All archives    Admin

07月≪ 2020年08月 ≫09月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031

2013'09.12 (Thu)

「気になる展開を」(リク25)

やっぱり日付をまたいでしまいました。
お客様は無事帰って行きました。婆さんの知り合いの方なので、そんなに役にはたたなかったんですけどね。
元々応対苦手ですし、横でニコニコ笑ってるのが精一杯でした。はい。

更新です。メインの内容からズレていったのは自覚しています(>_<)ゞ。上官・部下で囮捜査後でお願いします。

↓こちらから どうぞ


【More】

「気になる展開を」(リク25)


業務終了後、何事もなかった郁は 珍しく柴崎と揃って帰寮した。
「んー、久しぶりにのんびりしたした夜だあ~。」
郁は床に鞄を放り投げると ベッドにダイビングした。
「ほらほら、皺になるわよ。」
柴崎に促されて のそのそと着替え始めた時だった。

「笠原いる~?」
ノックして入って来たのは同期の小野だ。郁の姿を捉えると ズカズカと部屋に入って来た。
「ねえねえ、今日暇?。ちょっと協力して欲しいんだけど。」
小野はそう言うと郁を立たせてジロジロと検分する。
「な、何?」
落ち着かない郁に勝手に満足した小野が にっこり笑って言い放った。
「これからさ 寮内ねるとんパーティーを食堂でやるの。」
「……行ってらっしゃい。」
郁は興味なさげに着替えの続きを始めた。
「ほら、先月からメンバー募集してたんだけどさ、どうも人数調整しなきゃダメらしいのよ。ね、お願い。」
「興味ない。」
ピシャリと断る郁だが、小野はお構いなしだ。
「あら、先週カウンター業務で助けてあげたじゃない。あの時の『貸し』を発動させてもらうわよ。」
「う…。」
確かに、カウンター業務で郁がパソコンをフリーズさせてしまい、ヘルプに小野が駆け付け 難を逃れたのだ。何でも言うこときくね、と不用意なお礼の言葉を口にした覚えがある。
「サークル紹介も兼ねてなんだけど、我が家庭科部は衣装も凝る事にしたんだ。手作りなんだけど、長さ的に笠原が丁度いいのよ。」
持ってきた手提げから出した物に 郁はギョッとした。
「何ソレ?」
「トータルコーディネートよ。」
小野は器用なウインクをした。


堂上と小牧は夕食を食べに食堂へ足を運んだ。
「あれ、半分貸し切りだ。」
小牧の言う通り食堂は半分に区切られ、奥の机の配列が変わっていた。
「これからねるとんパーティーですって。」
後ろから柴崎が声をかけてきた。
「ああ、寮内にチラシが張ってあったよね。若い隊員で盛り上がってたなあ。」
トレイに定食を取りながら集団を眺める。男性陣が20名ほどワイワイと賑やかに集まっていた。業務部・防衛部半々といったところか。
堂上達が席に着いた時、入口から女子の集団が入って来た。男性陣が色めき立つ。
「へえ~、凝ってるね。」
女性陣はまるでファッションショーだ。思い思いに着飾った こちらも20名ほど。メイクアップし髪もセットしたり、普段業務では着られない装いは華やかだ。中でも最後の方で引っ張られるように入ってきた女性に「おお~」と声があがった。
「…笠、原?」
堂上が凝視する。
「え?あ、ホントだ。」
小牧は言われて気がついた。
背中までの流れるようなストレートの黒髪だが、確かに郁だ。白いマキシ丈のスカートが長身に映える。レースのトップスにラベンダー色の上着が清楚さを醸し出している。
堂上は柴崎を見た。そう言えば郁が一緒にいない。
「あたしが入ると皆持って行かれるって言うんで不参加です。でもあれじゃ 笠原が全部持ってっちゃうんじゃないですかね~。」
頬杖をついて艶やかな笑みを堂上に向けて言った。
「ロングヘアーの笠原さんは新鮮だね。まるで別人だ。堂上よく分かったね。」
流石だよ、と感心する小牧に 堂上はぷいっと顔を逸らして味噌汁を啜る。
「…無駄に視力がいいだけだ。」
黙々と箸をつける堂上に 小牧と柴崎はクスリと笑った。

パーティーは堂上達にお構いなしで進む。参加していない隊員達も食事を終えたら見学だ。
食堂のおばちゃんに交渉したらしく、立食形式にセッティングしてある。
フリータイムに郁は遠慮なく食事に専念するつもりなのだろう。皿の上のてんこ盛りの料理に取り掛かるところだった。
わらわらと郁の周りに男が集まりだした。
会話などは聞こえないが いろいろしつこく誘われているのは分かる。赤くなったり愛想笑いしたり。
そんな郁が堂上の視界にチラつく。しまった、こんな席に座るんじゃなかった。たまに早く業務が終わったんだ、外に飲みに出れば良かった。
堂上は急いで料理をかき込み食事を終わらせた。
「先戻る。」
小牧にそう声を掛けて席を立とうとすると柴崎が大きなため息をついた。
「あら教官、見届けないんですか?」
「プライベートだ。自由に楽しめばいいだろ。俺には関係ない。」
正直見ていたくなかった。着飾った郁を男達が不躾な目で見るのを。他の男が隣に立っているのを。自分のものでもない郁にぶつけられない感情を持て余している自覚がある。
「笠原、楽しんでるように見えます?」
見ればいつもなら真っ直ぐな背筋をいくらか丸めた郁がいる。愛想笑いも乾ききり、へにょりと下げた眉は困ったような迷惑なような。
男が郁のウイッグの毛先に振れると、嫌悪感露わの表情が見て取れた。堂上の身体が揺れた瞬間、バチリと視線がぶつかった。
郁の目に 驚きと羞恥の色が走り──縋るように瞼が震える。
「クソっ」
浮かせた腰をドカリと椅子に落として腕を組んだ。その表情は苦虫を噛み潰したよう。この場にいたって手出しなど出来ない事は分かっている。何か言いたげな郁が気になっただけだ。


「はーい、時間で~す。告白タ~イム!」
男女が一例ずつに並ぶクライマックスだ。郁は仕方なく一番端に並ぶ。ひとより一歩下がって。
司会者が進行する。
「防衛部鈴木がいったあ!。業務部亜弥ちゃんの前だ~。」
「ちょっと待ったあ!」
「おーっと、業務部白井がキタ!。どっちだあ?」
「ごめんなさい。」
「あ~ごめんなさいだあ。」
「「うお~~。」」
廊下に走り去っていく2人を皆で見送った。 
そうだ、嫌なら「ごめんなさい」すれば問題ない。こんなお遊びを本気にするなんて…。
「ルール変更。せっかくだから強制カップルね。成立、もしくはごめんなさい無しで お試しのお付き合いからどうぞー。」
無茶振りもいいとこの司会者に、男性陣からは大歓声だった。参加者は基本乗りの良いメンバーだ。女性陣からも黄色い声があがった。
「よお、飛び入り参加はどうだい?」
見学していた隊員からも声があがった。
「いいですねえ、皆で盛り上がりましょう!」
なんだ、この異様な雰囲気は。
堂上は引き気味で見ていたが、小牧と柴崎はニヤニヤ楽しんでいた。

「次は業務部工藤だ~。業務部ひろみちゃんの前だ~。」
「「ちょっと待ったあ!」」
「おお、部外者からも声があがったあ!どうする~?」
「お願いします。」
「工藤だ~。カップル成立です!」
カップルが出来上がる。
「防衛部佐野がいったあ!笠原ちゃんの前だ~。」
とうとう郁の前に立った。
「「ちょっと待ったあ!」」
「おおっと、本日一番人気の笠原ちゃん!次々と名乗りがあがってる!」
わらわらと郁の前に並ぶ男達。
「笠原、ごめんなさいは無しだからね!」
小野から釘を刺された郁は進退窮まった。適当に選ぼうにも 郁はこの手のあしらいは巧くない。しかも、男達はこの笠原の変貌ぶりに殆ど本気だった。それ程に今日の郁は美しかったのだ。
「うう…」
郁は視線を泳がせる。ソレは堂上を捉える。
「困ってますね。明らかに。」
「うん、部下が目の前で困ってる。」
柴崎と小牧がわざとらしくセリフを吐く。じっと堂上を見詰めて。
泣きに出る郁を探すのは「上官だからな」と決まり文句を置いていく堂上の役割になっている。放っとけないのは随分前から。
小牧から 
柴崎から
そして縋るような郁からの視線を受けて、堂上は重い腰を上げた。

無言で立ち上がった堂上に その威圧感から周りの視線も集まった。
つかつかと会場に歩み寄り、右手を前に差し出した。
「…来い。」
お願いはしない。あくまでも上官だから。
郁は男達の手をすり抜けて堂上の手を取った。
「ほら、行くぞ。」
グイッと手を引き 小牧達の横を通って廊下にでる。柴崎の楽しそうな顔を視界に掠めながら。
「カ、カップル成立です?」
背後で司会者の微妙な宣言が聞こえた。


ロビーまで来ると 堂上は繋いだ手を離した。
「ったく、面倒な事に巻き込まれやがって。」
「う、スミマセン。」
下げた頭はロングヘアー。さらりと肩から黒髪が滑り落ちた。
艶やかな髪が郁の頬に掛かるのを、堂上は思わず郁の耳にかけ直した。郁は硬直する。
「「……」」
堂上はペシリと頭をたたいた。
「お試し期間はどれだけだ?」
「へ?」
郁は堂上の瞳を探る。
「ごめんなさいは無しだろが。」
その瞳にからかいの色はない。堂上は郁の前に立ち、右手を再び差し出した。

「モニターが欲しいですね。」
「絵になるツーショットだろうね。」
先の展開を見守る影2つ。ロビー端で報告を待った。


=============


リクエストは伊東さんより
「 郁ちゃん、きっとロングヘアーでも超可愛いと思うのです。なのでウイッグでロングヘアーになった郁ちゃんがモッテモテで堂上さんドキドキのジレジレでお願いします。」
でした。
途中まで遊び遊び書いてきて ハタと落としどころを見失いまして…。この先の展開は小牧と柴崎のみが知る、です。
だ~いど~んで~ん返し~はないとは思いますけどね。敢えてフライング未満でお送りします。
伊東さん、リクエストありがとうございました。
01:06  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 | 2013年09月12日(木) 02:48 |  | コメント編集

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 | 2013年09月12日(木) 20:55 |  | コメント編集

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 | 2013年09月14日(土) 02:08 |  | コメント編集

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://746754.blog.fc2.com/tb.php/362-cca52985
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |