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2013'07.26 (Fri)

「誓いの道は」3(リク8)

おはようございます。1日空いた英香です。
雨の日は プールにも公園にも出られない為、ちびのストレスが…。ポチポチする時間が…。
昨日は録画していた番組を見ました。
前日夜放送の恐怖映像。私は苦手なので、夜は婆さんにひっついて長女とちびは観てました。アトラクション並の悲鳴が聞こえてました。婆さんは平気な人なので お化け屋敷とかも付き合って貰います。便利。
昼間はまだましなので 私もちびと観ました。
あと「ファインティング ニモ」。実は通して見るのは初めてでした。アニメはセル画でないとって もう言っていられませんね。とても良かったです。

更新です。不定期連載の続き、というか 時間は戻ってますが。のんびり続けていこうかな、と思ってます。婚約期です。

↓こちらから どうぞ


【More】

「誓いの道は」3(リク8)


郁が拗ねあぐねた1ヶ月明け、漸く結婚の承諾を得て、堂上は郁の「教官」呼びから昇格した。

「俺はいつまでお前の教官だ?。郁。」
不機嫌な顔だが声は著しく、甘い。
――え、だって教官は教官だし……確かに婚約者にはなったけど、今更――。
かなりの時間躊躇して、さまよわせていた視線を堂上に戻せば、じっと見つめる声と同じく甘い視線とぶつかった。
心臓がバクバクうるさい。
郁は堂上のシャツの裾を掴んで意を決した。
「あ、あつ―――。」
固く目を瞑って発した呼び名。
そろそろと目を開ければ、満足そうに微笑む堂上がいた。その笑みにつられて郁も花開くように笑う。
「よし、いくぞ郁。」
軽く郁の頭を叩いて手を取ると、人混みに合流すべく歩き始めた。


早朝の寮の玄関に入る。まだ人はいない。
隊のみんなには 段階を踏みある程度決まってから婚約の報告をすればいい。
しかし真っ先に報告をしなければならない――というか避けられない相手が2人にはいる。
小牧と柴崎だ。
1番身近な存在であり、協力を仰がないと多分話は進まない。これまでも随分と世話になったし、特に今回は多大なる心配もかけたのだ。外泊届けを出してもらった時点で仲直りしたとは察しがついているだろうが。
「じゃあ、後で。」
それぞれに報告してからの出勤となる。
「はい、教官。」
女子棟に向かう郁を堂上は腕を掴んで引き止めた。
「教官?。」
あ、と 目を見開いてから頬を染めて訂正する。
「はい、…篤、さん。」
誰もいないロビーの真ん中で 堂上は ちゅっ と音をたててキスをした。
「ちょ…。」
「誰もいない。」
浮かれている、とは思う。斜め上思考の愛しい恋人を漸く取り戻したのだ。安堵と同時に焦りとも言える感情も湧く。真っ赤な顔をした郁が走り去るのを見送ってから 堂上も自室に向かった。

静かに鍵を開けて中に入る。
「お帰り。」
「わっ、お 起きてたんだ。」
「そろそろかと思ってね。」
丁度目が覚めたという柴崎は、ベッドのカーテンを開けて出迎えてくれた。
「仲直りしたのね。」
「――うん。」
郁はコートをハンガーにかけてテーブルについた。柴崎はミルクティーを淹れて、郁には1つ余分に砂糖を落とした。
「で、部屋は借りるの?」
テーブルにカップを置いて定位置に座る。
――そろそろ部屋とかかりたいなー。
そう言った郁に「いってみればぁ?」と答えたのは柴崎だ。まさか堂上に否定されるとは考えもしなかったが。ソコから始まった喧嘩だ。どう収束したのかは気になるところ。
「――うん。……官舎に、かな。」
「は? 官舎?――ソレって…。」
郁は真っ赤な顔で頷いた。
「結婚、する……の、かな?」
「かな、じゃないでしょ!。結婚?」
急に現実の事か不安になってきた郁だったが、柴崎の勢いに圧されて体を仰け反らせた。そして逆に納得顔になった柴崎は、1人感心したり悔しがったり 表情をくるくる変える。
「そっかあ~、そりゃ『無駄』って言いたくなるわ、堂上教官。」
堂上は初めから『結婚』を考えていたのだ。わざわざイベントごとに付き合う筋合いはない。年齢的にも頃合いだ、何故失念していたのだろう。
それは多分――まあ、いい。
「なんだ、最初っから向いてる方向は一緒だったのね。当然だけど。」
「そうみたい。」
郁の亀並みの恋愛に堂上は合わせていただけ。本当はずっと先のことまで考えてくれていたのだ。
「教官、言葉が足りないからなあ。でも、良かったわね。――ほら、泣かないの。」
勝手に拗ねてた1ヶ月。申し訳なさ半分、でもそれ以上に堂上や柴崎、小牧達のいたわりを感じた1ヶ月。この幸せを噛みしめることが出来るのは柴崎のおかげだと、堂上の前では出なかった涙が 自然と溢れた。

堂上は自室に戻り 身支度を済ませた。
郁の「部屋を借りたい」という提案を「婚約指環を受け取って俺と結婚するか」という提案で返したものの、世間一般でいうプロポーズから思えば情緒がなかったか、と頭を掻いた。だが仕方なし。
時計を見る。この時間ならば起きているだろう、と小牧の部屋をノックした。
「おはよう。」
既に出勤準備を整えてある小牧が顔を出した。朝から爽やかな友人は 「待ってたよ」と 堂上を招き入れた。
コーヒーを淹れて堂上に手渡す。
報告は短く正確に。
「婚約、してきた。」
その言葉に小牧は口笛を鳴らして破顔する。
堂上のコーヒーカップに自身のカップを当てた。
「おめでとう。」
「ありがとう。」
長い付き合いだ。余分な言葉は必要ない。
だが好奇心は、ある。
「今後の参考までに、プロポーズの言葉を教えてくんない?」
グッと詰まる堂上は、目の前でニヤニヤしている小牧の視線から仏頂面で目を逸らす。
「教えん。」
「えー、勿体付けるなよ。」
この男ならスラスラと気の訊いたセリフを操るんだろうな とは思うが、ソレを自分が言う姿は想像出来ない。
「隊長には?」
「まだ具体的ではないからな――早めに、とは思ってる。」
仕事柄、なるべく影響のないようにとは考えているが、いろいろ融通してもらう事になる。
「隊の皆にはまだ言うなよ。」
「どうして?」
面白いのに、という言葉は飲み込んだ。
「ある程度日程が決まってからで十分だ。どうせからかう事しか考えないんだから。かなわん。」
横断幕の事を言っているんだろう。堂上の顔は苦った。
「まあまあ、皆祝福してくれるよ。アレでも心配してたんだから。」
「――わかってる。」
小牧同様、郁との因縁を知りつつ 長年見守って?くれてきた。感謝はしている。しかし 確実に余計な事をしでかす気満々なのも想像がつく。
「とにかく 絶対余計な事言うなよ!」
クスクス笑う小牧にしっかり釘をさす。
「わかったわかった。しかし今回はさすがに柴崎さんも笠原さんにアドバイスし損ねた感じだったかな。」
「若い奴等と足並み揃える必要はない。」
「あの時の少女が あの時の堂上と同じ三正だ。プロポーズのタイミングとしてはバッチリだったのにね。案外感慨深かったんだろ?」
昇任祝いに婚約指環、なんて柄にも無いことを考えていた事も見透かされて耳が熱くなる。
「ま、結果オーライさ。もうやらかすなよ? 浮かれ堂上。」
「うるさいわ、お前こそ口外無用だぞ。」
再度釘をさして出勤準備に入るべく腰をあげる。
「小牧、いろいろ心配かけた。有り難う。これからも頼む。」
堂上は手を挙げて応える小牧の部屋を出た。


この後浮かれ堂上が墓穴を掘るのは容易に想像出来て、1人腹を抱える小牧だった。
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 | 2013年07月26日(金) 10:08 |  | コメント編集

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