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2013'08.19 (Mon)

「偽装未満」(リク23)

ちょっと渋滞な英香です。
多分一生分の都庁を眺めた後、昨晩は黄〇風呂に入り、今は帰路の途中にまた都心で遊ぶのにまあまあ流れる渋滞の中です。うおお、絶対にこんな中 運転出来ない。まあ させてもらえないけど。
更新です。何だか久しぶりのリクエスト作品になりました。そして切れ切れに書いてたら 長く…まあいいかしら。上官・部下で 囮捜査後 かな。

↓こちらから どうぞ

【More】

「偽装未満」(リク23)


連日出没していた図書館の窃盗犯が捕まった。
女性のバッグから財布を抜き取ったものの、気付いた女性が大声をあげたのだ。
警戒にあたっていた堂上班が即座に駆け付け、女性に襲い掛かった犯人を堂上が庇いながらも投げ飛ばして確保し解決した。


「堂上、お客さん。」
事務室に入って来た進藤が大声で叫んだ。
「どうぞ。」
促されて入って来たのは防衛部の三監だ。
「よう、堂上。久しぶり。」
「ご無沙汰しています。」
席から立った堂上は 敬礼した。堂上の防衛部時代の上官だ。無鉄砲だった頃の堂上をよく知る人物である。
「堂上の活躍はよく耳に入ってくるよ。頑張ってるようだな。」
「は、恐縮です。チームワークの賜物です。」
もう1人突っ走るような事はしない。
何か用があるのだろうか、来客用ソファーに促した。
「今日はまたどうしたんですか?」
堂上は向かいの椅子に座った。
「突然の話だが――堂上、見合いする気はないか。」
「はあ?見合い、ですか。」
ドンガラガッシャン
給湯室で音がした。
「まあ おまえがするとは思わんが……。」
「勿論お断りです。」
堂上は眉間の皺を深めた。
「相手のお嬢さんは 俺の嫁さんの恩師の娘さんでだな、こっちから断り辛いんだよ。」
「…独身隊員は他にもいますが。」
「堂上を名指しで頼まれたんだ。身に覚えないか?」
「?ありませんから、適当な理由くっつけてお断りして下さい。」
これで話は終わったとばかりに堂上はソファーから立ち上がった。
「待てよ。下手な理由つけられんだろ?バレると嫁さんに怒られる。」
そこにお茶を淹れて持ってきたのは郁だ。
「あ、えっと お茶です…。」
チラチラと堂上と三監を交互に見る。ローテーブルに湯呑みを置くと トレイを胸に抱えた。
三監は郁を見て顎に手を当てる。
「そうだ 堂上。おまえに恋人がいるってことにしよう。」
「はあ?」
自席に戻ろうとしていた堂上が振り返る。
「笠原一士、協力してやってくれないか?。恋人がいると分かれば諦めるだろう。」
突然郁に提案しだした三監に堂上は待ったをかけた。
「ちょっ、何訳のわからん事言ってるんですか!」
郁も呆気にとられている。
「あちらは堂上の公休に合わせて見合いの日程を設定するって言ってるんだ。班が同じだから休みも同じだろ?都合いいじゃないか。」
「そんな見え透いた嘘は相手にも失礼でしょうが。」
「じゃあ正直に自分には王子様と追っかけてきた姫さんがいるから―――。」
怒濤の勢いで堂上が三監の口を塞ぎにダッシュした。椅子を蹴倒す音でほとんど掻き消されて聞き取れなかったらしく、郁はキョトンとしている。
「だぁー何言い出すんですかっ!!」
当然三監には箝口令を敷いてある。必死にひた隠す堂上に口を塞がれた三監はニヤニヤと笑っている。
堂上は慌てて手を離す。
「しっ失礼しました!。しかしですねえ…。」
そこに静かに上戸に入っていた小牧が声をかけた。
「まあまあ、確かに恋人がいるからって断るのが手っ取り早いよね。――どう?笠原さん。」
フリーズしていた郁は ぶんぶんと頭を振る。
「そんなっ、あたしなんかじゃ説得力ありませんし…。」
「柴崎さんに協力してもらってさ。大丈夫、十分勤まるよ。囮捜査で実証済みでしょ。」
「でも」とか「しかし」とか言う堂上と郁だったが、結局三監に押し切られる形で恋人偽装が決まった。


見合いの場所は立川駅前のホテルの展望レストラン。
「事前に恋人がいるって言えば見合いせずに断れるんじゃないか。」との堂上の主張も「実際に会わせた方が効果がある」と柴崎に言い包められて今に至る。完全に面白がっているのは顕らかだ。
「笠原は準備があるので後から行きますね。」
嬉々として連絡してきた柴崎の電話に 堂上はホテルのロビーで大きなため息をつく。どうしてこんなことになったのか。一応スーツに身を固め、ふかふかした手触りの調度品であるソファーに身を深く沈めた。

「堂上さん。」
声をかけてきた女性がいた。
「?」
見覚えがあるような ないような。
「先日 図書館でスリの被害にあったところを助けて頂きました。」
ああ、と思い出す。
連続窃盗犯確保の際に居合わせた女性だ。調書にも協力してもらった。
「あの時はありがとうございました。私 目の前であんな場面が見られて、嬉しくて びっくりして…お礼もろくに出来なくてスミマセンでした。」
頭を下げた女性は ブルーのドレスに白のハイヒール、髪をUPにした姿で結婚式の二次会に行くような雰囲気だと思われた。場所的に納得できる。
「いえ、仕事ですので。」
堂上は女性に頭をあげるよう促した。
「あれから私、堂上さんの事が忘れられなくて。」
ぽっと頬を赤らめて上目遣いで堂上に近付いてきた。堂上の隣に腰掛ける
「今日はあの―――。」
その時堂上は正面ロビーに視線を向けて目を見開いた。女性もつられて目を向ける。
キョロキョロと入ってきた1人の女性にベルボーイが声をかけ、ふわりと笑む。
あら、綺麗な人。
堂上の横で女性が同性ながら見惚れた。
すらりと手足は長く 背筋が伸びて姿勢が良い。オフホワイトの清楚なフレアスーツは主張し過ぎず、錦糸の刺繍を施したブラウスの襟元とネックレスが、ホテルのシャンデリアの光に映えている。
ぐるりとロビーを見回してこちらに気付くと、にこりと微笑んで向かって来た。

「笠原。」
隣の堂上がソファーから立ち上がり、2人が歩み寄るのを目で追った。
自然とお似合いだと思った。身長は女性の方が高いが、2人居並ぶ姿に何も違和感がない。同じ空気を纏っているようだ。
「今日は悪いな、妙な事に巻き込んで。」
「いえ、私なんかでお役にたてるんでしょうか。」
柴崎に施されたのであろう、化粧映えのする郁を堂上はじっと見つめた。囮捜査の時のように小牧や手塚達の目はない。
「こ、こんな感じでどうでしょう。…似合って、ます?」
こんな格好することないから と堂上を窺う郁は、堂上には殺人的に可愛い。
おもむろに郁の左手を取った堂上はそのまま腕を広げてまじまじと郁を眺める。
「いいんじゃないか? 目一杯化けて見えて。」
囮捜査でどさくさ紛れに聴いた 同じようなセリフに、郁は真っ赤になって抗議した。
「化けてって…。」
バチンと自分のスペックを忘れて堂上の腕を叩くが、構わず甘い顔した堂上に、彼なりの照れ隠しもあるのだと感じてますます郁は真っ赤になる。

「さて。」
偽装恋人のシナリオでは、展望レストランで見合いの相手と挨拶を交わした後、彼女として郁を紹介して詫びる事にしてある。紹介した三監には内緒にしていた恋人だから とすれば、何とか取り繕えるか。
エレベーターに向かおうとした堂上に、先ほどのブルーのドレスの女性が声をかけた。
「あのー…。」
失念していた堂上は 思い出したように頭を下げた。
「ちょっと所用がありまして 失礼します。図書館には又のご利用をお待ちしております。」
至極営業的な応対をしてから郁をエスコートする堂上に、女性は訊いた。
「お2人は恋人同士なんですか?」
堂上と郁は顔を見合わせた。既にミッションは始まっている。
「はあ、(偽の)恋人…ですね。」
堂上の省略された答えに 郁が頬を染めるのを女性は羨まし気に見た。
「そろそろ(ご結婚)ですか?」
まるでそんな雰囲気に感じたのだ。
「ああ、そろそろ(見合いの時間)ですね。」
堂上はちらりと時計を見て頭を軽く下げた。
「(話の途中で)申し訳ありません。」
「(恋人がいて)残念ですわ。」
女性は寂しそうに笑って別れた。

展望レストランは32階にある。
「さっきの女性は…?」
郁が訊いた。
「図書館の利用者だ。結婚式にでも呼ばれたんだろう。」
「そうですか。」
エレベーターを降り、2軒あるレストランのうちの指定の店の前に向かった。
すると 店から三監が出てくるところだった。三監は堂上を見付けると手を振った。
「堂上、せっかく来てもらったのに悪いんだが、急に先方のお嬢さんから断りの電話があったそうだ。」
「はあ。」
「ご両親も揃って娘さんを待ってたところだったんだが、急に気が変わったらしくて。本当に申し訳ない。」
娘がごり押ししたって聞いたのにおかしいなあ、と首を傾げる三監に堂上は訊いた。
「では見合いは無しって事ですね。」
「――そうなるな。悪いな、笠原も。」
堂上の隣で郁は緊張を解いた。
「いえ、ホッとしました。恋人に見えなくてバレるのがオチですもんね。」
三監は2人並ぶ姿を見て感心する。
――こんなに似合いのカップルはないのにな。
さっさと手に入れろよ、と堂上に言いたくなるが、その役は自分ではない。三監は帰っていく2人を見送った。


「ところで どんな女性とお見合いだったんですか?」
「…そう言えば聞いてなかったな。結局偽装は必要なかったし。それはそうと、どうする この後。」

堂上は ブルーのドレスの女性が見合い相手であった事に、最後まで気付かなかった。


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リクエストは ジュリエッタさんより
「堂上教官にお見合いの話がきて 断るために郁が彼女のふりをして行くけれども、演技ではなく堂上教官が郁に接して 郁がかなり照れて超バカップルに見えたという話を 上官・部下期間で」
でした。
見合い相手が諦めるにはシチュが弱いかな って感じですが(^^ゞ こうなりました。なんかこの先の方が気になりますよね。「…の後に」パターンかな?。
ジュリエッタさん、リクエストありがとうございました\(^O^)/。
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 | 2013年08月19日(月) 14:22 |  | コメント編集

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