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2013'07.19 (Fri)

「風を受けて」2(リク20)

今日は終業式。
通知表はハードル低く設定してたので、まあヨシとしましょうか(;^_^A。
ちびは帰って来て早々に「遊びに連れてって」攻撃です。しかも公園。暑いよ!。
で、只今 公園に来ています。
暑過ぎて誰もいないよ。
でも木陰は風が通って 思ったより涼しくて快適です。遊具を独り占めで遊んでいる隙にポチポチやってる母ちゃんです。

更新です。続きになります。
あ、やっぱり堂上さん まだ動かない(T_T)。っていうか進んでないし。取り敢えずナンバーにしておいて良かったな、という事です。

↓こちらから どうぞ


【More】

「風を受けて」2(リク20)


朝晩は涼しくなってきた。郁はぶるっと震えると 剥いでいた布団を被り直す。
「……。」
目が覚めてしまった。時計を見れば6時前。もう一眠りするにも妙に頭が冴えている。
仕方がない。
郁は柴崎を起こさぬように タオルを持ってするりと部屋を抜け出した。
「んー、気持ちいい。」
グラウンドに出て 伸びをする。ひんやりした空気が頬を掠める。入念にストレッチをしてスタートラインに立った。時間的に流す走りしか出来ないが、昨日のタイムが不安定だった事が気に掛かる。堂上には姿勢にブレがあるとの指摘を受けたが。
どうしたもんかな。
2度、3度と軽く流してみた。
「朝早くから 熱心ですね。」
声のした方に振り返ると、グラウンドに降りる階段のところで 曽根が座っていた。
「曽根一正。」
おはようございます と郁は頭を下げた。
「たまたま早く起きちゃって…。折角だからちょっとチェックをと。最近調子が今一で、堂上教官にはフォームのブレを注意されるんです。でも何が悪いんだか分からないんですよね。」
ポリポリと頭を掻く郁に 曽根はうーんと唸ってから言った。
「膝…かな?」
「膝ですか?」
郁はくるくると回してみる。特に怪我などしていない。
「最近体重に変化は?」
言われて はっ となる。そうだ、秋に入って食欲も増し 新作のスナックにも手を出している。
まさか 太った!?
「ハハ、そんなに大きな変化じゃないさ。蹴だしに気を付ければ大丈夫だと思うよ。」
柔らかい笑みにホッとする。堂上とは違った穏やかなアドバイスの仕方に肩の力が抜けた気がした。
「詳しいんですね。経験者なんですか?」
「いや。俺は写真を撮っていただけだよ。」
曽根は腰を上げた。
「写真?」
「そ、学生の頃はスポーツジャーナリストになりたかったんだ。サッカーにボクシング、その中でも陸上は特に好きでね。競技場には足繁く通ったもんだよ。―って、今では図書隊員になってるんだから、人生分からないものさ。」
肩を竦めて郁に近付く。
「風を切って走るスプリンターは美しい。笠原さん、君の走りは変わらないね。」
「へ?」
ぽん、と郁の肩を叩くと寮に向かう。
「そろそろ食堂が開くよ。今日の業務は何だい?」
「あ、今日も訓練が入ってるんだった。急がなきゃ。ありがとうございました!」
曽根一正と会ったことあったっけ という疑問が掠めたが先ずは出勤準備だ。大体曽根は関西出身だし関東は初めてだと聞いた。接点はないはず。
郁は慌てて寮に戻った。

訓練を終え 解散になるところで、郁は堂上を呼び止めた。
「教官、タイム測ってもらえますか?」
「どうした。昨日測ったばかりだろうが。タイムは業務に関係ないぞ。」
「いいんです。もう1度お願いします。」
郁は曽根のアドバイスを思い出し、蹴りだしを意識してスタートに立った。
ゴール脇には堂上の姿。合図を受けて飛び出した。
堂上の目に映る郁のフォームは流れるようだ。昨日は上体が僅かに揺れていたが今日は安定している。
「どうでした?」
汗を袖で拭いながら 堂上の持つストップウォッチを覗き込んできた。
「ん、いいんじゃないか?。ブレも修正出来てる。」
ポンと頭を叩いた堂上の言葉に 郁はエヘヘと満足そうに笑った。


食堂で柴崎とも合流し、5人で昼食を取っていた。
「笠原、今朝は随分早かったわね。
柴崎は定食をつつきながら郁に言った。
「うん、ちょっとね。ね、それ残すならちょーだい。」
郁は柴崎のカツに手を伸ばす。
「それ以上食うなら衣外せよ。そんなんだから重くなって負担がかかるんだ。」
もっとも多少ウエイトがあった方がいいのだが。
「うっ。」
そうだ、今朝曽根一正から指摘されたばかりだった。ということは、堂上も郁の問題点に気付いていたのか。
「まあまあ、そのくらい直ぐに代謝されるでしょう。食事は楽しく取らなければ。」
午前は館内業務だった斎藤班もやってきて、曽根が郁の肩を持つ。
「笠原さん、今朝はどうも。有意義な朝になったよ。」
郁の隣にトレイを置いた曽根が笑い掛ける。
「あら、あんた曽根一正と一緒だったの?」
柴崎に訊かれて郁は頷いた。
「そうだ!、曽根一正。アドバイス通りにしたらタイムが戻りましたよ。バッチリです。」
「そうかい、お役にたてたなら光栄だよ。」
2人のやり取りに斎藤がニヤリとする。
「おや、専属コーチに就任ですか?」
「ハハ、まさか。俺もそんなに詳しくはないよ。あの微妙なブレは指摘がなけりゃ気付かないさ。」
そう、堂上は郁の気付かないことでも細かく見てくれている。但しちょっと言い方がゾンザイだったりするのだ。
「でもとっても分かりやすかったです。的確かつ優しく教えてくれるし。教官なんて駄目だ・無駄だ・ブタになるって。」
「んな事 言ってないだろが!」
「いーえ、目が言ってるんです。目が!。その点、曽根一正は雰囲気が優しいんだから。」
郁にしたら いつもの軽口の応酬だ。
「俺で良ければいつでも付き合うよ。出来ればプライベートもね。」
ニコニコと進言する曽根に 一同言葉を失う。
どういう意味だろう。
郁はちらりと堂上を見たが、何の反応もない。
その時 曽根の携帯が鳴った。
「……。お先に失礼しますね。」
曽根は一旦携帯を閉じ、トレイを持って出ていった。
堂上も席を立つ。
「良かったな。専属コーチにいろいろ教えてもらえ。」
「え?」
郁の声は聞こえなかったように さっさと堂上は出ていった。
「バカね。比べる様なこと言うなんて。」
「べ別に 比べてなんか…。」
柴崎に言われて郁は小さくなる。
「そう聞こえたさ。大体お前 図書隊員だろ?。一生懸命になるところが違うんじゃないか?」
手塚にも指摘される。
「分かってる。…ちょっと気になっちゃって…。」
堂上の消えた出入口を暫く見つめる郁に 小牧と斎藤はため息をこぼした。
14:23  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2013年07月19日(金) 14:56 |  | コメント編集

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 | 2013年07月19日(金) 23:10 |  | コメント編集

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