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2013'09.08 (Sun)

「ひまわり」5完(リク24)

わあ、一度更新して消してしまった?ようです。
再び更新です。なんで?(T_T)

オリンピック決まりましたね。めでたいこの日に ゆうちょこさんお誕生日おめでとうございます!。
母ちゃん頑張って産んだのよ⇦そこ? でもどんなに痛くて苦しくても産まれた赤ちゃんと会えたら、不思議と忘れちゃう。それだけ望まれて産まれたのです。自信を持って愛されて下さいね(^_^)v。重ねておめでとうございます。

更新です。長い最終話はいつものこと。そして何だか期待と違う展開になっているような気がしちゃったりなんかして。ビクビク。
……ああ、あと何て書いてあったか忘れちゃった。ま、いいか。

↓こちらから どうぞ




【More】

「ひまわり」5完(リク24)


真っ白だった千佳の世界に飛び込んできたのは 緑色の戦闘服に包まれた郁の肩。覆い被さったまま動かない。
「笠原さん!」
状況が理解された瞬間、右から風の塊が低く郁を攫いバリケードの影に引き込んだ。堂上だ。千佳も腕を引かれて転がるように身を伏せた。
「郁!郁!」
堂上の腕の中で郁はぐったりしている。左の頬にはうっすらと赤い線が一筋浮き出ていた。
また1つ銃声が響く。
千佳はその方向を見極め神経を集中する。
クリアな世界。
バリケードの隙間から見えたのは敵の銃口。
ホルダーから抜いたジグ・ザウエルを構えて 千佳は引き金を引いた。

やがて銃声が収まってきた。
早々の終結宣言が出され 良化特務機関は撤退していった。
「笠原さん!」
千佳が堂上の元に戻ると郁はうっすらと目を開けて弱々しく微笑む。
「軽い脳震盪を起こしたらしい。」
「担架呼ぶ?」
駆け寄る小牧に堂上は郁のヘルメットを外しながら首を振る。
「いや、俺が運ぶ。」
郁の膝裏に手を差し込み 難なく抱き上げる堂上に、小牧が報告する。
「代執行宣言がバイク便で投げ込まれたらしいけど怪しいね。こんな小競り合いして得はないのに。」
良化特務機関内部に不穏な動きがあるとの情報もある。統制のとれていない組織に振り回されるのは御免だ。

「医務室に運んで来る。後は頼む。」
「了解。」
班の指揮権を小牧に渡し その場を離れる堂上を千佳は追った。
「あ、あの──」
「笠原は大丈夫だ。暫く休めば意識も戻る。研修の身で初めての抗争だ。よくやった。」
郁が倒れた後 自分を取り戻した千佳は立派に応戦した。正確な射撃は敵の武器を欠き 攻撃を防いだのだ。
「最後まで勤め上げろ。」
短い攻防とはいえ 館内の損傷処理は必要だ。
千佳は無言で敬礼する。声を出したら泣いてしまいそうだ。
堂上は千佳に背を向け郁を抱え直すと そっと頬の傷に唇をあてた。
その背中を見送り、千佳は郁を危険に晒した不甲斐なさに襲われつつ、後処理に回った。


ベッドに横たえると郁は目を開けた。
「う…ふわふわする。」
「大人しくしてろ。直ぐに先生が来る。ったく、女が顔に傷つけやがって。」
弾が近くを通った際の軽い火傷
だ。掠ったわけではないので傷痕の心配はないが、暫く赤みは残るだろう。あと数センチ弾がズレていたらと思うと生きた心地がしなかった。堂上は愛おしげに郁の頬をさすると唇を寄せたが、またも郁は両手で遮る。
「…もううつす心配はないだろ?」
「か、課業中ですよ。」
真っ赤な顔の郁に 堂上はニヤリと口角を上げる。
「もう終礼して解散してる頃だ。問題ない。」
郁の手首を掴んで広げると、無事を祝うように深くキスをした。


事務室手前の廊下で広い背中の堂上が歩いている。抗争の後だがスッと真っ直ぐなその後ろ姿を 千佳は見詰めた。ずっと見詰めていたかった。
「堂上教官。」
振り返った堂上は視線を上に向けてから下にさげ、千佳を捉えた。
「笠原さんは…。」
「心配ない。暫く横になっていれば回復する。」
千佳はほっと肩の力を抜いた。
「すみませんでした。未熟な身で無理言って…挙げ句に笠原さんを危険に晒しました。私は特殊部隊に入る資格も力量もありません。」
頭を下げる。関西図書特殊部隊初の女性隊員として自分は相応しくない。前線に出る恐怖がこれほどとは思いもしなかった。
「十分やっていけると思うぞ。」
意外な堂上の言葉に 千佳は頭を上げて目を見開いた。
「田中は十分素質を持っている。その上努力を重ねているんだ、この先を期待出来る。そう判断して戦闘に加えたんだ。」
「ホントですか?」
「但し、もっと自分で考えて行動しろ。命令通りも大切だが柔軟な動きも必要だ。最も笠原みたいに脊髄でものを考えるようでも困るがな。」
「私、笠原さんのようになれるんでしょうか。」
強くて柔軟で──
「笠原にならなくていいんだ。田中自身が求められているんだから。恐怖はあって当然だ。何の為の訓練だ?自信を持て。」
いつまでも生徒感覚で指示を待つばかりでは成長出来ない。今のままでは ただの優等生。訓練は闘う為だけでなく守る為にある。自分を仲間を自由を。
「はい!」
堂上は千佳の肩を叩いて事務室に入った。


研修最終日の食堂。今日も5人の堂上班と柴崎の組み合わせだ。
「お前悪ガキみたいだな。」
絆創膏を貼った郁の顔を見た手塚の感想だ。
「痛みますか?」
心配そうに覗く千佳に 郁は大きく首を振る。
「平気平気。それにしても せっかくの研修だったのにベッドの中にばかりいてごめんね。最後までカッコ悪いなあ。」
「とんでもないです。笠原さんはやっぱり私の目標です。でも私は私なりのタスクフォースを目指します。ね、堂上教官!」
相変わらずの千佳の押しに 堂上は仰け反りながらも応える。
「あ ああ。あー、それからだなぁ…」
「分かってますよ、堂上二正。教官ってのは卒業しますよ。笠原さんじゃないとダメなんですね。」
「へ?」
郁をはじめ その場の皆が箸を止めた。
「噂通り お2人ラブラブなんだもの。その辺も報告まとめなきゃ。」
「ちょ、千佳ちゃん。何?噂って──」
郁はわたわたと訊き返す。
「大阪の街中で短機関銃(サブマシンガン)ぶっぱなした女性特殊部隊隊員は 共に当麻先生を護りきった隊員とラブラブだって。」
「どうしてそんな──」
郁と堂上は顔を見合わせる。
「玄田隊長がふれ回ってるみたいですよ。だから叔父さんにこっそり確認するように言われて来ました。」
「?叔父さん?」
堂上と郁が頭を抱える横で、小牧も訊き返す。
「関西図書特殊部隊武内隊長は私の母の弟なんです。」

郁の功績は各基地で話題になり、女性の特殊部隊候補生が本格的に選出される動きが出てきた。その中でも実際の活躍を見た関西図書隊は積極的で、出来れば郁本人をとの打診をする勢いだという。
玄田は幹部会で 郁と堂上のバカップル振りの話を披露しては虫除けをしているらしい。
「あのおっさん、通りで研修中に顔出さないわけだ。」
堂上は苦った顔をして食事を再開した。
「笠原さんを回収した隊員なんて 再会するのを期待してるんですよ。」
させるか、と堂上はひとりごちる。
「ふふ。『ひまわり』みたいですよね。」
前振りのない表現に皆首を傾げたが、直ぐに郁の事かと合点がいった。
「笠原さんは明るくて元気だからね。」
「デカい花だわね。見下ろされてる気がするもの。」
「脳天気なイメージがあるな。」
それぞれ同意の声をあげる。確かに郁は夏が似合うな、堂上はお茶に手を伸ばした。
「やだな、堂上二正のことですよ。」
満面な笑みの千佳の言葉に 堂上はお茶を吹き出した。
「なんだ、その似つかわしくない比喩は!」
「堂上汚い…そうだね、笠原さんばっかり見てる。」
「笠原を見上げるわね。」
「姿勢だけ見れば真っ直ぐですね。」
当然太陽は郁だ。
「勝手に言ってろ!」
堂上は食べ終えたトレイを持って席を立った。
「あ、待って下さい。」
郁も後を追う。堂上の耳が赤いのを見て クスリと笑った。
次々と席を立ち 午後の業務の準備をする。
「えっと、私報告書を取りに行って来るので…。」
立ち止まった千佳に小牧は「伝えておくよ。」と手で合図をした。

堂上班を見送った千佳は つと視線を足元に落とした。
「泣いたっていいと思うわよ。」
静かに涙を零した千佳の肩を柴崎が抱いた。
「あんた達みたいのに弱いのよね。」


隊長室で千佳は敬礼した。
「本日をもちまして 田中千佳図書士長 研修を修了します。ありがとうございました。」
「おう、ご苦労さん。武内のおやっさんに宜しくな。」
「はい。」
千佳はにっこり応じた。
「堂上二正と笠原さん、ホントにラブラブなんですね。あれで内緒にしてるつもりなんて。」

「おうよ。だからやれんから自分とこで育ててもらう。田中候補生、期待してるぞ。」

隊長室を出るとわらわらと隊員達が群がって来た。
「頑張れよ。」
「コレお土産な。」
「女の子がいなくなると寂しいなあ。」
追いやられた郁が叫ぶ。
「女の子はここにもいます!」

全国2人目の女性特殊部隊隊員誕生も近いかもしれない。


====================


リクエストは ひよこさんより
「関西図書隊のタスクフォースに、女性隊員を研修で一ヶ月堂上班に入れることになるが、郁ちゃんが、インフルエンザにかかってしまい、一週間出勤できなくなった間に、堂上さんと女性隊員が親しくなっちゃってるように見え、郁ちゃんが斜め上発想で、うじうじしちゃう
時期は、カミレツデート前か、付き合ってる最中がいいです」

でした。
連載の都合上期間をそれぞれ短く、季節的にインフルエンザでなく夏風邪?に。斜め思考は郁ちゃんでなく私がしてみました(^^ゞ。
ゴメンナサイ、名前呼びは重要じゃなかったんです。千佳ちゃん、知ってたけど惹かれちゃうの という、でも最終的には玄田隊長ver.の虫除け話に…。
郁ちゃん斜め思考で嫉妬させ…られなかったんですよ。
ひよこさん、リクエストありがとうございました。「──後に」が書けたらラブラブ頑張ってみますね。
  
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 | 2013年09月08日(日) 13:42 |  | コメント編集

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 | 2013年09月08日(日) 15:14 |  | コメント編集

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 | 2013年09月08日(日) 19:28 |  | コメント編集

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