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2012'11.10 (Sat)

「子守り」

昨夜 飲み会があった主人を車で迎えに行った英香です。
警察の検問がありました。代車だけどやましい事もないし。窓を開けて お疲れ様でーす………NOメイクにパジャマでした。いやぁん。
更新です。婚約期でも新婚期でも。んじゃ新婚期という事で。

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「子守り」


けたたましい泣き声が図書館内を襲った。
何事かと声の主を探すと カウンター横で3歳位の男の子が泣いている。隣では業務部の男性が右往左往していた。
「どうしたの?。」
「迷子か?。」
今日は公休である 郁と堂上が声を掛けた。たまたま借りていた本を返しに来ていたのだ。
「笠原、丁度良かった。ちょっと その子の面倒見ててくれる?。」
カウンター業務でごった返している柴崎から頼まれた。どうやら子供を連れてきた父親が見当たらなくなったらしい。
「大人が迷子なのか?。」
堂上が見渡すが それらしい男性は見当たらない。今日は平日ながら近くの学校が休みだったりで、館内はいつもより混雑していた。
郁が男の子を抱き上げてあやすがなかなか泣き止まない。そこへ別の図書館員がやって来た。
「どうやら父親はトイレみたいです。急に体調崩して出て来られないみたいで。」
「あー いるよね、インクの匂いとかで誘発される人とか?。」
納得顔で頷く郁に堂上が促す。
「取り敢えず外にでも出るか。気晴らし位にはなるだろう。ここにいるわけにいかんしな。」
父親が来たら連絡を入れるように伝えると 未だ泣き叫ぶ男の子を連れて中庭に出る事にした。
外の風を感じて 漸く男の子は周りの状況を確認し始めた。ヒックヒックとしゃくり上げながらも 堂上と郁の顔を交互に見た。郁は視線を合わせて話しかける。
「こんにちは。あたしは郁お姉ちゃんだよ。こっちは篤お兄ちゃん。ボクの名前はなあに?。」
「……かずくん。」
キュッと郁の袖を掴んでポツリと答えた。
「よし、かずくん。お父さんのお腹が治るまで 一緒に遊んで待ってようね!。」
今日は暖かな日射しが気持ちよい。郁は中庭の草花を集めて 花冠を作ったり 茎相撲を教えたりした。次第に笑顔が見られる様になり落ち着いてくると、泣き疲れが出たのだろう、うつらうつらし始めた。郁の膝によじ登ると本格的に眠りついた。
「ふふっ、かわいい。」
抱え直して木陰に入る。堂上も隣に腰を下ろした。子供の顔を覗き込む郁の顔は 穏やかで優しげだ。堂上は眩しいものを見るように目を細めた。
「流石 草花に堪能な先生だ。子供の相手はお手の物だな。」
「それって 同じレベルって言いたいんですか?。」
柴崎や手塚に散々揶揄される評価だ。
「いや?。将来的にいいんじゃないかって事だな。」
「しょ、将来って…。」
いろいろ思い至って頬を赤らめる。
「郁。」
堂上は体を傾けキスをする。額を合わせて見つめ会い、もう一度キスをするところで視線を感じた。つと 下を見れば、子供の大きな目がパカリと開いている。2人固まったところで 携帯に柴崎から連絡が入った。
カウンターまで行くと 柴崎の横にいた男性が駆け寄ってきた。
「スミマセン!。大変お世話になりました。」
子供を抱き寄せ、頭を下げた。
「いえ、体調は大丈夫なんですか?。」
「はい、医務室で薬も頂きました。おかげさまで良くなりました。」
少し顔色は悪いようだが安心した。
「教官も笠原も、せっかくの公休に手伝わせて悪かったわ。」
「いや、特に用事は無かったから構わん。」
「かずくん、今度は一緒にご本読もうね。」
郁は父親に抱かれた子供の頭を撫でながら声を掛けた。大人の様子をじっと見ていたが にっこり笑って声にする。
「ちゅー。」
「「「ん?」」」
「パパとママみたい。ちゅーした。」
堂上と郁が慌てて子供を止めようとするが 時は遅し。キャッキャッと楽しそうに手を叩くかずくんに 2人は撃沈した。
「子供の前で何やってんのよ。」
生暖かい目で柴崎は いい予行練習になったわね、と肩を叩いた。
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