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2013'09.19 (Thu)

「光を拾って」2

またギリギリの更新になりそうな英香です。
さて、1日携帯・スマホと睨めっこするようになって。元々私は視力はよくありません。両目ともに0.05ていどで眼鏡っ子です。一番上も見えませんの。小学生までは2.0を記録することもあったんですけどね。マンガの読み過ぎ?テレビの見過ぎ?。
で、このところ 記事を読む時、つ…と、画面を離す事に気付いちゃいました。
コレは……。近視と老眼のダブルパンチはキツイだろうな。

更新です。毎度のことですが、設定ありきのお話なので、読んでて面倒くさいかもしれません。出来ればお付き合いください。

↓こちらから どうぞ


【More】

「光を拾って」2


寮の小牧の部屋の前、手塚はノックをしようか迷っていた。
中林という男。手塚は食堂で初めて会ったが 当然いい印象は持てない。堂上に対する言葉も気にはなったが、上官の事情を訊くのは憚られる気もする。
部屋へ戻ろうとした時、小牧が戸を開けた。
「来るかな、と思ったよ。」
戸を広げて手塚を中に招いた。

堂上を含めた3人での部屋飲みは、時々小牧の部屋でも飲むが 大抵は堂上の部屋だ。どちらも整理整頓されたさっぱりした部屋だが、小牧の方は毬江からの贈り物らしき小物が幾つか置かれ、棚の上は一角賑やかだ。
手塚は定位置に座り 持ってきた缶ビールをテーブルに置く。小牧も冷蔵庫から缶ビールを取り出し 乾き物のつまみを広げた。
「中林秀哉二正は 俺達と同じ図書大最後の卒業生、つまり同窓生なんだよ。」
プルタブを開けると同時に、手塚が訪ねてきた目的をストレートに話し始めた。


正化22年 既に閉校が決まっている図書大最後の入学者の中に中林はいた。
同級生が能力及ばす脱落していくものもいる中で、体格的にも恵まれた中林は戦闘業務では適性を発揮し、上昇思考の強さで学問や図書館業務でも常に上位だった。
長身で甘いマスク、華やかな性格は男女共に人気があり、順風満帆な学生時代を送っていた。
但しどの成績も常に3番。
上位2人には順位に逆転があるものの「小牧幹久」「堂上篤」が必ず連なる。
『第3の男』
親しい友人からは そうからかわれることもあったが、表面上笑って返していた。2人とはタイプが違うらしく、学校での接点はあまりなかった。


「とにかく中林は上昇思考が強くてね、俺達を邪魔に思ってたのは確かだよ。俺より堂上を敵視してたな。俺は堂上とは入隊後に親しくなったから詳しい経緯は知らないんだけどね。ほら、堂上はあんまりそういう事言わない質だからさ。」
小牧は小さく笑った。当時の堂上は感情に任せて動く割には不器用なところがあったと聞く。手塚は若かりし堂上に思い巡らせた。
「決定的だったのは入隊後。堂上が見計らい権限を無断で行使したことは知っているだろ?」
「はい…。」
堂上が茨城で良化隊の検閲に抵抗した女子高生を助ける為に取った行動だ。
無鉄砲な感覚派。
今の堂上からは想像出来ないが、その事実は若く未熟だった堂上を象徴する事件だ。そしてその女子高生が郁であったという事を 今の手塚は知っている。
「あの査問の間、堂上に1番辛く当たっていたのが中林だった。確か彼も研修先は同じ茨城市立図書館だったんだ。」
小牧はグイッと缶を空けた。
「え?中林二正も居合わせていたんですか?」
「いや、あれは完全なる単独行動。個人的に研修中断及び査問まっしぐら。でも中林は寮でグループ作って結構ネチネチやってたらしい。丁度その頃中林は都合で防衛部から業務部に転向したのもあってね、イライラの鉾先にもなったんだろうな。」
当時を思い出したのか 小牧は表情を曇らせた。
「査問終了後はなりを潜めてたんだけど、堂上の特殊部隊入りでも一悶着したんだよ。家庭の事情で中部図書隊に異動していったんだけど、まさか戻ってくるとはね。」
大きくため息をついた小牧が後ろに手をついて天井を仰ぐのを 手塚は黙って見ていた。


堂上は残業の為、郁は数人の女子とコンビニに来ていた。柴崎はいない。
「あれ?笠原さん。」
コンビニの雑誌コーナーにいたのは中林だった。
「きゃあ、中林さん。偶然ですね~。」
一緒に来ていた女子達は中林のファンだった。ぴょんと駆け寄りニコニコと声をかけた。
「女の子ばかりで夜のコンビニは危険だよ。」
中林は人差し指を立てて窘めるように言うと、彼女は大丈夫 と郁を仰ぎ見た。
「笠原がボティーガード役ですよ。何てったって関東図書隊唯一の女子特殊部隊員だもの。」
こうした女子グループでの立ち位置は変わらない。戦闘職種の郁を女の子扱いをするのは堂上くらいのものだ。
「え?」
中林は目をむいた。
その驚き様に郁は一瞬身じろいだほどに。
「そう。…そうだったんだ。でも女の子には違いないからね。送っていくよ。」
きゃーと黄色い声があがった。女性の扱いがすこぶる上手い中林の人気は鰻登りだ。郁以外の女性は中林を囲んで寮までの道を楽しんだ。

「あら?中林二正?」
寮の門をくぐったところで中林の姿が無いことに気がついた。郁もいない。
「どこに行ったのかしら?」
辺りを見回すが暗がりが多くわからない。

「大丈夫。何もしないよ、笠原さん。」
寮の敷地内にある樹の陰に郁を引き込んだ中林は 小声で囁いた。何もしないと言いつつ郁の口元を塞いで引き込む事態が既に違反に値する。
郁は肘を中林の脇に当てようと腰を落とした。
「待った、すまない。」
中林は慌てて郁を解放した。
「ごめんよ。こうでもしないと彼女達から離れられないと思って。大声を出さないでくれるかな。」
両手をホールドアップして努めて穏やかな笑顔を見せた。
「何のつもりですか?」
郁は訝しんだ。柴崎からは中林には関わるなと言われている。こういう事かと身構えた。
ふっと笑った中林は更に一歩後退した。
「君が噂の関東初の女性特殊部隊員だったとはね。驚いたよ、こんな可愛い子だとは思わなかった。道理で置き引き犯に怯まない訳だ。」
見事なリップサービスだな、と郁は思った。
「だからこそ忠告するよ。特殊部隊の堂上には近付かない方がいい。」
「え?」
「俺はアイツを許さない。君も関わらないようにした方がいい。気をつけろよ。」
中林は郁と堂上の関係を知らないらしい。しかし理解し難い忠告に郁は目を眇めた。
「騙されないようにね。」
そう言って中林は探している女性達の前に出て行った。
「すまない、道に迷ったようでね。」
やだあ~ と盛り上がる集団に合流する中林を、郁は信じられない面持ちで見て立ち竦んだ。
何を言ってるんだろう。どうしてそんな事を言うんだろう。たとえ何があっても堂上以上に信用出来る人物などいないのに。
郁の頭は疑問で渦をまいていた。
23:38  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(5)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2013年09月20日(金) 00:13 |  | コメント編集

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 | 2013年09月20日(金) 12:40 |  | コメント編集

はじめまして! ちょくちょくこちらのサイト様にはお邪魔させていただいていますが、こうしてコメントを投稿させていただくのは初めてです(^^)

 こちらのオリキャラ登場作品が大好きなのでいつも楽しみです。今回連載中の「光を拾って」も滅茶苦茶面白いです(≧ω≦)
 連載頑張ってください!
みずき | 2013年09月20日(金) 15:57 | URL | コメント編集

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 | 2013年09月20日(金) 18:01 |  | コメント編集

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 | 2013年09月21日(土) 11:37 |  | コメント編集

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