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2013'10.15 (Tue)

「待っていて」前編(リク27)

こんばんは。英香です。
明日は関東に台風直撃とかで、小中学校は休校だそうです。といいつつ、北関東はいつもスルーで影響少ないパターンが多いのですが、今回はどうなるのでしょう。
更新です。リク内容は──題名でバレバレですね。前後編の予定です。革命終盤。隙間を埋める形でしょうか。
vol.81「待つ」 の郁ver.です。

↓こちらから どうぞ

【More】

「待っていて」前編(リク27)
       待つ 郁Ver.


教官との距離 2時間半
新幹線で大阪から東京まで、我慢できないほど長い。
会いたい。無事をこの目で確認したい。会いたい。ただ会いたい……。


新幹線を降り武蔵境へ。駅からタクシーで図書基地に戻った。
その足で隊長室へ。
「笠原士長、作戦終了して只今戻りました!」
白い綿カッターに黒いカーディガン、そしてラフなジーンズが郁の今回の戦闘服だ。
「よし。よくやった。すまんな、迎えにやれんで。生憎出払っていたんでな。」
基地内はバタバタしている。
「いえ、いいんです。あの、着替えて──」
郁は更衣室に向かおうとした。流石にラフ過ぎる。ロッカーには予備の服が入っているはずだ。
「…そのままでいい。まずは司令のところへ報告、その他書類が待っておる。帰って早々に悪いが、取りかかってくれ。」
玄田は郁をざっと見ると 満足そうに頷いた。
「?了解しました。」
堂上の元へ飛んでいきたかったが、どうもそんなことを言っていられないようだ。郁は玄田と司令室で報告を行い、早速書類に取りかかった。

特殊部隊事務室の人の出入りは激しい。
郁が机に向かったところで慌ただしく扉が開いた。
「笠原!」
肩で息する柴崎が入ってきた。
「──っ!」
何も言わずに飛び付いてきた柴崎を 郁は椅子に座ったまま受け止めた。
「よく無事で。やったわね。」
珍しく湿った声が肩越しに聞こえてきた。
「…うん。」
そう、帰って来たんだ。郁もじわじわと実感する。
遅れて入って来たのは小牧と手塚だ。
「笠原さん、お帰り。当麻先生の英国総領事館駆け込み達成おめでとう。」
にっこり笑みを浮かべる小牧に郁は細かく首を振る。
「いえ、図書隊全体で動いた結果です。こちらこそフォローありがとうございました。」
鼻がツンとする。
「堂上は無事だよ。今は集中治療室に入っているけど命に別状はないって。意識も一旦戻ってる。直ぐに連れて行ってあげたいところだけど…」
「それだけ聞ければ安心です。」
郁は力強く頷いた。会いたくて会いたくて仕方ないけれど、きっと最後までやり遂げろと堂上なら言うであろう。
そんな郁を小牧は暖かい目で見る。
「笠原、おまえ──」
手塚が1歩出て郁に手を伸ばそうとしたのを小牧は手塚の足を踏んで制した。
「じゃあ そのまま片しちゃおうか。疲れてるだろうから手分けしよう。」
「はい。」

「お、帰ったか。ご苦労さん。」
進藤が帰還した。
「…よく頑張ったな。」
どやどやと他隊員も郁の周りに集まる。
「よしよし、偉かったな。」
「…お、そうかそうか。」
「うん、そろそろかな。」
「ああ、近々だろ。」
バンバン手荒い歓迎を受ける中に 微妙なセリフが入る。
「??」
怒涛の如く回ってくる書類に埋もれて 漸く1日が終わった。


「あー 疲れたー!」
寮に帰った郁はベッドに突っ伏した。
「激動の1日だったわね。」
柴崎が熱いお茶を淹れテーブルに置く。
「御守りの効果は絶大だったみたいね。」
「御守り?……あっ!!」
郁はガバッと起き上がり襟に手をやった。
襟に着けてあるのは二正の階級章。堂上のカミツレだ。

あたしずっと皆に晒してたんだ。何かあったと言わんばかりに。

「どんな経緯を経たか興味あるわね。」
柴崎のにやけた顔は進藤ら特殊部隊の面々と同じ。
真っ赤になると同時に思い出した事もある。

そうだ。あたし何てこと──。

新宿書店のバックヤードでの暴挙は有り得ないだろが。
蘇る唇の感触に身悶える。
そして帰って来たら──。

会えない。
会いたくても 会えない。
でも会いたくてたまらない。
どうしよう!?

「ちょっと笠原、どうしたのよ。」
赤くなったり青くなったり。目まぐるしく表情を変える郁に 柴崎は怪訝な顔をする。
ベッドに潜り込んだ郁は暫く動けなかった。


雑事は終わらない。
慌ただしく動いているうちはいい。余計な事を考えずに済むから。
「堂上は集中治療室から出たみたいだな。」
「被弾だからな、個室だぞ。」
進藤や斎藤らから情報が入る度に郁の動きが止まる。日に日に堂上の眉間の皺が深くなるように、日に日に郁の挙動不審があからさまになる。
そんな郁を横目に隊員達は小牧に探りを入れた。
「笠原はまだ堂上の見舞いに行かないのか?」
「ちゃっちゃと会いに行くかと思ったのに。」
こそこそと囁く言葉に小牧はクスクス笑う。
「堂上も待ちくたびれて機嫌最悪なんですがね。明日の公休が山場ですよ。」
「よし手塚。明日は休日出勤しろよ。」
進藤の提言に手塚は怪訝な顔をする。
「いえ、明日は堂上二正のお見舞いに──。」
「空気読めよ 空気。」
そんなやり取りが繰り広げられているとは知らず、郁は書類をぶちまけ ゴミ箱を引っ掛ける。
郁を見守る特殊部隊隊員からため息混じりの苦笑がこぼれた。

明日は堂上のいない堂上班の公休日。郁の長い1日が始まる。
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 | 2013年10月16日(水) 00:32 |  | コメント編集

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 | 2013年10月16日(水) 08:29 |  | コメント編集

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 | 2013年10月16日(水) 09:27 |  | コメント編集

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 | 2013年10月16日(水) 19:47 |  | コメント編集

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 | 2013年10月17日(木) 11:40 |  | コメント編集

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