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2015'04.13 (Mon)

「堂上、2人」2

こんにちは。
春!のはずが寒い日が続いています。
長女の入学式。桜も咲いていましたが、雪!でしたよっ。体育館は寒かった。上着も脱げず、カイロを背中とお腹と足の裏に。ひざ掛けに持っていった毛布も巻き付けて「早く終われ〜」と念じながら出席してきました。
前の週が暖かかっただけに、風邪をひかないように注意しなくちゃ。

更新です。
ある程度話が見えるところまでは連載続きます。
あかんです。頭の中では完結してるのでサッサと出しちゃいたいのですが(忘れるから)、どーもね(´×ω×`)。ペースは戻せない感じですが、気長に遊びに来て下さい。お話もゆっくり進みます←。
↓こちらから どうぞ

【More】

「堂上、2人」2


目の前には自分にそっくりな男。ハトが豆鉄砲を食らったような顔をしているが、多分自分も今そんな顔。
ありえない。
ひとまず寝るか?夢かもしれないし───最近何かと心配事があり過ぎて疲れが溜まっている影響か?。
しかし しばらく凝視していて気付いたことがある。
『彼』の姿は自分と全く同じではないのだ。明らかに、・・・若い。
「おま・・・」
とりあえず状況を整理する為に話しかけようとした時、『彼』は若干呆けていた口元をクッと結んで立ち上がると厳しい表情を見せた。堂上が仁王立ちしたそんな『彼』を見上げると、『彼』は勢いよく部屋の戸のノブに飛びついた。
「わ!ちょっと待て!」
堂上も慌てて立ち上がり『彼』を後ろから羽交い締めにする。
「離せ!お前は何者だ!?」
「よせ!外に出るな!大体よく考えろ。今飛び出して 誰にどう説明するつもりだ!」
何者だと訊かれても こちらも同じ質問をしたいところだ。
暴れる相手も戦闘職種としたら──素早く打ち上げてきた『彼』の両肘をかわす。続けてコンパクトに撃ち込んできた拳を力に逆らわずに受け流し、互いに襟を掴んだところで動きを止めた。至近距離。見れば見るほど・・・。
どちらからともなく力を抜いて手を外した。
「・・・お前、名前は───」
堂上の質問に返ってきた『彼』の答えは想像通りだった。
「堂上、篤だ。」
そう言って 周りの状況に目を向けた『彼』の眉間に皺が寄る。
「ここは・・・」
『彼』は部屋全体に探りをいれるように視線を巡らした。
シンプルな本棚に備え付けのクローゼット。ローボードの上にはテレビとノートパソコンが並べて置かれている。小振りで使い込んだ感のあるテーブルは先ほどの小競り合いで大分位置がズレたようだ。そして先ほどまで寝ていたベッド。
「1人部屋か?」
『彼』はドア近くの棚の一角に素早く視線を走らせた。まるでそこに何があるかを知っているかのように。入口寄りの棚に朝出掛ける際の一式を並べて置いておくのは昔からの習慣だ。木目のキャッシュトレイは珍しく気の利いた静佳からのプレゼントで、その上には 腕時計に規定の白いハンカチ、そして手帳と階級章。
「二正・・・通りでちょっとオッサンっぽい──」
どうやら同一人物として認識したらしい。
「悪かったな。って、お前は?」
「俺は三正だ。」
三正の堂上篤。過去の自分が目の前に現れたのか。にわかには信じ難い状況だ。
「一体どういう────」

「堂上!」
部屋の外から声が聞こえた。2人は固まる。そしてノックと同時に戸が開いた。有事の時の為に鍵はかけていない。
「何かあった?随分騒がしい・・・」
堂上が制止する間もなく顔を覗かせたのは小牧だった。
「え?」
小牧も 固まる。
「「・・・」」
当然だろう、目の前には見知った顔が2つ。
しかしそこは冷静な小牧だ。2人の堂上を見比べるように観察すると、大きく深呼吸して直ぐに気持ちを立て直す。警戒しながら中に入ると 後ろ手に戸を閉めた。
「えっと・・・どっちが堂上?」
「「俺だ。」」
2人同時に返事をする。
「あ、いや そうじゃなくて、んー・・・」
小牧は二正である堂上に視線を合わせた。
「どういうこと?」

--------------------

「じゃ、起きたら2人になってたんだね。」
一旦自室に帰って部屋着から戦闘服に着替えてきた小牧が話を纏める。戻ってきても状況が変わっていなかった事に多少動揺が垣間見えたのは、やはり見間違いとか夢とかで終わらなかったからなのであろう。
「因みに普段俺が見知ってるのはこっちの二正である堂上だ。」
小牧の目から見ても2人の堂上の年齢の違いは明らかだ。
「付き合い長いからね、君の顔も堂上だけど 懐かしい顔だよ。三正か・・・入隊したての頃 かな?」
「・・・この春卒業して入隊したところだ。あんた小牧 だよな。俺の知ってる小牧はもっと若い。分かるよ───ここは俺にとっては未来なんだな。」
状況を把握しつつある三正の堂上は、不安を隠せないまでも何とか落ち着いてきた。
話によると、三正の堂上は防衛部に配属されて間もないという。防衛部で日々の訓練をこなし、昨夜は自主訓練でいつもより余分に走り込みをして泥のように眠りに落ちたのは記憶にあるらしい。
「起きたら 浦島太郎かよ・・・」
入隊したての頃であれば まだ小牧とは親しい間柄ではなかった筈だ。在学中は首席を取ったり取られたりだったので顔を知ってはいるがあまり接点はなかった。この場に小牧がいてもこの三正には心強いとまでいかないようだ。
頭を抱えていた三正の堂上だったが、いきなりパーンと両手で自分の頬を叩いた。
「よし、走って来よう。」
出て行こうとする三正の堂上を呆れながら二正の堂上が止めた。
「よせ、何の解決にもならん。とりあえずじっとしてろ。」
「はあ?ここで隠れて待っていろっていうのか?。冗談じゃない、それこそ何の解決にもならないじゃないか。俺はヤダネ、息が詰まる!」
「しかし────」
「隊長に話してみる?」
小牧の提案に2人顔を見合わせる。
「どうしてこうなったのか、この状況がいつまで続くのかはわからないけれど、とにかく理解者は必要だよ。実際部屋から出ないというわけにいかないんだから。これからどうするか、それを考えなきゃ。」
そろそろ出勤時間だが時間はまだ早い。今なら人目につきにくいだろう。吉と出るか凶と出るか。堂上は2人揃って出勤することにした。

14:29  |  図書戦  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2015年04月13日(月) 16:35 |  | コメント編集

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 | 2015年04月14日(火) 00:07 |  | コメント編集

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 | 2015年04月15日(水) 17:20 |  | コメント編集

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