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2013'10.09 (Wed)

「未来を描く」(リク25)

頭痛から復活した英香です。
残念ながら日にちを跨いで書いてます。
体の不調は真っ先に頭痛にくるタイプです。春先の季節の変わり目は厳しいですね。母親もそうだったので、もうこれは一生付き合う事になるんでしょうね。対処療法に薬は貰ってますが、つい我慢してしまいます。痛くなり始めると薬も効きにくいので毎度無駄にしてるような。早めの対処が出来ない学習しない母ちゃんです。
でも復活すればケロッとして絶好調に草刈りに勤しんだ1日でした。

更新です。リク祭り(長い)に舞い戻りです。
リクエスト内容は最後に。恋人期で、昇任試験前の1コマ?です。
↓こちらから どうぞ

【More】

「未来を描く」(リク25)


秋晴れの休日。
世間と同じ休日に公休が重なるとは珍しい。
堂上と郁は気持ちの良い風を受けながら公園を散歩していた。
ジョギングを楽しむ人、犬の散歩をする人、のんびりとした午前のひと時を眺めながら歩く。今日1日は計画を立てずに時間を過ごす、そんな始まりだった。
散策していると遠くで賑やかな音楽と声が聞こえてきた。時折 パン と乾いたピストルの音。
この公園には隣接地に総合運動場がある。フェンス越しに多くの人が集まっているのが見えた。
「運動会、ですかね?」
「ああ、時期だな。」
郁の足は自然と向いた。クルリと堂上を振り向いた目は輝いている。
見に行っていい?
言葉にせずとも期待で大きく振る尻尾が見えるようで、フッと笑って堂上も郁の手を取って運動場に歩きだした。

『地区スポレク祭』
近隣住民主催のスポーツの祭典らしい。立ち並ぶテントの下は多くの親子連れ、各町内別に別れて競う形式だ。周りにはフリマや屋台が並び、立派なイベントとなっている。
「わー、やってるやってる。」
グラウンドでは借り物競争が繰り広げられていた。
「青いタオル持ってる人~。」
「74才のおじいさんいますか~。」
それぞれのテントに向かって叫ぶ走者に応える参加者。
家族サービスの若いお父さんや、ストレス解消にと張り切るおじさんの、皆仕事の時には見せない表情に子供達も大喜びだ。
「楽しそう~。」
郁の事だ、子供の頃から運動会では一等賞を取っていたのだろう。その光景は容易に想像出来る。もっとも母親の讃辞があったかは別だろうが。

「よう、堂上じゃないか。」
ポンと後ろから肩を叩いたのは見知った顔。防衛部の同期 松本だ。
「なんだ、色気のないデートコースだな。」
気付いた郁がぺこりと頭を下げるのをニヤリと笑いながら合図する。
堂上と同期ではあるが 早くに結婚し、官舎ではなく自宅を建て 通勤している。息子が幼稚園に入ったとかで破顔するマイホームパパだ。
「運動会日和で気持ち良いですね。張り切らなきゃですね。」
「ああ、普段子供を構ってやれないからな。今日はパパのカッコいいところを見せたいもんだよ。」
足元に纏わりついている息子の頭をクシャクシャっと混ぜた。
息子はというと じっとテントの方を見ている。
郁がその視線を追えば、テントの下で人集りが出来ていた。覗くと、男性が腰に手を当てうずくまっている。
「どうしたんですか?」
郁が声を掛けると奥さんらしき女性が答えた。
「ギックリ腰みたいなんですよ。」
イテテテと唸るご主人の腰にアイスパックを当てた。傍らでは女の子がポロポロと涙を零していた。
「何クソ──ぐおぉっ。」
娘が楽しみにしていたのだろう、何とか動こうとして顔を歪める。
「無理しないで」「棄権すればいいよ」
周りから労りの声が掛かる。
「種目は何ですか?」
松本が近くの参加者に訊けば、次の二人三脚だという。親子競技なので急な代理がたたないらしい。
「よし、堂上と笠原で行って来いよ。」
「「え?」」
松本の提案に堂上と郁は顔を見合わせた。
「パパとママの代わりに このお兄ちゃんとお姉ちゃんに走って貰っていいかい?」
松本は泣いている女の子を抱き上げて 郁達の前に立った。女の子はじっと2人を見つめると コクンと頷く。
「それは助かる。お祭りなんだから飛び入り大歓迎だよ。」
テントの中は賑やかになった。
「よーし、お姉ちゃん張り切っちゃうぞ。」
女の子の頭を撫でながら満面な笑みを向けると、女の子も涙を引っ込めて笑みを見せた。
「おい。」
堂上が困惑気味に口を挟む。
「いいじゃないですか。サクッと走ってきちゃいましょうよ。」
既に集合がかかっているとかで、案内された。

「教官、どっちの足でもいいですか?」
郁が堂上の左足と自分の右足を結ぶ。
「いいか、郁。本気で走るなよ。引きずられてゴールなんて洒落にならんからな。」
「やだな、教官。お祭りですよ。楽しまなきゃ。」
「だからその楽しむという意味を──」
乾いたピストルの音がして 先頭の組がスタートした。
各組ごとに声を掛け合いながら足を繰り出す。足を取られ立ち止まる組、テンポ良く進む組 それぞれだ。途中低いハードルやコーンといった簡単な障害物があるが、これがなかなか難しいようで苦戦している。
のんびり眺めながら順番を待っていると、隣の男から声が掛かった。
「お宅の奥さん背が高いね。ご主人コンパス間に合うの?」
若い夫婦であろう、ひょろりとした男が上から見下ろして鼻で笑う。
堂上はムッとしたが、こうして郁と密着すると その5センチの差が浮き彫りになるのは承知している。気にならない と言えば嘘になるが、構わない とでも言おうか。そんなことより共にいる必要性の方が大切だ。
郁の眉根も寄る。
「…教官、次ですよ。」
スタートラインに立った。
ゴールではそれぞれの子供が待っている。親子競技は配点が高い。

パーン
ピストルの音で4組が一斉にスタートだ。
打ち合わせた通り縛ってある足から踏み出した。
堂上は足元を見ながら号令を掛ける。が、徐々にスピードが増してくる。
「おい、郁?」
チラッと郁の横顔を見やれば、郁は真っ直ぐ先を見据えている。──この顔は。
「教官、胸を張って!」
「わ、ばか!」
郁の右手が堂上の肩にくい込むほど力が入ると グンとスピードが上がった。堂上は号令を掛けるどころではなく、郁に合わせて足を上げる。足元のハードルを飛び越し、コーンをSの字に避ける。
その一糸乱れぬ走りに会場は大いに盛り上がる。そして2位以下を大きく離して一気にゴールし、郁が女の子を抱き上げた。
「アホか!全力で走るヤツがあるか!」
「でもバッチリでした。流石です。」
肩で息をしている堂上に 郁はVサインを送った。
「当たり前だ。必死だぞ。」
郁の腕の女の子の嬉しそうな笑顔に それ以上の文句は言えない。堂上もつられて苦笑する。
遅れてゴールした若夫婦も子供を抱き上げ破顔した。
「すげーな。完敗です。」
先ほどは失礼しましたと 頭を掻いて一礼した。
郁はにっこり笑った。

紐を解き、郁は女の子を両親の元に送りに行く。テントでは盛大な拍手がわいた。
「お疲れ。面白いもん 見させて貰ったよ。」
見るか?と松本が堂上に近寄りスマホの画像を見せた。
写っているのは肩を組んで走る堂上と郁。肘も膝も直角に 飛ぶように走っている様子は、まるで漫画のようだ。
画像をスライドしていくと ゴール後子供を抱き上げた場面。女の子を挟んで仲睦まじい画像に 堂上はつい赤面した。
「お前等も所帯を持てばこんなイベント参加がいくらでもあるだろうよ。そろそろ考えてるんだろ?」
ニヤリとする松本に一瞥して郁の姿を視線で追う。
「──まあな。」
近く昇任試験が始まる。郁が三正になった暁には。
郁の頭上 もっと高く見上げれば、秋の青空が広がっている。雲1つない秋晴れに描く未来に思いを馳せた。


=================


リクエストは まりもさんより
「郁ちゃん(または堂上教官もしくは両方)が子供といっしょにゴールテープを切って欲しいです。! ふつうに未来設定でもいいですし、なにかイベントを作ってもらってもよいです。シチュエーションなどはお任せします。 もともとは、先日あった運動会の親子レースでみたゴールシーンが印象に残ってて、それが肘も膝も直角というまるでマンガのような絵面だったのです。それを堂郁でみてみたかったりします。」
でした。
お子ちゃまはまだ男女のイメージがつかないのでお借りしちゃいました。あ、子供と一緒に走っていませんでした(^^ゞ。
この後1ヶ月の冷戦期間が来ちゃうわけですが、その前に堂上さんはプロポーズとかタイミング考えてたんだろうな、と思います。疑似親子シーンがあれば、堂上先走って想像してたかも。
てなところからこの時期で書かせてもらいました。
まりもさん、リクエストありがとうございました(≧∀≦)。
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 | 2013年10月09日(水) 00:47 |  | コメント編集

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 | 2013年10月09日(水) 08:23 |  | コメント編集

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 | 2013年10月09日(水) 16:32 |  | コメント編集

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