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2014'05.12 (Mon)

「選択の理由」1

こんばんは。このところ更新のんびりの英香です。
うん、そろそろネタも苦しくなってきたぞ。ってか、このまま代わり映えしない話ばかりで続けてもいいのかなぁ、と ちょっと迷ってる事実もあったり。←変われない(挑戦出来ない)のは自覚済み。
案外?頑固な自分にビックリしてたりします。
のんびり更新でも お付き合いして貰えると嬉しいです。

さて 週末の母の日。主人と長男(月曜休校)は早朝から釣り旅行へ。初日はぼうずでしたが、今日は5・60㌢の大物施設で楽しんだもよう。娘はケーキとカップを贈ってくれました(*^_^*)。ケーキは自分で食べてましたが(お約束)。
世の母ちゃん、癒されたでしょうか?

更新です。連載になります。当然のようにオリキャラです。別冊Ⅰ。堂上さん退院ちょっと前からです。
↓こちらから どうぞ


【More】

「選択の理由」1


駅近くにある中堅の本屋。郁は1人、ゆっくり店内を回っていた。
堂上のリハビリも進み、そろそろ退院の話も出てきた。事務室の堂上の机の上には 祝いの品と称した書類が重ねられ始めたのを見ると、復帰早々雑務に追われる姿が容易に想像出来る。
──仕事から離れているうちに、空き時間を利用してなるべく本を読みたい。
そう話す堂上に、見舞いの手土産げ変わりに 図書館の本を頼まれて差し入れているのだが、たまには違った本でもどうかと思ったのだ。
店頭に戻っての新刊コーナー。
「新しい作家さんのとか、プレゼントしてみようかな。」
郁は何冊か手に取ってみる。
真新しい紙とインクの匂い。貸し出し済みの本とはまた違った感触は、まだ知らぬ世界へと連れて行ってくれそうな。謀略物好きな堂上の好みに合いそうな表紙を撫でた。

「処女作、なんだそうですよ。」
郁が手にした本を指差して声をかけてきたのは、カジュアルなシャツを羽織ってはいるが、眼鏡をかけたちょっとエリート風の男だった。年は30前後か。
「へ~、新人作家さんなんですね。」
店員によるPOP広告によると 期待の大型新人作家として注目されているらしい。そういえば利用者からの入荷リクエストの中に見かけた気もする。
気軽な声掛けに改めて見れば、眼鏡の奥に優しげな目を細めて笑っている 体格も雰囲気も小牧を彷彿させるような青年だ。
「え、と?」
「あなたのような女性も読めますよ。政治家とかの要人警護の話ですが、難しいことより人間模様を軸に進みますから。」
既に読破しているらしいその青年は、郁にその本を薦めた。
ならば 堂上が読み終えた後に自分も読んでみようかと思い 購入を決めると、郁はその青年にぺこりとお辞儀をした。
「ありがとうございます。丁度いい本が見つかりました。」
「いえ、いろんな方に読んで頂きたい本ですからね。」
そう言うと青年は店から出て行った。
郁はいそいそとレジに向かう。堂上の喜ぶ顔を思い浮かべて。


病院の玄関を左に曲がった先にリハビリ室がある。ひょいと覗くと丁度リハビリを終えた堂上が 担当の理学療法士である須田と話しているところだった。
郁に気付くと これで話は終わりだというように 須田はバンと堂上の背中を叩いた。鉄の扇子で叩かれたようでも、堂上は右足で随分踏ん張れるようになっている。リハビリも仕上げ段階だ。傷口の経過が良好なら、筋力・体力の回復は通常より格段に早いのはさすがだ。ただ完全復調までは との隊長から通達があるため、やや長めの入院となっている。前線で動く堂上には必要な治療期間だ。
「可愛い恋人がこうしてせっせと通ってくれてるんだ、さっさと治さんとな。もっとも 今しかイチャイチャできんかもしれんがな。」
「イチャイチャなんてしてませんよ!」
堂上は噛み付いた受け答えをしてから 郁を促して病室に向かう。その郁を見る目は甘いのだから 須田の言うことに間違いはないのだが。


「今日はね、本屋さんでお客さんにレファレンスして貰ったんですよ。話題の本みたいで 熱心に薦められました。」
病室に入ると 汗拭きタオルの入れ替えをした郁が、ベッドに腰掛けた堂上に一冊の本を渡した。
「青山雅彦……ああ、最近検索でよく引っかかるな。1度読んでみたかったんだ。ありがとな。」
堂上は パラパラと冒頭部分に目を走らせる。
「そんなに難しくないお話みたいなので、教官が読み終わったらあたしも読んでみようかな~って。女性にも読みやすいそうですよ。」
「キャラ読みか…………これ、薦めたのは 男なのか?」
パタリと本を閉じた堂上が 未だ立っている郁の手を取ると クイッと引いた。自然と堂上の隣りに座った郁を、ちょっと不機嫌な顔で軽く肩を抱き寄せる。
「はい。いかにも読書家って感じの人で、詳しく教えてくれました。だからきっと気に入って貰える小説だと思いますよ。」
自慢気な郁に苦笑する。男の機微が分かる程の恋愛経験はないのは承知している。
「こっちはまだここから動けないんだ。知らない奴にくっついていくなよ。」
「へ?何言って…」
チュッと音をたててキスをすれば、郁は真っ赤になって固まった。

いつでも自分の傍に留めておきたくなる。もっとも じっとしているタイプではないから、せめて 一緒に動ける場所に早くいきたいと願う。この手が彼女の首根っこに届く範囲に──彼女が好きだというこの手で撫でてやれる隣に立ち続けたいと願う。


ある訓練後、事務室に戻ると 隊長室に客人が来ていた。
「よう、小牧と手塚、笠原も入れ。」
隊長に促されて入室すれば、ソファーに折口が男性と座っていた。
「あ、折口さん!お久しぶりです。」
当麻の事件以来、折口は久々の訪問だった。
「お久しぶり。みんな元気そうね。当麻先生は大分落ち着かれて、ほぼ通常の執筆活動されてるわよ。」
「良かった~。」
任務が終われば後は書類での報告だけで、結局当麻と直接は会わず仕舞いだった。

「あれ?君は。」
折口の隣りに座っている男性が郁を見て声をあげた。
「先日 本屋で会いましたよね。」
「─ああ!」
背広に身を包んではいるが、眼鏡をかけた柔和そうな男性は、確かに先日郁に小説を薦めた青年だった。
「あら、知り合いなの?。郁ちゃん、こちら青山雅彦先生。こちらで取材がしたいって仰ったから紹介しようと思って。」
どうやら郁は、作家本人からレファレンスを受けたらしい。
「取材、ですか?」
小牧が玄田に視線を向けた。
「許可はした。」
正規の手続きも踏んだらしい。
「青山先生が先月出版したデビュー作が評判良くてね。読者からも是非シリーズ化して欲しいって声が多数寄せられていて、じゃあ 書くならもっと取材しなくちゃって希望されて。」
「あの作品は警察の警護課の話ではありませんでしたか?。取材なら警視庁の方が。」
さすが小牧は新刊にも目を通している。
「ええ、しかし 次回作からは 半独立した別の組織に舞台を移そうかと思いまして。」
「あ、じゃああの2人は警視庁辞めちゃうんですか?」
青山に郁が問うと、青山は嬉しそうに目を細めた。
「読んで頂けたんですね。如何でしたか?」
「凄くかっこよくて面白かったです!あたしも続きが読みたいって思ったから、嬉しいです。」
「光栄です。実は僕は当麻先生を師と仰いでいまして、今回の事件では図書隊の警護体制に非常に興味を持ったんです。特に女性の活躍もあったとか。だから小説のヒントになるんじゃないかと思いまして。まさか君が当麻先生を?」
「郁ちゃんは男前よ~。当麻先生もお墨付きの戦うヒロインよね。」
「いえ、そんな…」
ぶんぶんと顔の前で手を振って恐縮する郁を、青山は眩しそうに微笑んだ。
「お時間を頂いてお話を伺いたいんですが宜しいですか?勿論守秘義務は守ります。」

午後の業務後に、全体の警備体制を小牧が、稲嶺邸等 潜伏警備を手塚が、最後の逃避行を郁が説明する事になった。



23:56  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2014年05月13日(火) 07:30 |  | コメント編集

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 | 2014年05月13日(火) 10:28 |  | コメント編集

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 | 2014年05月13日(火) 10:33 |  | コメント編集

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 | 2014年05月13日(火) 23:14 |  | コメント編集

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