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2013'06.16 (Sun)

「電話」前編(リク12)

こんばんは。英香です。
今日は父の日。主人は主張するかのように1日家にいました。
あれしろ これしろ 指示がとびます。普段いないからか――口うるさい(>_<)。
なんとか更新です。
リクエスト内容は最後に、前後編なので 後日になります。上官・部下でカミツレデート前です。

↓こちらから どうぞ


【More】

「電話」前編(リク12)


年末年始の休館に合わせ 特殊部隊でも各班ごとで3日間の休暇をとった。
茨城の県展で戦闘職種がバレたとはいえ、母親と大立ち回りをした後だ。今年も郁は寮に残り ブラブラと過ごした。

「明けましておめでとうございます。」
休み明けに見る班員の面々と挨拶を交わす。
「おめでとう。おまえ、相変わらず実家には帰らなかったのか。」
堂上に言われて 郁はぶんぶんと頭を振る。
「勿論です。そう簡単には顔出せませんよ。―――電話はちょっと…かけましたよ?。」
堂上にはその辺りの世話になった。父の味方を得たのも堂上がきっかけを作ってくれたと言ってもいい。感謝の意も含め、軽く肩を竦めて報告した郁に 堂上は苦笑しながら頭を小突いた。

訓練は部隊全体の足並みが揃うまで休みだ。館内警備と事務処理から業務が始まった。
休憩には廊下にある自販機前の一角にあるストーブの周りに集まる。
「皆さん ご実家に帰ってたんですよね。」
「まあな、都内だからいつでも帰れるんだが 結局はこの機会ぐらいしか顔出さないからな。」
小牧が割とこまめに帰っているのは 言わずもがなだが。
「柴崎も帰省してたんだろ?。おまえ3日も何やってたんだ。」
いかにも暇そうだった郁にからかい半分入れてみる。
「暇がいいんです!。――テレビや借りてきたDVD観たり あ、バーゲン行きました。あとは…。」
カミツレのお茶を飲みに行く時用に 多少洋服も買い足したのも事実だ。そんなこと ここでは言えないが。
そこに郁のポケットから 携帯の着信音が鳴った。
「あれ? 誰だろ。」
失礼します と席を外すと訝しげに耳を当てた。
「あ、こんにちは。先日はどうも。え?、いや そんな…。困ります…。でも……いいんですか?。はい…分かりました。楽しみにしています。」
ぼそぼそと漏れ聞こえてくる声は、明らかに誘いの返事。郁は赤い顔をして はあ~ とため息をついて携帯を閉じた。
その様子を見て手塚が思い出したように口にした。
「そういえば 休暇中に誰かと知り合ったらしいと、柴崎が言ってましたね。」
一足先に休暇に入っていた柴崎も 昨日寮に帰っていた。土産の菓子を配りに回ってきたのは つい先ほどだ。
手塚の余分な情報に 堂上はぴくりと反応した。小牧にしか気付かれない程度に。
「相手は 男っぽいよね。」
堂上に聞こえるように呟く小牧に視線を上げた。
郁と2人で外出する約束をした事は 誘導尋問によって吐かされている。あくまで試験の筆記をみたお礼の延長だと主張したところで、この男はからかう気満々だったが。
堂上は、少々頬を赤らめて俯いている郁の横顔を盗み見た。

翌日も休憩時間になると
郁の携帯が鳴った。
「はい、……そんな…嬉しいです。……ふふっ。」
時折静かに笑う郁の声が耳につく。
「やっぱり男みたいだよ。」
小牧は堂上の背中に声をかけた。
寮の部屋でも楽しそうに電話に出るのだと柴崎から聞いた小牧は、あまり言いたくはないけれどと前置きをする。
「指咥えて見てるだけ?。タイミングって準備するだけじゃものにできないよ。取りにいかなくちゃ。先越されて後悔しても遅いんだからね。」
このところ酒の量が増えている堂上を嗜める。
「なっ…別にそんなんじゃ……。」
通話を終えた後に 優しい瞳で携帯を見つめる郁の姿を見ると、えもいわれぬ嫌な感情が沸き上がる。

そんな日が数日続いた。決して堂々と通話を始めるわけではない。着信音が鳴るといそいそと席を外し、回を重ねれば待ち遠しそうにポケットに手を当てるのだ。
給湯室で郁が携帯で話しているところに堂上が入りかかった。盗み聞きはしたくない。引き返そうとした時だった。
「来週15日ですね。分かりました。楽しみにしています。」
15日?。その日は俺とカミツレのお茶を飲む約束をしたんじゃないのか?。それとも俺よりそいつを優先するのか?。
堂上は固く拳を握った。

休憩が終わり 午後の警備に就く。郁とバディを組んだ堂上はそれとなく郁の表情を伺う。
いつもと変わらぬ態度。冬休み中でもあるので 人の出もある。しっかり辺りを警戒する郁に 頼もしさを感じるようになってきた。
「異常ないですね。」
郁の言葉に堂上は頷き、場所の移動を合図するために頭に手を置いて弾ませた。それに微笑む郁を愛しく思う。
しかし通路に出たところで郁の携帯から着信音が聞こえた。
「あ……。」
警備中はインカムで連絡を入れる為に携帯の電源は落としてあるはずだ。
「やばっ。」
慌てて電源を落とそうと携帯に手をやった郁に、堂上は苛つきを隠せなかった。
「なんだ、携帯ばかりに気を取られて。仕事する気がないなら用はない、帰れ!」
常であれば軽く拳骨を落とすところだ。決してこのような物言いをする堂上ではない。
「す、スミマセン。」
堂上は頭を下げる郁に目もくれず警備を続けた。このイライラをぶつけずにはいられなかった。後ろでしょんぼりしているであろう郁に声をかけるどころか、この場から立ち去りたくて仕方がなかった。
まるで子供が拗ねているようだ。自分をコントロール出来ないことに 堂上は更に苛立ちを重ねていった。
22:57  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2013年06月17日(月) 09:05 |  | コメント編集

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 | 2013年06月17日(月) 13:25 |  | コメント編集

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