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2013'10.29 (Tue)

「誓いの道は」5(リク8)

お久しぶりな日常です。
普段旅行の時は犬を義弟の家に預けるのですが、今回一緒に行ったのでペットホテルに預けました。購入したショップなのですが、数年ぶりの宿泊です。躾のなっていない大型犬ですので、さぞかし台風のようだったろうなと思います。店員さんの苦笑いが物語っていました。

何と10日振り!。リクエストも残り3つなんですが、出来ればこの話を進めておいた方がスンナリ書けそうな題材もあったりで、先ずは不定期連載を。内容的に前後編ですが、そのままナンバーにしておきます。次回はこちらの続きになるか別のリクエスト話かは…気分です。
更新です。婚約から結婚まで。平穏無事が信条です。

↓こちらから どうぞ。



【More】

「誓いの道は 」5(リク8)


12月はイベントも多く、年末にかけてデスクワークも山積みだ。郁の両親に挨拶するために茨城に向かうのは年明けになる予定だった。
それを聞いた隊の皆が こぞって早く行けと言う。
「向こうの親の気が変わらない内に行った方がいいだろが。」
「さっさと話を進めるには 挨拶を早く済ませなきゃ。」
「笠原が迷う前に首根っこ押さえるべきだ。」
婚約を知った連中が何かと口を出す。
早く話を進めたいのは山々だが、相手の都合も仕事の都合もある。
「ほら、コレでどうだ。」
斎藤が堂上の机の上に広げたのは 変更されたシフト表。どうやら都合をつけて優遇してくれたらしい。
「しかし…」
躊躇を見せる堂上に緒形からも声がかかった。
「それに有給を噛ませろ。公休翌日は堂上班は事務仕事だ。気になるなら前倒しでやっておけ。隊長からも許可を得ているから有給消化は寧ろ隊長命令でもあるな。下手な遠慮は良くないぞ。」
この時期は休日出勤が通常だ。そこに2連休を前提にするのは 郁の母親の説得に時間を要する可能性も鑑みてだろう。何せ隊長は茨城県展で 母親の剣幕を目の当たりにしているのだから。
隊全体で後押ししてくれている。
「──有難うございます。」
堂上は深く頭を下げた。
郁から父親に連絡をとって訪問の了承を得る。
画して遠慮なくまとまった休みを取る為に、堂上は連日残業をこなしたのだった。


普段のデートならば駅で待ち合わせだ。しかし今日は一緒に寮を出ることにした。
堂上はスーツ姿でロビーのソファーに腰を下ろし 郁を待った。
「抗争前の心境かな?」
小牧はソファーの後ろに立っている。
「大規模戦だよ。」
堂上が仰ぎ見て苦笑した。
そこに女子寮から郁が顔を出した。
「あの、お待たせしました。」
出勤を自主的に遅らせた柴崎と現れた 郁の姿にドキリとする。オフホワイトのフレアスーツはいつか見た装い。ナチュラルメイクの郁はどこから見ても清楚な女性だ。
「笠原のお母さん好みに仕上げてみました。喧嘩っ早いガサツな女の子には見えないでしょう?」
綺麗にウインクをきめる柴崎は自慢げだ。
「実家に帰るのにこんな格好必要なの?」
ヘアメイクまでされた郁が落ち着きなく尋ねる。
「印象が違うよ。とてもお似合いの2人だから、きっと見違えるように綺麗になった姿に喜ばれるんじゃないかな。」
ガサツな女と卑下する郁だが、堂上と付き合うようになってすっかり女らしくなった。本人だけが気づいていないのがご愛嬌だ。
「ん、行くか。」
堂上の柔らかな笑みにホッとして 郁は続いて寮を出て行った。

「戦場に送り出す母親の気分です。」
柴崎は緊張の面持ちで手を振る郁に同じように手を振って返した。
「はは、出撃先も母親だけどね。」
小牧と柴崎は2人の背中を見送った。きっと理解してもらえると信じて。


電車を乗り継いで2時間と少し。目的地に近付くにつれて郁の口が重くなり、表情が固くなる。
「緊張してるのはコッチなんだがな。」
堂上は郁の膝をポンと叩いて苦笑する。
「あ、は はい。そう ですよね…。」
2人並んで座席に座っているが、郁の顔色は明らかに青ざめている。そして膝の上では拳が握られている。
堂上はその手を上から柔らかく包み込むように握ると 指をトントンと弾ませた。
「まあ なんだ。当たって砕けろってところだな。勿論砕ける訳にはいかないから とことん分かって貰えるよう伝えよう。郁を幸せにするってな。」
「篤さん…。」
「下手な提案しか出来なかったが、改めて申し込むよ。」
堂上は郁の耳元に唇を寄せた。
「笠原郁さん、俺と結婚して共に人生を歩んで下さい。そして──」
郁にだけ聞こえるように囁くと握った手に力をこめる。
郁は一粒涙を零すと 大きく頷いて堂上の肩に寄りかかった。
「宜しくお願いします。」
この人についていく。郁は電車がホームに滑り込むまで そのまま目を閉じていた。


水戸の駅は平日といえども 多くの人が行き交う。郁はひんやりした空気を吸い込み 一歩進めた。
「おい、手足が同時に動いてるぞ。」
郁の右手と右足が同時に出る。
「あわわ、だってぇ。」
堂上は郁に大きく深呼吸させると手を引いて歩き出した。
「ど、どこ行くんですか?。タクシー乗り場はコッチ…」
「時間が早い。昼食を済ませてお伺いすると伝えてあるんだ。昼飯たべるぞ。」
「とても喉を通りませんよ。」
「いいから。」
郁の実家は水戸市の端っこだ。市街にある高校まではバスで通っていた。放課後は友達と街のクレープ屋や雑貨屋を中心に歩いた。
堂上に手を引かれながら辺りを見回す。もう何年も歩いていない様変わりした道だが懐かしい風景だ。
「あ、コンビニ出来てる。」
たしか酒屋さんだったっけ。大通りを1本入る。この道は。
「ここ…」
堂上が立ち止まったのは 大きくはないが地元密着の中堅書店。
「よく覚えてましたね。」
「散々書類に書いたからな。」
9年前 ここで出会った。
時間にしてものの10数分だったろうか。接したのは僅かな時間。お互い強烈な印象だけ残し お互い名乗らず別れた舞台だ。
あれからずっと追いかけてきた背中が今ここにある。郁は握られている手をキュッと握り返した。
自分達の原点はここに変わらずある。心の中にも色褪せることなく息づいている。
「コレも言ってなかったな。追いかけてきてくれて 有難う。」
微笑み合えば 郁の肩から力が抜けた。
「あの時助けてくれて有難うございます。追いかけて来れたのは揺るがない教官がいてくれたからです。」
ああ、コイツには敵わない。
堂上は郁を引き寄せる。

「あれ?笠原?」
後ろから声を掛けられ固まった。そうだ、ここは通りっぱただ。
声を掛けてきたのは軽くウエーブのかかった茶色い髪を揺らした女性。
「舞!?」
郁は見知った顔に破顔した。
高校時代 共に陸上に打ち込んでいた親友との再会だった。

===============

原作確認しながら、地図を確認しながらです。フィクションの世界ですが、郁ちゃん一高出身と言ってる?。トップ高じゃん?!。部活推薦といえども大変な設定が頭に浮かびました。郁ちゃんすげー(笑)。と受験が身近な母は感心しております。
11:48  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2013年10月29日(火) 16:54 |  | コメント編集

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 | 2013年10月30日(水) 06:38 |  | コメント編集

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 | 2013年10月30日(水) 07:03 |  | コメント編集

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