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2013'09.03 (Tue)

「ひまわり」3(リク24)

おはようございます。今日こそ草刈りする英香です。
コレさえ済めば コソッと夏休みを感じたいな。…何するか他に思い付かないけど。
今のうちに更新です。次で終われるかな?。

↓こちらから どうぞ



【More】

「ひまわり」3(リク24)


一通り業務を終えた堂上は医務室に向かった。
医師は外出中らしい。カーテンを引いて郁の様子を見る。
「…教官。」
「具合はどうだ。」
近くにあった丸椅子を枕元に寄せながら郁の顔を覗き込んだ。
「ありがとうございます。大分楽になりました。わ、結構寝ちゃいましたね。」
時計を見て驚いた。昼食も食べずに午後の業務は丸々寝ていたことになる。起き上がろうとする郁を制して堂上は腰を下ろした。
「まだ熱が高いな。食べられるようなら少し口に入れるか?。」
額を合わせてから持ってきたコンビニ袋を物色したが、首を振る郁にスポーツ飲料を渡して 水分だけでもとるように促した。
「寮まで…」
送ると言う堂上を郁は固辞した。
「大丈夫です。柴崎が来てくれるってメールをくれましたから。教官は残業があるんでしょ?」
朝 堂上の机の上に積まれていた書類の高さを知っている。
「──ん、じゃ ゆっくり休め。いいか、熱が下がるまで無理して出て来るなよ。その辺は柴崎に任せる。」
寮内では堂上の出る幕はない。
郁の頭をかき回し 立ち上がる堂上を、郁は体を起こして見上げた。
送ってくれなくていい とは言っても、寂しい 心細い 離れがたい。
熱で潤んだ瞳で見上げられた堂上は 腰を屈めて唇を寄せる。
「…なんだ これは。」
触れる直前に割り込んできたのは郁の両手。
「うつっちゃうもの…。」
へにょりと眉を下げて口元を覆った郁が下を向く。
「構わん。それに そんなヤワじゃないぞ。」
最近触れる機会が減ってるんだ。
「ダメです。研修生も来てるんだから、万が一があってはいけないし。」
堂上は苦笑し、仕方なくガッチリ塞いだ郁の手の甲にキスを落とし、スライドさせて前髪を上げた額にも同じく。熱を吸い取るように長く。


柴崎に付き添われて帰寮した郁のところへ 千佳が見舞いに訪れた。
「笠原士長、如何ですか?」
「あ、ごめんね。みっともないことになっちゃって。」
普段こんな事ないんだけどな、とバツが悪そうに首を竦めた。
「何とかは風邪引かないってのにね。ま、教官にもくれぐれも宜しく言われてるし、大人しくしてることね。」
柴崎にペチンとデコピンされて「うう」と唸る。
「堂上二正って、部下の健康管理も徹底されてるんですね。仕事もテキパキしてるし、仲間からも頼られてるって感じ。」
「部下って…。」
千佳の言葉に 柴崎はチラリと郁の顔を見る。郁が軽く首を振るのを見て小さくため息をついた。
「頼られてるってより 便利に使われてるってところだと思うわよ。」
話を合わせておく。
「えー でも、女性隊員の上官としては文句なしです。こんなに気配りしてもらえると嬉しいですよね。関西では下ネタはセクハラちゃいますし、あんなに強くてカッコいい真面目な上官いないです!」
力説する千佳に柴崎は苦笑して呟く。
「誰かさん限定だけどね。」
「ホント、笠原士長が羨ましいです。あんな人の部下だなんて。私も認めてもらえるように頑張りますね。」
千佳は、具合悪いのにはしゃいじゃってごめんなさい と退室していった。

「何よ、教官と付き合ってるって内緒なの?」
「んー、わざわざいうことじゃないし。それに──部下に手を出した上官だって思われたくないからさ…。」
「…堂上教官がそんな事言ったの?」
柴崎の綺麗な眉間に皺が寄る。
「ううん。ただ あたしみたいのが相手なんて、教官の評価が下がりそうで。」
怖いだけ。自分の評価がそのまま上官である堂上の評価になると思うと、胸を張れない自分がいる。
「関係ないでしょ?。大体 たった1人で当麻先生の英国総領事館駆け込みを成功させた伝説の女特殊部隊隊員が何言ってんのよ。堂上教官だってそんな意味で彼女に言わないでいるわけじゃないでしょ?。」
単に業務に関係ないってだけ。あの人の口癖じゃない。
再び熱が上がってきているらしい郁の額に新たなタオルを押し付けてベッドに沈ませた。

それから3日間 柴崎の許可は下りず、郁は欠勤した。

その間も研修は続く。
千佳は必死に訓練に励み、片時も堂上から離れない。郁の立ち位置に千佳がいる。帰寮すれば郁の元で堂上談議だ。
「すっかり懐かれてるね。」
さすが堂上先生 とからかう小牧をギロリと睨む。
「で、彼女はどうだい?」
手元のデータを覗き見る。
「訓練次第で伸びていくだろうな。十分やっていけるレベルだと思うが…。」
「特徴がないね。」
郁のように武器となる突出した能力があるわけではなく、全体に優れた成績をあげる手塚タイプ。
「指導者が良ければよい生徒として応えてくるだろうな。あとは──。」
「実戦経験は入隊してからでも積めるさ。笠原さん達もそうだったろ?」
「──そうだな。」
堂上は何か引っ掛かりがありながらもファイルを閉じた。

「「おはようございます!」」
事務室に元気な2人の声が響いた。
「お、復活だな。賑やかになる。」
進藤が破顔する。
「笠原が2人になったようだからな。」
今や特殊部隊の元気娘2人を他隊員も出迎えた。
「ご心配おかけしました。笠原完全復活です。」
郁は敬礼して堂上に視線を流した。堂上も目で応える。
「よし、訓練に入る。但し笠原は無理するなよ。」
手加減するつもりはないくせに、と満面の笑みの郁の頭に 久し振りに堂上の手が乗る。千佳はそれを眩しそうに仰ぎ見た。

こうして日常が戻ってきた。
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 | 2013年09月03日(火) 12:19 |  | コメント編集

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 | 2013年09月03日(火) 12:21 |  | コメント編集

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 | 2013年09月03日(火) 16:20 |  | コメント編集

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 | 2013年09月03日(火) 17:37 |  | コメント編集

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 | 2013年09月04日(水) 00:13 |  | コメント編集

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