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2014'05.23 (Fri)

「選択の理由」2

こんばんは。
すんごい お久しぶりな英香です。
いや、何かあった訳でもなく。普通なんですが、ちょっとお話書くのはお休みしていました。
Twitterの方では変わりなく遊んで貰いまして、どうやら寝不足気味ながらものんびりと。
ふふ、その間にいろいろ「初めて」に挑戦していました。
某携帯ゲームで人生初の浮気?を経験し、pixivも登録し(まだ読みにいっていませんが)、リアルで図書戦話をするプチオフ会というもので楽しんでいました。プチオフ会では初めて図書戦の薄い本もチラリと見せて頂き、何かと刺激を受けてきました。
薄い本。聖闘士星矢以来かも(^_^;)。

忘れそうになっている更新です。
んー、切りどころがなくて 長くなってしまったので 2つに分けました。間開けちゃったので連続投下しておきます。
↓こちらから どうぞ


【More】

「選択の理由」2


青山は折口同席の上、隊長室で当麻の警護経過を熱心に取材した。
取材するにあたって、青山は図書隊の歴史から活動内容、今回の事件の報道で分かる範囲の下調べはしてあるようで、スムーズに進行した。
処女作が警視庁から医療系をはじめ膨大な取材をしたクオリティーの高さを評価されたのも頷ける。
「架空の組織にして脚色させてもらいますが、とても参考になります。しかし、よく亡命案なんて出ましたね。発想とか、思い切りとか、小説家には刺激になります。」
青山は感心しきりだ。
当麻のような小説家になりたくてサラリーマンから転身した。昨年新人賞を受賞してデビューが決まった頃に当麻の事件が勃発し、動向推移を見守りながらの出版準備だった。
「組織の層の厚さと 核となるチームの活躍はドラマには欠かせません。続編は更にドラマチックに仕上げますよ!。有意義な時間でした。」
一通り取材を終えた青山の頭では 今緻密な構成を組み立てているのだろう。新たな作品に向けて意欲的な様子が見て取れる。
「素敵な作品、また読ませて下さいね。」
手塚・小牧に続いて隊長室から退室しようとした郁に 青山は声をかけた。
「それにしても笠原さん、よくお1人で当麻先生を護衛されながら任務を遂行されましたね。」
「いえ、みんなのフォローがあったからこそです。隊全体で成し得た作戦ですから。」
決して1人ではなかった。作戦準備も実行も図書隊一丸となって決行された。自由な未来のために 報道も一般市民も賛同して後押ししてくれていた。窮地に追い込まれても、行く先々で協力してくれる者がいた。
そして 何よりも堂上が託してくれたのだ。
大丈夫だ。お前はやれる と──
「素晴らしい信頼関係ですね。トリアージとまでいかないにしても、その状況で咄嗟に判断されたのが職務であるなんて。図書隊員の鏡だ。」
「トリアージ…?」
青山のいうトリアージとは医療用語だ。激しい抗争のある図書隊だ、座学の時に知識として学んだ。災害などの緊急時において 多数の負傷者の優先順位を選別するトリアージ。青山のデビュー作の中でも使われていたから 座学に疎い郁にも察しがついた。
あの事件時 何度も優先順位が頭を掠めた。堂上が撃たれた時も心の優先順位とせめぎ合い、その都度判断したつもりだ。
「究極の選択は 身内や大切な人ではしたくないですものね。任務遂行に妨げとなるその──」
「青山先生!」
折口が青山の話を遮った。
「事実確認だけのお約束ですよ。それにそのバディだった彼は…」
その折口と重なるように小牧は言葉にした。
「笠原士長は優秀な図書隊員ですので。」
郁と青山の間に身を滑り込ませて 礼をした。話はここまで との意味を込めて。
郁は小牧に軽く背中を押されて退室した。

「食堂が閉まる前には帰れそうかな。」
小牧は今日仕上げるつもりだった書類を脇の未処理棚に戻した。手塚もその様子を見て帰り支度を始めた。チラリと郁を盗み見る。
郁は無言で鞄を椅子に置いたまま動かない。
「笠原、柴崎は部屋で待ってるのか?」
「へ?あ、うん。」
慌ててパタパタと郁は机の上の整理をする。今日は取材があって遅くなりそうだから 堂上のいる病院には顔を出さずに柴崎と食堂に行く約束をしていた。
「この時間だと いいおかずが残ってるか微妙なんだよね~。」
ほら、急ぎましょう とへへらと笑い、鞄を肩に掛けた。
庁舎を出て寮までの道すがら、郁は手塚と軽口を叩きながらいつも通り帰寮する。
辺りが暗くなってきて 寮の玄関脇の電灯が自動的に点灯したのが見えた。
「笠原?」
今の今まで喋っていた郁の声が途切れて、手塚は後ろを振り返った。
「─あたし、やっぱりコンビニで何か買ってこようかな。好きなメニュー残ってなかったら悔しいし。柴崎にはゴメンって伝えておいて。」
「おい。」
2・3歩下がってクルリと方向を変えて通用門に向かう郁を 手塚が引き止めようとしたが、小牧が手塚の肩に手を置いてふるふると首を振る。
「行かせてあげな。」
郁の乾いた笑顔の下の不安と混乱は、帰還後から消えていないのはお見通しだ。
興奮のバタバタの中での報告業務は散々した。そこには一隊員としての行動と経過と結果が並べられる。
無事作戦終了し、結果を出した。
その上で上官である堂上に報告もし──
「早く戻ってやれよ。」
小牧は 未だ病室でくすぶっている、郁の ただの上官から関係を変えた友人に呟いた。
00:23  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2014年05月23日(金) 02:03 |  | コメント編集

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