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2012'10.29 (Mon)

「報告」

パソコンと格闘している英香です。
分からん。
とりあえず更新です。またまた堂上さん入院中。カップル成立直後の堂上さんと小牧さんです。


↓こちらから どうぞ


【More】

「報告」


課業後、小牧は堂上の着替えと書類を持って病室を訪れた。当麻事件のバタバタした処理は漸く一段落してきたところだ。
ノックをしてドアを開けると、堂上は読んでいた本から顔を上げて小牧を迎えた。
「あぁ、いつもスマンな。」
小牧は慣れた手つきで着替えを棚に仕舞い、洗濯物の入った袋を取り出した。
「どういたしまして。じゃあ この書類、判押すだけにしてあるからさ 目を通してくれる?。」
ファイルケースを堂上に渡すと ベッドサイドの椅子に座った。枚数はさほど無い。堂上はサイドボードから判子を取り出してから
書類に向き合った。
その様子を小牧は頬杖ついて眺めていた。
「………。」
「…なんだ?。」
小牧の視線を感じてチラリと見た。書類に戻り、判を押してページを繰る。
「昨日、俺達公休だったんだよね。」
小牧は足を組み換えた。
「…知ってる。」
もう1つ判を押す。
「久しぶりに毬江ちゃんと会って来れたよ。」
「おお、良かったな。毬江ちゃんも心配してただろうからな。」
最後の判を押すと 書類をトントンと揃えた。
「彼女に会うと 疲れも吹っ飛ぶね。」
「惚気か?。珍しいな。」
ファイルケースを整えて 小牧に渡す。堂上は微妙に視線を逸らしている。
「何か ご報告は?。」
ケースを受け取ってにっこり笑う小牧を 堂上は横目で見やり、ボリボリと頭を掻く。
「今日の笠原さんがさ、愉快だったよ。」
ああ、そうだろうな、と思った。基本アイツは駄々漏れだ。どんなに取り繕ってもバレバレだろう。しかも昨日の今日だ。
「顔が緩んじゃってさ。事務室じゃ百面相。午後は訓練だったんだけど 転んで擦り剥いてもニコニコしてるんだよ。」
いや、気を引き締めてて 動きは良かったよ、と補足する。
「走りも軽くてね、羽根が生えてるみたいだった。」
ククッと笑う。
「可愛いね。分かりやすくて。―――おまえもね。」
堂上の首から上は真っ赤だ。「うるさい、放っとけ。」と悪態をつきながら判子を乱暴に仕舞った。勿論 照れからくる反応だと、長い友人付き合いで分かっている。漸く訪れた友人の幸せを祝福するが この反応の仕方が微笑ましい。仏頂面が可愛くみえるんだから相当だろう。
「長かったよね。無駄な蓋してるから面倒くさいんだよ。」
「知った口利きやがって。」
不貞腐れたように言う堂上の肩に手を乗せると小牧は立ち上がった。
「転院したらさ、笠原さんに書類を届けて貰うよ。功労者への俺からのプレゼント。」
「いらん、わざわざ用事作らんでもアイツは来る!。」
堂上の言葉に小牧はヒューと口笛を吹いた。県展以降、堂上の気持ちの変化は明らかだった。当麻事件でお預け食らった2人を知ってるからこそ この結果は当事者の様に嬉しかった。
「おめでとう。」
堂上の目を見て言えば
「ありがとう。」
と 堂上は背筋を伸ばして返してきた。
じゃあ と洗濯物を手に病室を出ようとドアを開け、クルリと振り向いて一言添える。
「名実共に王子様だね。」
閉じたドアに枕が当たった音が響いた。




自分からなかなか報告出来ない 我が家の堂上さんでした。
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