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2013'10.18 (Fri)

「待っていて」後編(リク27)

早々と寝落ちしていた英香です。
びっくりした。お米研いでおかなきゃ弁当がっ。
ちびが鼻をズルズルし始めました。やだなあ、鼻風邪は長引くのよね。詰まってる音って聞いてる方も苦しくなります。
更新です。続きです。リク内容は最後に。
そしてちらっと過去作品にリンクしてます。よろしければご一読を。読まなくても全然大丈夫です。


「ある飲み会」 贈り物なんですが…。後編読後推奨。
「待つ」堂上ver.です。

↓こちらから どうぞ


【More】

「待っていて」後編(リク27)
待つ 郁ver.


帰ってきたら無理矢理休みを入れて飛んでいくつもりだった。
我慢できないほど会いたかったのに。

「これ、使ってもいいわよ。」
柴崎が出していったコスメボックス。
久しぶりに会うんだし ちょっとでもおしゃれしたい。
カミツレのお茶を飲みに行く時とはまた違う胸の高鳴り。でも鏡の中には不安気な顔をした自分。唇に色をのせると あの時強引にぶつけた感触が蘇る。
「~~~~~!!」
重症を負った堂上は 拒否や抵抗が出来るはずもなく、一方的な実力行使。
しかも 帰ったら好きって言う、なんて 誤魔化しようのない宣言の収拾に頭を抱える。
でも いい加減、借りた階級章も財布も返さねばならない。
士長では着けることの出来ないカミツレ2つ。
堂上と別れてもずっと存在を感じられていた。お前なら大丈夫だとずっと堂上に励まされてるようだった。一人でやれたのは堂上のおかげ。泣かずにいられたのも堂上のおかげ。
階級章と財布を鞄に入れて 郁は立ち上がった。


中央線で20分ほど電車に揺られて新宿に出る。世話になった書店は駅にほど近い。
駅構内で菓子折りを買って 店内に入ると、店長を呼んでもらった。
奥から出てきた店長は郁を見ると目を見開き、パッと笑顔になった。
持ってきた菓子折りを手渡しながら深々と頭を下げてお礼を言うと、店長は手を差し伸べてきた。
「こちらこそ当麻先生のお手伝いができて光栄でした。連日のパス報道も大分落ち着いてきましたが、私たちも本を守りたい気持ちは変わりませんからね。」
心強い言葉をもらって握手した。
「当麻先生も無事東京に帰られたようですしね。先日お電話を下さいました。」
「お元気そうでしたか?あたし、大阪で別行動になってからお会いしてないんです。」
「ええ、お元気そうでしたよ。取材攻勢でお忙しそうですけどね。ところで、あなたの恋人の具合は如何ですか?」
「へ?」
恋人?。郁は固まった。
「ご立派な恋人ですね。あんな重症なのに、あなたと当麻先生を守るために1人を貫くなんて。少しでも良化特務機関の追手に足取りを残さないよう必死だったんですね。あなたも職務を全うすることを優先して恋人を残して行くのはお辛かったでしょう。私たちは図書隊の覚悟を見ました。」
「え…あの…。」
郁は真っ赤になって俯く。
「映画の1シーンのようでした。店の者もあれからもちきりでしてね。」
ああ、衆人環視の中で繰り広げればそうなるよね、と身を縮める。晒された堂上が気の毒である。申し訳ない。
「いえ、その、まだ…これから…。」
何も正直にいわなくてもいいのに、つい適当にあしらえなくて口篭る。
「え?まだ再会されてなかったんですか?」
店長の言葉に郁は背中に汗をかく。これ以上にないほど赤くなった顔は、情けないほど正直だ。
「はは、じゃあ今日が決戦だ。」
帰ったら好きって言いますから。
その宣言は堂上だけにでなく その場にいた者すべてが証人。
あれほどの事件の渦中にいて 大きな仕事を遣り遂げたとは思えないほど、ごく普通の可愛らしいお嬢さんだ──店長は目の前であたふたしている郁にエールを送った。

郁は書店を出て 教えられた病院に向かう。
気が重い。
くるりと踵をかえして、混雑する地下街へ。ここを負傷した堂上を抱えて歩いた。
そして都営地下鉄新宿三丁目の駅へ着くと改札口の横に暫く佇む。
イギリス大使館から良化特務機関の追跡は執拗だった。目を閉じれば雨の中身体を捻って倒れていく堂上の姿が。
図書隊として優先されるのは当麻の護衛。
お前ならやれる、と信じてくれた堂上の無事を 郁は信じるしかなかった。

今の優先順位は?

やっぱり会いたい。
好きで好きで、大好きで。
元々気持ちを伝えたいと思ってたじゃないの。ちょっとだけ期待した事もあったじゃない。
地下街を出てケーキ屋へ。わりと名の通った店のチーズケーキを選んだ。
一緒にカミツレのお茶を飲んだ時の 優しい笑顔が脳裏に浮かぶ。

少し迷ったが病院にはすぐに着いた。
──玄関前で躊躇する。
日に日に機嫌が悪くなってるって柴崎が言っていた。
あんな事されて嫌だったんだろうか。
──受け付け前で躊躇する。
好きってもう言っちゃてるし 迷惑じゃないだろうか。
──エレベーター前でも躊躇した。
1週間報告もせずにいて今更だろうか。

病室前に立ち プレートを確認する。
堂上篤。
プレートを一撫でした。
ドアの向こうには 会いたくて会い辛い 大切な人がいる。目を閉じる。
必要なのは勇気?
勇気はいつだって堂上がくれていた。

大きく深呼吸して 意を決してドアをノックした。


「今頃 笠原は堂上んとこに行ってるんかなあ。」
特殊部隊事務室で 進藤は椅子のキャスターを鳴らして移動する。
「ほい、コレも頼む。」
「どれだけ溜め込んでるんですか。」
結局休日出勤をさせられた手塚がため息をつく。
「堂上がいないんだから 部下に回すのが通りだろ。」
「どんな通りですかっ。」
本日何度目かのため息を零す。
「しかし進藤一正の一人勝ちかあ~。」
斎藤がボールペンで頭を掻く。
「笠原のヤツ とっとと見舞いに行くかと思ったんだがな。」
「俺なんか帰った当日に賭けてたのにな。」
「コレで決めなきゃ堂上のヘタレ決定だな。」
手塚の周りで賑やかに談笑している。
「……堂上二正は本当に──」
ポツリと零す手塚の背中を進藤が叩く。
「いい加減認めろ。今日は飲みに連れてってやるから。」

郁に託されたカミツレの階級章。共に寄り添う姿が見えるようだった。

「明日の笠原が見物だな。」
特殊部隊のバカップル誕生を祝う計画が立ち上げられた。


============


リクエストは ぱおうさんより

「「待つ」の郁ちゃんver.読みたいです^^
原作で堂上教官の元へ行く途中、書店に挨拶行ってますよね。 (中略)
どんな思いの丈だったんでしょうか。
想像しただけできゅーんってなります。
郁ちゃんの吐きそうな(笑)ドキドキ感、読んでみたいです。」

でした。
逃走ルートを辿るには、地図によると 基地から新宿書店の逆位置みたいなので、最後に降りた駅までにしておきました。土地勘のない英香です(-人-;)。
郁ちゃんのドキドキ感より進藤さんのワクワク感の方が大きくなってる気がしなくもないのですが…。
ぱおうさん、素敵なリクエストありがとうございました\(^o^)/。



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 | 2013年10月18日(金) 04:29 |  | コメント編集

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 | 2013年10月18日(金) 13:22 |  | コメント編集

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 | 2013年10月18日(金) 21:10 |  | コメント編集

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 | 2013年10月18日(金) 21:38 |  | コメント編集

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 | 2013年10月18日(金) 22:38 |  | コメント編集

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