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2013'07.17 (Wed)

「風を受けて」1(リク20)

草刈り完了。雨です。刈った草を乾かしておきたかったな(処理が軽くなるから)。
今夜は主人がいつもより早くの帰宅です。ので、今のうち更新です。
無事前中後編に収まるか怪しいのでナンバーです。リク内容は最後なので後日に。上官・部下で県展前です。オリキャラ出張るんで長くなりました…。

↓こちらから どうぞ

【More】

「風を受けて」1(リク20)


朝のミーティング終了間際、玄田隊長がついでの様に紹介した人物がいた。
「あー、特殊部隊には直接関係ないが丁度居合わせたんで紹介しておく。」
課業前に隊長室に挨拶に来たという。
隊長室から出て来たのは30代半ばと思われる男性。
「都合で退職される防衛部の鈴木一正の代わりに関西図書隊から転属してきました、曽根正人一正です。」
穏和そうな隊員だ。身長は小牧くらいか。一同を見回してから敬礼する。
「正式には来週からの配属だが、その前にいろんな部署を回っておきたいんだそうだ。鈴木一正は各部署のパイプ役だからな、それを引き継いで貰わなきゃいかん。そうだな、今日から3日間の出入り許可をする。――斎藤班、ちょっと面倒みてやれ。」
了解、と斎藤が敬礼する。玄田の気紛れな提案に、曽根はにこやかに応じた。

午前中は屋外訓練だ。斎藤班と同じく堂上班も準備に出る。事務室で軽く挨拶を交わす事にした。
「堂上班です。今日は斎藤班と同じシフトで動きますので宜しくお願いします。」
堂上の後 小牧・手塚・郁と、自己紹介をする。
郁の時に 曽根の表情が少し変わった。ごく僅かだが。
「笠原郁士長です。」
郁の顔を見て 一瞬間を置いた曽根は、変わらぬ笑顔で郁と握手をした。
「君が初の女子特殊部隊員の笠原さんか。こんな可愛らしい女の子とは思わなかったよ。」
いえいえ と照れる郁を堂上は促した。
「いくぞ。遅れるなよ。」
「あ、はい。」
各班 グラウンドに向かった。

だいぶ秋らしくなったとはいえ 日中の訓練は厳しい。基礎訓練を終えて休憩を取る。
「見学でもよかったものを。」
玄田の気紛れだ。訓練義務はない。斎藤が声をかけたが、曽根は首を振る。
「いや、せっかくだからね。特殊部隊の訓練を体験できる機会なんて滅多にないし。――あれは?」
冷たい水で顔を洗ってグラウンドを見ると、そこで郁が走っていた。トラック脇には堂上がついている
「ああ、笠原は定期的にタイムを測ってるんだ。アイツの武器でもあるからな。」
郁の走る姿を見て曽根は感心する。
「綺麗なフォームですねぇ。」
「笠原はずっと陸上で走ってたからな。短距離なら部隊上位にくるさ。」
斎藤はタオルで顔を拭う。
「初の女子特殊部隊員だが、だいぶ使えるようになったよ。ま、大事に育ててるヤツがいるからな。」
周りの班員もワハハと笑う。
グラウンドには堂上の声が響いていた。


戦闘服を着替えて昼食を取る。午後の斎藤班と堂上班は館内警備だ。
堂上は後方支援部に呼ばれていた為、バディである郁はカウンターに勤務している柴崎の手伝いをしながら待つ事になった。斎藤班と小牧・手塚組は先に巡回に入る。
「あら、いい色じゃない。」
柴崎は郁の唇に目をやった。
「秋の新色ね。」
「まあね、このくらいしかお洒落のしようがないからさ。」
郁はちらりとロビーに視線を流す。
「今日のバディは堂上教官だし?」
「なっ、ど堂上教官は関係ないしっ。あ、来た来た。」
業務に戻って来た堂上と合流すべく、慌てて飛んでいった。
「可愛いこと。」
柴崎はクスクスと見送った。

「無駄口叩いてるんじゃないぞ。」
堂上の軽い拳骨に郁はペロリと舌を出す。
「はーい。」
最近 館内でスリの報告があがっており、各利用者の手荷物管理を重点に目配せする手筈になっている。
郁は堂上の隣を歩きながら時々チラリと横顔を盗み見る。
――気付くわけないよね。
意識してるのは自分だけ。ふっと一息吐くと、唇どうしを擦り合わせてから前を向いて警備に集中した。
『小牧より各班に報告。ロビー右奥にて 怪しい動きをするブルーの帽子の男を発見。注意されたし。』
インカムから落ち着いた小牧の声が聞こえた。
見渡すと確かに 帽子の男がキョロキョロしている。前方には剥き出しに置かれている若い女性の財布。
『了解』
堂上は郁に目で合図を送る。斎藤班は玄関脇に移動した。
帽子の男は女性が本に気を取られているのを確認すると、そっと近づき 財布を掴んだ。そしてその場を数歩離れると踵をかえして走りだした。
「笠原!」
堂上の声を合図に男を追う。玄関に待機していた斎藤に気付き方向転換した男は 曽根と土井の間を擦り抜けた。早い。
曽根も追い縋ろうとしたところで 脇を抜けていく風があった。
郁だ。
ぐんぐん追い付き男にタックルして転ばせると、すかさず男の背に馬乗りになった。直ぐに堂上も追い付き、腕を捻りあげる。
「確保!」
郁の声が響き渡った。


「笠原さん、速いね。」
曽根は事務室で唸った。
「でしょ? こういったケースの検挙率はかなり高いよ、うちのお姫様は。」
斎藤は答える。
堂上班は防衛部で調書をとっている。余罪の追及だ。小牧が担当している。
「…もしかして 気に入っちゃいました?」
斎藤が顎を擦りながら曽根を伺う。
「かなりね。」
「ダメですよ、彼女は。」
「どうして? 」
「どうしてもです。」
斎藤と曽根はにこやかに談笑した。

20:32  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2013年07月17日(水) 21:06 |  | コメント編集

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