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2014'03.10 (Mon)

頂き物「笑顔の思い出」

風が強いってのは日常な土地柄ですが、まあ 相変わらずの強さに 外出先で体ごと持っていかれそうになりました。
用があって街に出ました。まだこんなに寒いのに、お嬢さん達は短いスカートやらショートパンツ。それはもう、太いの←から細いのまで。
そしたら、前からカップルが。ショートパンツからのびる えらく綺麗な脚に見入ってしまいました。長くて見事なライン。細けりゃいいとは思わないので、適度な柔らかみのある流線形に思わず見入ってしまいました。身長差あるのに彼氏より長くて。いや 彼氏もそこそこなんだけど、こんな彼女連れてたら鼻高々なんだろうな。
隣に堂上さん立たせたら 露出にいい顔しないかしら(^_^;)。

更新は頂き物です。先日のひな祭りに頂いた LOVE LIFEのチョコくまさんから、お話の続きを頂いてきました(#^_^#)。堂上さんの可愛さに小牧さんが楽しそうで羨ましい。既にお読みな方も 再度楽しんで下さい( ´艸`)。

↓こちらから どうぞ


【More】

頂き物「笑顔の思い出」

雛祭りイベントのその後のお話ですので、上官部下期間になります。


雛祭りイベントが終わった数日後、柴崎が返却された本を棚に戻す作業をしていた。そこへポケットアルバムを持った女の子が笑顔で駆け寄ってきた。お話会や図書館の子供向け催しによく来る女の子だった。
「麻子お姉ちゃん、こんにちは」
「こんにちは、美月ちゃん」
「これね、この前のお雛様のお写真なの。パパがいっぱいお写真撮ってくれたから、図書館のみんなにどうぞって」
そういうと、アルバムを1冊柴崎に渡した。
「あら、良いの?」
女の子に視線を合わせるためにしゃがんで話していると、頭上から声がした。
「柴崎さん、こんにちは。いつも楽しい企画を考えて下さってありがとうございます。家族で楽しむ事ができました」
美月の母親が嬉しそうに言う。
「みなさんが楽しんで下さってるのなら、良かったです」
柴崎も笑顔でそう返す。
「とっても楽しかった!!お雛様になれたのも嬉しかったよ。それから、郁ちゃん達のお雛様、すっごく綺麗だった!!」
美月が小声でそう言った。その表情は嬉しそうにニコニコ笑っていた。
「あら、それは郁ちゃんに言ってあげてね。教官と一緒の時ならもっと喜ぶかも」
柴崎がニッコリ笑ってそう言うと、美月が嬉しそうに頷いた。
「今日、郁ちゃんいるの?」
「もうすぐ教官と一緒に来ると思うから、待ってる?」
「うん!!」
美月の母が話の切れ目に声をかけてきた。
「柴崎さん、これ、みなさんに一冊ずつあるので、よろしければ渡して下さっても良いですか?」
そういうと、ポケットアルバムをバッグの中から取り出した。
「わざわざこんな可愛いのを用意して下さったんですか」
「私、こういうの作るのが趣味なんですよ。元はただのミニアルバムなんですよ」
ミニアルバムにシールや折り紙、レースペーパーなどで飾り付けをつけてあるそれは、まるで店頭に置いてあるよう商品の様に可愛らしかった。
「それぞれの中表紙の方に渡して下さいね」
そう言い、アルバムを開くと、中表紙には仏頂面がトレードマークの上官が頬と耳を僅かに赤く染め、微笑んでいる写真が貼ってあった。
「この写真、お母様が撮影されたんですか?」
「いえ、私じゃなくて主人が。写真が趣味なんですよ。いつも撮ってはみんなに配りたがるので、たまに迷惑になってないか心配になるんですけどね」
そういうと苦笑した。
「あら、とても素敵な趣味だと思いますよ。とくに図書館のイベントだと準備や片付けがあるので、なかなか自分達の写真なんて撮る事ができないから、嬉しいです」
柴崎のその笑顔は営業用ではなくて自然に出てきたものだった。この写真を受け取った仏頂面がトレードマークの上官がどんなリアクションをするのかを想像すると自然に顔が弛む。
「あ、それから、こっちは2人に特別に一冊ずつ作ったので、こっちもお願いできますか」
そう言いカバンから取り出したのは、白い表紙にレースの飾りがついたものと、シンプルな黒い表紙のものだった。
「お内裏様用とお雛様用です。黒がお内裏様、白がお雛様です。よろしくお願いしますね」
「もうしばらくしたら2人が参りますので、せっかくなら直接渡してあげて下さい。他の者の分はこちらで渡しておきますね」
「じゃぁ、しばらくロビーで待っていようかしら」
そんな会話をしているうちに、館内業務だった堂上班がやってきた。
「こんにちは」
堂上がそう声をかけ会釈をすると、美月の母親が先ほど柴崎に渡そうとしたアルバムを手に取り、堂上に歩み寄った。
「堂上さん、こんにちは。先日の雛祭り会、子供も私たちもとても楽しかったです」
美月の母親が会釈をしてにこやかに話しかける。堂上が雛祭り会と聞いて一瞬微妙な表情を浮かべたが、すぐに笑顔になる。
「ありがとうございます。そう言って頂けると企画したこちらも嬉しいです」
「今日はお渡ししたい物が―――」
そう言うと、柴崎に伝えた事をそのまま話し、黒いアルバムを堂上に差し出した。
「これは堂上さんに」
堂上が手に取り中を開き一瞬目を見開き、すぐにパタンと閉じた。
「あ、あの・・・ご迷惑でしたか」
その態度に少し驚いて、申し訳なさそうに言う。
「あ、いえ。失礼しました。あまりにも上手に撮れているので少々驚きました。ありがとうございます」
そういうと、堂上が深々と頭を下げた。
「主人が写真が趣味で。押しつける様でごめんなさいね」
「とんでもないです。ありがとうございます。しかし、申し訳ないです」
「いいえ。ご迷惑でなければ、どうぞ」
「いえ、迷惑だなんてそんな・・・。では、遠慮なく頂きます。ありがとうございます」
本来は物品の譲渡は遠慮するところだが、イベントの写真などは例外で受け取って良い事になっている。2人のやり取りを見て、郁が何事かと首を傾げる。
「あ、笠原さんにも、この前のイベントのアルバムです」
そういうと、白いアルバムを郁に差し出した。
「え?良いんですか?わぁ、ありがとうございます」
そう言いながら表紙捲ると、とたんに顔も耳も真っ赤になった。そして、そのままアルバムを胸の前で握りしめて真っ赤な顔のまま微笑んだ。
「ありがとうございます。大切にしますね」
「喜んでもらえたみたいで良かったです。じゃぁ、失礼しますね」
堂上と郁の顔を見て会釈をすると、美月を連れて児童室に入っていった。美月と母親を見送った後もそのままアルバムを握りしめたままの郁に堂上が声をかける。
「おい、笠原。いつまで固まってるんだ。館内業務に入るぞ。アルバムは奥に置いてこい」
堂上の声が耳に届いていないのか、郁はそれでも動かなかった。うっとりと目を閉じて微笑んだままだ。郁の表情を見て、堂上は唇を尖らせる。その顔は不貞腐れた様に見えた。堂上が反応しない郁の頭を軽く小突くと、やっと郁の表情が元に戻った。
「あ、す、す、すみません。えっと、あの・・・今なんて・・・」
「アルバム貸せ。奥に置いてきてやるから業務に入れ。小牧、ちょっと頼む」
「はいはい。いってらっしゃい」
笑いながら、小牧が片手を上げる。堂上の顔は相変わらず唇を尖らせ不貞腐れたままでカウンター奥へ歩いて行った。堂上の背を見送りながら、郁は顔を曇らせた。
「笠原さん、どうしたの?さっきまで笑ってたのに」
小牧が怪訝な顔で聞く。
「いえ、なんでもありません。業務に入ります」
郁が淋しそうに呟いた。


***


アルバムを受け取った時の郁はとても嬉しそうな笑顔だったのに、その後はずっと浮かない表情だった。もちろん利用者の前では笑顔だったが。
「笠原さん、どうしたの?」
業務が終わって堂上が席を外した時に、小牧が聞いてきた。
「え?何がですか?」
郁が小首を傾げて聞き返す。何か言われるようなミスをしただろうかと今日の業務を振り返るが、特に問題なく終えたはずだ。
「朝は笑顔だったのに、なんだか急に浮かない顔になったからちょっと気になってね」
業務はちゃんとできてたし、責めてるわけじゃないからねとフォローもしながら、小牧が優しく言う。
「あ、あの・・・。」
バレているだろうがとても上官に言えるような事ではないのと、個人的な事を相談しても良いものかと話すのを躊躇していると、小牧が重ねて言う。
「部下の悩みを聞くのも上官の仕事だから。その内容が業務外の事でも構わないから、俺で良ければ話して。勿論無理にとは言わないけどね」
しばらく迷っていたが、意を決して口を開く。
「あ、あの・・・。私が聞いた事は、本人には内緒にして下さい・・・。堂上教官、もしかしてあのアルバム、本当は迷惑だったんでしょうか」
「え?なんでそう思ったの」
小牧が、意外そうな顔で尋ねた。
「教官、眉間に皺も寄ってたし、唇も尖ってたので。なんだか怒ってるって言うよりも・・・不貞腐れたような顔に見えませんでしたか?嫌だったのかな、あのアルバム」
その言葉を聞いて、小牧が思わず吹き出す。郁は心配しているのに小牧に吹き出されて今度は郁が不貞腐れた顔をする。
「勇気を出して言ったのに、笑うなんて酷いです」
本当に、悲しかったのに・・・。そう口の中で呟いた。
「あぁ、ごめんごめん。そっか。笠原さん、堂上の癖、知らないんだ」
そういうと、くすくす笑いながら話を続ける。
「俺が言ったのは内緒だからね。堂上って、唇が弛んじゃう時って、ああやって唇を尖らせるのが癖なんだよね。ほら、人前とかで笑うのを我慢したい時あるじゃない、そういう時にあの表情になるんだよ」
「え?じゃぁ迷惑とかじゃなかったんですか」
ホッとしたような表情になり、肩をすとんと落とす。
「まさか。その逆だよ。だって、アルバムもらってからずっと唇を尖らせてたでしょ」
確かに、業務の間も、たまに眉間に皺を寄せて唇を尖らしていたのを何度か見た。
「はい・・・。えぇ?じゃぁ・・・。」
「うん、かなり嬉しかったんじゃないかな。きっと笠原さんの気持ちと一緒だよ。良かったね」
そう言うと、郁の肩をポンと叩いた。
「あ、でも、今の話は堂上には内緒だからね」
悪戯っぽい顔でウィンクをする。ここに教官がいなくて良かった。そう思っていると事務所のドアが開き、席を外していた堂上が事務所に戻ってきた。
「なんだ、お前変な顔して。顔真っ赤だぞ。熱でもあるんじゃないのか」
真っ赤な顔で微笑む郁を見ると、眉をひそめて堂上が声をかけた。
「え?なんでもない、なんでもないです!!気にしないで下さい!!」
両手を顔の前でぶんぶん振ると焦ったような顔をした。
「体調が悪いわけじゃなかったら早く日報書けよ。もう定時だぞ」
「は!はい!!今から書きます」
そんな2人のやり取りを見て、手塚が小牧に耳打ちする。
「なんですか?さっきから笠原が可笑しいんですけど。それに、堂上二正と笠原が一緒ってどういう事ですか?」
「あぁ、見てて分からなかった?」
疑問形で手塚に言う。
「はぁ、なんのことだかさっぱり・・・。」
「俺が言わなくてもあの2人を観察してたらそのうち分かると思うよ」
そう言うと、日報を書きだした。手塚もなんだかよく分からないが、業務に関係ない事だと分かると、日報に取り掛かった。小牧と手塚が書き終えて帰寮しても、郁はまだ書き終わらないのは既にいつもの事だった。やっとの思いで書いた日報を堂上に渡すと、読んだとたん拳骨を落とされた。
「アホか、貴様は!!日報はお前の日記でも感想文でもない!!きちんと業務の事を書け」
そう怒鳴ると、日報を郁に突き返した。きちんと書いたのに何故そんなに怒るのかと首を捻って日報を読み返すと、アルバムの事を書いていた。
「す、す、す、すみません!!!すぐに!!すぐに書きなおします!!」
あまりの恥ずかしさにひったくるように堂上の手から日報を引き抜くと、慌てて書きなおす。
「まぁ、確かにアルバムは良く出来ていたから、書きたくなるのも分かるけどな。お前もなかなか綺麗に撮れてたな」
思わずそう零し、慌てて自分の口を押さえ郁の方を見る。聞こえていたかと焦ったが、郁は書きなおすのに必死で堂上の声は届いていないようだった。堂上はホッとしたような残念だったような複雑な気持ちだった。眉間に皺を寄せ唇が尖っているのは堂上も気付いていなかった。


***


帰寮し夕飯も食べ終わり部屋に戻った堂上は、今日もらったアルバムを手にとった。アルバムを開くとそこには、頬を染め微笑んでいる郁とそれを見つめる自分の顔があった。無防備に微笑む郁を見る自分の視線が、あまりにも優しく柔らかくて、自分で見るのも恥ずかしいほどだ。こんな表情をいつの間にしたのか。弛まないように引き締めていたはずなのに。そう思いながらアルバムをめくる。郁の写真を見つめる目は優しく愛しいものを見つめる眼差しだった。ふと人の気配がして顔を上げると、部屋の入口の壁に寄り掛かって身体をくの字に曲げた小牧がいた。
「お!!お前そんなところで何やってんだ。人の部屋に入る時はノックぐらいしろ!!」
思わず怒鳴りつけると、小牧はその場にしゃがみこんだ。上戸に入ってしまった小牧はしばらく声もなく笑っていたが、落ち着いたようで、息も絶え絶えになりながら、やっと部屋の中に入ってきた。
「いや、ノックしたんだけど返事が無かったから。鍵が開いてたから何かあったかと思ってドアを開けたんだけど」
「何もあるわけ無いだろうが!!!返事が無いからって勝手に開けるなよ」
そういうと、アルバムを机の引き出しにそっと入れて小牧の座るテーブルの脇に座る。テーブルの上には小牧が持ってきた缶ビールが二本ある。棚から適当なつまみを出すと、プルトップを開け乾杯の真似ごとをするとビールを喉に流し込む。
「アルバム良かったね」
笑顔で話しかける小牧を軽く睨みつけると、素っ気なく言い返す。
「利用者の善意を断るわけにはいかんからな。それに写真は受け取っても良い事になっているだろうが」
「受け取れる事になってて良かったね」
「・・・。」
堂上が返す言葉もなく黙り込む。それを澄ました顔で受け流すのは、堂上の気持ちを見透かしての事だ。仏頂面を崩さない堂上を見ていると、ついからかいたくなる。
「良い写真だったんだろうね」
「あぁ、まぁ、悪くは無かった」
「思わず見つめて微笑むほどだしね?」
ギョッとした顔をして堂上が小牧を睨むが、ニッコリ笑った小牧はそのまま堂上の目をじっと見ていた。観念したように小牧から視線を逸らし、肘をついてそっぽを向く。その顔は拗ねた子供のようだった。
「もうそろそろ素直になったらどうなの」
「何の事だかさっぱり分からん」
「まぁ、それならそれで良いけどね」
仏頂面のこの友人は、ポーカーフェイスをしているつもりだろうが、実はバレバレだと知ったら、一体どんな表情をするのかと思うと、一旦収まった笑いがまたこみ上げそうで、それを我慢するのに苦労したのだった。




fin

15:24  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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