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2012'10.19 (Fri)

「約束の映画館」

おはようございます。英香です。
今日は10/19で堂郁の日とのことで。せっかく迎えたこのイベントに乗っからねばと、書きたいと宣言していた「映画館デート」で記念SSにチャレンジ。(意気込みだけ)
……さて、通常更新にします。糖分は素敵サイト様で一緒に補給しましょう。
恋人期 退院後の初デートです。


↓こちらから どうぞ


【More】

「約束の映画館」


堂上が復帰しても 暫くは業務後も公休も返上して事務仕事に追われていた。案の定書類はたまっていたし、復帰を待ってましたとばかりに回ってくる仕事は殺人的だった。これも見舞いだとばかりに押し付けられる書類を簡単に仕分けし、見舞い返しとして持ち主に戻すのも忘れない。いつものやり取りが復活し、漸く平常な業務が戻ってきた。
久々の館内警備では堂上と小牧でバディを組んでいた。
「そろそろ恋人同士らしくデートでもしてきたら?。復帰したからって 根を詰めてばかりじゃ身体保たないよ。それに笠原さんだって可哀想だ。」
楽しみにしてるんじゃない?。休憩に入り、自販機からコーヒーを取り出しながらにこやかに話し掛けてきた。
「まあな、次の公休辺りで映画にでも行こうかと思ってる。」
「へえー、ま、定番だね。何を観るの?。」
「派手なアクションがあるのがいいって言ってたなぁ。」
おまえらが邪魔したんだよ、とは言わない。当麻事件の幕開けの電話さえなければ2人で映画を鑑賞する予定だった。
「ハハ、笠原さんらしいや。」
毬江ちゃんと行く映画とは違うだろうなと想像出来るが、現在上映中の映画情報は 小牧の方がはるかに詳しい。ここは素直に相談することにした。

初デートに郁は緊張していた。前日コーディネートしておいた ちょっと綺麗めな私服を着て、カミツレのお茶を飲むのに待ち合わせした駅に向かった。
「お待たせしました!。」
今度は敬礼はしない。でもつい踵をつけて直立してしまう。
「おまえなぁ…。」
堂上は苦笑しながら郁の頭をポンと叩くと、郁の肩から力が抜けてふにゃりとした笑顔になった。不意討ちを食らった気分の堂上は、片手で口元を押さえて向きを変えると 反対の手で郁の手を取り、映画館へ引っ張って行った。

軽めの食事をとって館内に入る。小牧情報によれば人気アクション映画のリメイク版だ。実力俳優がこぞって配役されて話題になって評判もいい。「上映開始からある程度たったし、観客の入りも落ち着いた頃だからデートに丁度いいんじゃない?。」と助言を貰った。なるほど席にも適当な余裕があり、鑑賞しやすい席が確保出来た。
定番のポップコーンと飲み物をセットし 席に落ち着くと、館内の電気が消え暗くなる。映画館らしい大音量で予告編が始まった。非日常な空間に ドキドキする。郁は隣から感じる体温が近い気がして 更に心拍数を上げていた。
予告編には見知った顔。香坂大地が大画面で走っていた。満身創痍で恋人を守り抜きながら、ダークな部分もある難しい役らしい。
「あ、これ 原作読みました。カッコいいんですよね!最後は泣けちゃうんですよ。」
勿論キャラ読みですけど と堂上に身を寄せて囁いた。
「あぁ、香坂大地とこの監督は相性いいよな。次はこれを観にくるか。」
堂上が郁の耳に唇を寄せて応えた。すると耳を掠める吐息に郁の肩が跳ねる。反射で堂上が離れてから、郁の顔をじっと覗き込んだ。
びっくりした。耳に残るしっとりと低い男の声に 顔を真っ赤にして目を瞑った。(聞き慣れた教官の声が違って聞こえるなんて!。)
堂上は意地悪くニヤリと笑った。
「郁、もしかしてさ…。」
わざと低い声で、さっきより唇の感触が分かる様に近くで囁くと、郁の背筋に何かが走るのを感じた。ふっと息を吹き掛ける。
「ひゃうっっ…!」
堂上は慌てて郁の口を塞いでまわりに視線を流した。
「…いいか、離すぞ?。」郁が頷くのを待って手を離す。郁は口をパクパクさせるが声にならない。
「ふーん、弱いんだな。」クッと笑うと郁の顔を無理やり前に向ける。
「始まるぞ。」
何なんですか――。声にならない悲鳴をあげて、郁は全身を真っ赤に染め上げた。

当然映画の内容は追えなかった。
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