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2014'06.15 (Sun)

「選択の理由」4

こんばんは。お久しぶりです。
スマホは保障サービスを使って 同型・同色にて復活しました。使い慣れた機種に安心。妙に手触りが滑らかで若返った感がありますが、保障サービスつけてて良かったです。
さて、今日から長女は修学旅行です。京都・奈良へ。あれだけ雨が続いていたのが、今日から天気が良いとのこと。なんて運が良い!。
京都は私達夫婦が出会って生活を始めた地です。しおりを見せてもらえば、懐かしい光景が目に浮かびます。今頃あの辺歩いてるかしら、なんて1日ニヨニヨしてました。
と、先ほど日程表見たら初日は奈良だったのね。まずは鹿さんか。
何にせよ、沢山の思い出を作ってくることでしょう。

さて、久しぶりの更新です。
まだ予測変換が不慣れなので、早く賢くなって欲しいです。(登録せねば)
連載の続きです。話が動くのは次回かな。
↓こちらからどうぞ。


【More】

「選択の理由」4


久しぶりの寮の自室。
気の利く友人は洗濯物の世話をするついでに 定期的に空気の入れ換えをしてくれていた為、簡単な掃除だけで 通常生活に支障はない。
入院時の少ない荷物を片していき、改めて一式を鞄に揃えて定位置にしまう。
堂上は一息いれると、ぐるりと部屋を見渡した。
いつ何があるか分からないから という訳ではないが、シンプル好きでもあるため 余分なインテリアなど置いていない。しかし殺風景な病室よりずっと落ち着く。
安っぽいが こだわりのマットと枕で安眠を約束されたベッドに腰掛けた。日常に戻っていく。
長い入院生活で大きく変わったのが郁との関係だ。去年の今頃までは頑なに上官であろうとしていたのが嘘のように離しがたい存在になっている。いや、ただの上官としてもいろんな意味で目の離せない存在ではあったが。
明日からの業務切り替えに僅かな不安がないわけではない。気を引き締めてやらなければ。
今はまだ就業時間。殆どの者は出払っている。ジャージに着替えた堂上は タオルを1本首に引っ掛けて部屋を出ていった。


──夜。
「入るよ。」
ノックと同時に入って来たのは 留守を任せていた小牧だ。
「ああ、ありがとな。いろいろ迷惑かけたが助かったよ。」
「まったくだ。今回ばかりはひやひやしたけど──まあ、無事で良かったよ。退院おめでとう。」
お互い苦笑を交わして、小牧が持ってきた缶ビールで乾杯した。
業務に関する報告事項は入院時からマメにはしてある。
が、その他 気になる報告を耳にしたのはつい最近。
「まさか 早速悪い虫がつくとはね。でも笠原さんは気付いてないみたいだし、慌てて出て来なくても大丈夫だったのに。」
クスクス笑う小牧から 不機嫌な顔を逸らす。
「別に関係ない。体がなまって仕方がないからであってだな…」
取材として図書隊に出入りした青山が、資料集めと称して図書館にマメに出向くようになったらしい。郁が館内勤務の時はレファレンスを頼み、訓練の時は見学にも赴く。特殊部隊の身のこなしを勉強したいとの申請を出して。
その話を聞く前から担当の須田にリハ計画を早める要求をしていたのだから、焦ったとか言われる筋合いはない。と思う。
若い作家で見目も良い青山は、デビュー以来女性館員からも人気があり何かと目立つ。接触を持ちたがる若い館員もいるが、青山はやんわり断ってターゲットを郁に絞っているようだ。
「彼はデビュー前にも いろいろ書きためていたみたいだね。このところ相次いで出版される予定らしいけど。」
勢いのある作家として業界でも注目されているようだ。
「──心配?」
「バカいえ。」
「だよね。笠原さん いかにも幸せそうだもん。堂上一筋。」
だからこそ惹かれちゃう魅力も備わってたりするんだよね、と 意地悪く笑う小牧に堂上は一蹴り入れた。
郁の笑顔は人を惹きつける。惹きつける相手は自分だけで十分なのに──堂上は久しぶりに飲むビールを呷った。


「──おかえりなさい。」
更衣室を出ると、廊下で郁が待っていた。いつもなら始業ギリギリに駆け込んでくることも多いが、今日は堂上を待っていたのだろう。つい堂上の苦笑が漏れる。
郁はぴしりと敬礼した。
「戦列復帰おめでとうございます!」
堂上は苦笑を引っ込め 郁の顔を見直し、首を傾げるその頭に手を載せた。
今の言葉は恋人に向けたものではなかった。上官が復帰したことを純粋に喜んでいる、公私関係なく分別した言葉。恐らく無意識であろうが、その真っ直ぐさが嬉しかった。
「足の具合はどうですか?」
「昨日、帰寮してから一通りの訓練メニューをこなしてみたんだが、百メートル走のタイムが少し落ちてる。リハビリは入念にしたんだがな。」
「大丈夫ですよ、すぐタイムも戻ります。って、昨日メニューこなしたんですか!?。言ってくれればお手伝いしたのに。」
何となく意地が邪魔した気がしないわけではなかったが、1人で確かめたかったのだ。
「ん、次からは付き合ってくれ……」
そんな遣り取りをしながら特殊部隊事務室に向かった先で、大いに羽目の外れた祝福を受けたのだった──。


館内警備をしていると、資料室から青山が出てきた。
「あ、笠原さん。今日は警備ですか?」
青山は郁を見かけると写真集を片手に近付いてきた。
「はい。─え と、今日は銃器の資料集めですか?。」
「ええ、本格的な装備は組織によって違いがあるみたいでしてね。図書隊はどういった装備かお教えくださると有り難いのですか──」
青山は手持ちの本を広げると、郁のすぐ横に立った。郁が覗き込めば髪が触れ合いそうな近くに。
「失礼。」
声と同時に郁は手首を引かれて離された。
「堂上教官。」
そのままグイッと堂上の背中に回される。
「……あなたが堂上二正?」
青山は、郁を隠しきるにはやや小柄な男に声をかけた。
「笠原士長は警備中ですので。レファレンスが必要でしたら、分野に詳しい館員をお申し付け下さい。」
「……」
青山は舐めるように堂上を見た。そして ふ と息をついて笑顔を向ける。
「折口さんから聞いてますよ。うん、大変強そうだ…。」
目を細めて堂上越しに声をかける。
「笠原さん、またの機会に教えて下さいね。」
慌てて郁が顔を出す。
「あ、武器のことなら堂上教官の方が流石に詳しいですよ?。ぜひ!」
青山は苦笑すると、ひらひらと手を振って 本を抱えて閲覧室に入っていった。
様子を見ていた手塚が小牧に言った。
「玄田隊長に折口さんから依頼のお電話があったようです。」
「…受けるんだろね。」
堂上には面白くない仕事になるだろうな、と 小牧は肩を竦めた。

21:15  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2014年06月16日(月) 00:03 |  | コメント編集

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 | 2014年06月17日(火) 14:20 |  | コメント編集

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