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2014'03.29 (Sat)

「期待」前編

あら、一旦解熱したちびは再び昨夜40度近い熱Σ(´д`)。
病院で──インフルエンザではありませんね。へ?
38度から下がらなくても元気。ぐったり感なし。血液検査を勧められましたが、検査拒否もあって(鼻から綿棒の恐怖) 辞退しました。先生も緊急性なさそうだし、とのことで。
今は37度台。1日UNOをしていました。母ちゃんも兄ちゃんも 病人だとて容赦しません。ポチポチお話打ちながら真剣勝負でした。

更新です。真剣勝負だったからか 無糖な補完話です。これから書く話の土台?のような。
上官・部下期、練成訓練中です。

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【More】

「期待」前編


堂上は医務室で手当てをしていた。
教育期間終盤、新人防衛員は練成訓練と平行して、警備業務の体験研修が行われる。
今日の笠原郁の警備指導中に蔵書損壊犯に出くわしたのだ。
他に比べ体が動く為 腕に自信を持ち増長していた郁は、1人突っ走った挙げ句 不完全な確保で相手に反撃された。堂上が運よく庇えて郁に怪我はなかったが、一歩間違えれば彼女に負傷させるところだった。
「出血は止まってる。大したことないわね。」
医師は軽く消毒して処置を済ませた。そこに入ってきたのは玄田だ。
「よお、損壊犯確保したそうだな。名誉の負傷か?」
にやにやしている玄田に堂上はくっと眉をひそめる。
「……フォローが危うくなったのは俺の過失です。奴は未だスポーツ気分が抜けていません。防衛員意識の徹底不足は否めません。」
堂上の頑なな報告に苦笑する。
「笠原への指導は?」
「体に叩き込むべく──引っぱたいてやりました。」
それを聞いて玄田は大笑いだ。面白くない堂上はぷいと横を向く。
なんだ よっぽどお前の方が痛い顔をしているぞ、と玄田は遠慮がない。
「図書隊は生半可な根性では務まりません。ましてや防衛員は危険な職種です。中途半端な憧れだけでは命を落とす可能性も考えられます。」
事務的に並べ立てた言葉で 堂上が胸の内を隠そうとしているのが分かる。

5年前の見計らいで堂上が守ったモノ。

玄田には興味があった。図書大最後の2トップである小牧と堂上には 早くから目を付けていた。特に無鉄砲なところがある堂上には。優秀であるのは成績を見れば分かる。しかしそれだけでは面白くないのだ。
堂上が新人1年目にして仕出かした 単独での見計らい権限の行使は、当時原則派を揺るがす問題に発展した。その行為が規則違反であることは十分承知の上で動いた堂上を 面白いとは思ったが、玄田は初め疑問を持った。しかし今なら分かる。
原石を見たのだ。
本を守る。何の力を持たない者が大きな力に立ち向かった。大の男が武器を持って戦う程の権力に。堂上が突き動かされた光景の張本人。そして本来の堂上自身の姿。
査問終了後に聞いた「後悔していません。」の理由が目の前にやってきたのだ。
堂上がこの世界から笠原郁を遠ざけようとしているのとは別に せめぎあっている何が見え隠れする。
玄田は腕を組んだ。
実際のところ ここ数年の女性隊員の中でも、体格的 身体能力的には逸材であり、何よりも本人が防衛員を志望しているのだ。上からも現場からも 女性の視座の必要性は唱えられており、すでに笠原郁の特殊部隊への抜擢も視野に入れている。
「お前がやらないなら、俺が育ててもいいんだが?」
不公平に扱いてはいるが、潰そうとはしていない。堂上は指導者に向いている。
そんな玄田の言葉に反射的に顔を上げて反応した堂上を、ニヤリと見下ろした。
「次の笠原の警備指導は俺だ。市街哨戒だな。判断はそれからだ。例の件 考えておけ。」
「余計な事は言わないで下さいよ!」
玄田は 怪我に構わず クシャクシャと堂上の頭をかき混ぜて、医務室を後にした。

事務室に戻った堂上は報告書に取りかかった。
無茶で考えなし。体力に物を言わせて反射で動く。しかも5年も前に1度会っただけの間違った図書隊員に憧れてここまで追いかけてくるなんて──バカだ。ただのバカ。
腹立たしく損壊犯確保の状況を書き進める。
ただのド新人が カッターを手にした犯人に1人挑んで、凶器を払い落として怯まず刈った。
「クソッ……」
ガシガシ書き終え 緒形副隊長の机に提出すると、足早に帰寮した。


堂上は遅めの風呂を終え、自室のベッドに横になる。寝るには早い。暫く天井を見つめていたが 起き上がり、右手に視線を移す。ジンジンと熱を帯びているようだ。
あの事態であれば、相手がだれであろうが殴っていた。不完全な確保、敵に向けた無防備な背。それは最悪な状況を招く恐れがあるのだ。
ここにいるべきではない。
──いて欲しくなかった。
イライラするのは、アイツのベクトルが───
勢いつけて起き上がる。ドカドカと部屋置きの冷蔵庫を開けるが。
「チッ」
財布を持ってロビーに出た。


21:48  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2014年03月30日(日) 00:13 |  | コメント編集

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 | 2014年03月30日(日) 02:16 |  | コメント編集

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