていたが、明ければ明けたで夏の様な日射しが照りつける。
休憩時には頭からかぶる水が気持ちいいくらいだ。郁は冷たい水で顔を洗うと目で堂上を探した。グラウンドのところで各班長が集まっている。これからの打ち合わせをしているらしい。
「…これといって変わったとこないよね…。」
昨夜は言葉少なく別れた。でも寝る前のメールはいつも通り。
『明日は訓練。ゆっくり休め』
短い文には堂上の優しさが滲み出る。
大切な用があるって言っていた。それでも言いたくない事はあるかもしれない。
郁は木陰に座り膝を立てて顎をのせる。濡れた髪に風が当たるのを黙って感じていた。
「笠原さん、元気ないね。」
首からタオルをさげて 小牧が歩いて来た。
「今日は夏日だってさ。しっかり水分とりなよ――なぁんて 堂上のセリフだな。」
くくっと笑う小牧を見上げた。
「どうかしたの?」
何かとうるさい堂上と違って、困ったり悩んだりしている時に静かに話を聞いてくれるのは小牧だ。よい上官に恵まれている、気遣いに感謝だ。
少し離れて腰を下ろした小牧に話す。
「え と。昨日の堂上教官の様子が少し変、だったんです。用があるって出掛けて行ったんですけど…」
「昨日?。昨日は――ああ。」
そして郁は俯いた。
「それで、今朝業務部の子が 教官が あの…女の人と会ってたって――。」
言葉にすると不安が過る。ただの噂だと思いつつ どこか自信のない自分に襲い掛かるものがある。
膝に顔を埋めた郁に 小牧は眉を下げてから堂上の方を見た。
「そうか 昨日は…。あいつも律儀だからな。」
小牧は何か知っているのだろうか。
大きく息を吸って小牧は郁に顔を向ける。
「俺が教えることもできなくはないけどさ、多分堂上は自分から話したいんじゃないかな。」
郁は背筋を伸ばした。何か覚悟がいる話なんだろうかと不安を濃くする。
「心配することじゃないよ。でも 昨日という日は堂上にとって…俺達もなんだけど 特に堂上には大切な日だったんだ。笠原さんにも知って欲しいと思ってるはずだよ。だから――。」優しく微笑む。
「笠原さんは堂上のこと、信じてやって。出来る?」
堂上を信じる。今出来るのはそれだけだ。必ず話してくれる。郁は小牧の目を見て頷いた。
「はい。」
そこに集合の笛がなった。郁は腰を上げて ズボンについた草を払う。ついでにパチンと両手で頬を叩いて気合いを入れた。
各班長の元でフォーメーションの説明を受ける。堂上は上官として信頼出来る存在だ。勿論恋人としても。
郁は指示に従い、堂上の掛け声でいち早く飛び出した。

シャワーを浴びて汗を流す。さっぱりしてから食堂で昼食をとり 一息ついた。
「郁。」
事務室に向かう小牧達と歩調を外して歩いていた郁に 後ろから堂上が呼び止めた。いくら休憩中とはいえ、下の名前で声をかけるということはプライベートな話だろう。
「はい。」
郁は返事をして立ち止まった。
堂上が口を開こうとした時、防衛員が走って来た。
「堂上二正、緊急会議だそうです。え とあとは斎藤二正は――と。」
防衛員はキョロキョロ見回し斎藤を見付けると 要件のみ言い残して走って行った。
「あ――…ったく。」
堂上は大きくため息をついた。
「いいですよ、緊急みたいですし早く行って下さい。」
「すまんな。」
後で時間をとるから と堂上は会議に向かった。
大切な話をしようとしてくれている。郁は素直にそう思った。内容は分からない。でも堂上が言うどんな言葉でも受け入れよう、と覚悟を決めた。

午後の館内警備は郁と堂上のバディだ。会議で少し遅れて警備についた堂上だったが、いくら一緒に行動していても 込み入った話をするわけにはいかない。連絡事項を交わし 辺りを見回すと並んで歩いた。

特に問題なく業務が終わろうとしていた。小牧達と合流し、事務室に戻ろうとした時だった。
「堂上君。」
呼び止めたのは郁の知らない女性だった。少し年上だろうか。長い髪を後ろで束ねた美しい女性。ペコリとお辞儀をすると微笑んだ。
――この人が昨日会っていた女性なんだろうか。
郁はちらりと堂上を見た。堂上も頭を下げると 女性のふわりとしたスカートの後ろから、小さな女の子が顔を出した。赤いピンを刺した5歳くらいの色白の女の子。
堂上が あ と目を見開いて膝を折ると、女の子が駆けてきた。堂上の腕に縋ると女の子は小さな声で呟いた。
「パパ…。」
郁の心臓がドキンと跳ねた。

22:47  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2013年05月22日(水) 23:19 |  | コメント編集

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