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2015'06.05 (Fri)

「ウォッチャー」前編(リク1)

こんにちは。
このところ 地震だ噴火だ!?と続いていますね。一体どうなってるの!って怖くなります。
先日はお風呂でゆったりしている時にタップンタップン揺れまして、咄嗟に『全裸で発見!』されるシチュエーションが浮かんで焦りましたよ。それは避けたい(><)ババアの裸体は晒せない←。
しかし時と場合を選んでくれないのが災害です。震源地近くの方々の無事を祈ります。

更新です。書き貯めてます、なんて書いておきながら やはり量は進まなくて。リクエストを消化したくて手を付けたはいいのですが、更新に至らないでいます。

リクエスト内容はバレバレかと思いますが、一応最後に。
オリキャラ「金井ちゃん」のお話です。index2No.50から登場し、その他連載にもチラホラお邪魔しています。おかげさまで 我が家のオリキャラも受け入れて頂けているようでホッとしています。嫌いな方はスルーでお願いします。
彼女を出す時は勢い大事なので出来れば一気にアップしたかったのですが、そうすると更に更新が遅くなるので 一先ず前編だけ。短いです。
すみません、堂郁は今回お預けです。時期は革命後半辺り。気持ちは早く仕上げたいのですが〜っ(><)。

↓こちらから どうぞ


【More】

「ウォッチャー」前編(リク1)


私の探している愛はここにある。憧れる恋は この小説の中にある。

1日の終わりはベッドの中でお気に入りの本を開く。
ページを捲る度に溢れる愛の言葉。この世界に入り込めば、恋のときめき せつなさや愛おしさに胸がきゅんとなる瞬間を味わう事が出来る。まだ味わったことがない恋愛の醍醐味が、大好きなこのラブストーリーにたっぷりと詰まっているのだ。
読書は自分の想像力を駆使できる知的なエンターテインメント。とりわけ恋愛小説は まるでロマンチックな映画を見る感覚で一気にのめり込んで読み進めてしまうから、気付けば朝 なんてことはザラにある。
物語の行き着く先は 極上のハッピーエンド。読後感の爽やかで満ち足りた気持ちにやみつきになるのだ。



「はあぁ~〜ん。」

ゴロンとベッドに横たわり、読み終えた本を胸に抱え込んで甘い溜め息をついた。

「ちょっとぉ、なんて声を出すのよ~、金井ちゃん。」

関東図書基地 女子寮の一室。今年武蔵野第一図書館業務部に配属された金井春子の2人部屋だ。

「だって とぉ〜っても素敵な話だったんだもの。」

「また恋愛小説読んでたの?」

ファッション雑誌を広げていた同室の鈴木は、うっとりとした顔でベッドから降りてきた金井に飽きれたように声をかけた。

「ホント 好きねえ。」

図書館員は当然本好きな人物が多いが嗜好はそれぞれ。文芸・教養・人文・歴史────金井個人が所有する本棚には断然恋愛色の濃い本がズラリと並んでいる。

切なくて泣ける感動の物語もいいけど、甘々で胸キュンな小説で日々萌えを追求する毎日だ。

好みはドラマティックで情熱的なロマンス。あとはほのぼのと心温まる話の中にも ちょっと刺激的なシチュエーションがあると、ドキドキして 切なさともどかしさを誘ってくれるから繰り返し読んで悶絶するのだ。

「萌えは生きていく糧なのよ。」

金井は読み終えた本を棚のコレクションに丁寧に納めた。



コンコン、と部屋の戸が叩かれた。

「金井ちゃん、いる~?」

顔を覗かせたのは業務部の先輩だ。手にはA4の茶封筒。

「あ、はい!。先輩、どうでした?」

上目遣いで少々恥ずかしげに その封筒を受け取った金井は、部屋の真ん中にあるテーブルの前で居住まいを正した。

先輩の分もお茶を淹れた鈴木が金井の手元に視線を向けた。

「なに?」

封筒の中身はプリントアウトされた原稿用紙。

「金井ちゃんの書いた小説の校正をしてみたのよ。」

「え?小説?」

先輩の言葉に鈴木が目を丸くした。

「あんた、読むだけじゃなくて執筆活動もしてたの?」

そう言えば 夜な夜なパソコンに向かって不気味に打ち込む作業をしていたな、と思い至る。

「うふ、実はね。」

と、照れる金井から鈴木が原稿を受け取り読んでみる。

学生時代から自費で文章を発表しているという金井の作品は やはり恋愛小説。自己満足で続けてきたが、最近ひょんなことから先輩と話が合い 校正兼アドバイザーをお願いしたのだ。

「金井ちゃんの話、堅苦しくなくていいと思うわ。あっちの世界じゃ結構評判いいのよ。」

そう評価する先輩に 「あっちの世界」が分からない鈴木は首を傾げたが、金井は恐縮する。

「いえ、そんな・・・、まだまだです。どうも何か足りないなぁって思ってるんですけど、どうしたらいいんだか。」

本は貪るように読んでいる。恋愛小説に必要な萌えは常に補充を心掛け、どこかにネタが落ちていないか人間ウオッチも欠かさない。

「あ〜あ、まだまだ萌えが足んないのかなぁ。どこかに王子様かお姫様が落ちていないかしら。」

なに都合のいいこと言ってるの 小説の読みすぎよ と鈴木に指摘されていると、先輩はクスクス笑い出した。

「あら、図書隊には 王子様を追い掛けてきたお姫様がいるのよ。」

「え?ホントですか?」

金井は目を輝かせて身を乗り出した。

「ふふ、彼女の王子様話は密かに有名よ~。教育期間中に一士の分際で見計らい行使しようとした騒ぎはいろんな部署で噂になったっけ。なんでも王子様の真似をしたとか?」

「「えー、見計らいを?」」

先輩隊員は入寮してもう長い。すっかり事情通なこともあって、後輩2人にいろいろ話して聞かせた。

=======

「笠原士長って、特殊部隊初の女性隊員なんですよね。あたし、お風呂でちょっとお見かけするくらいしか接点なくて。」

「私も。あとは食堂で時々。それに特殊部隊って近寄り難くて・・・。そんな乙女な逸話があったなんて意外よねぇ。」

正月明けの敦賀原発テロ以降、図書隊内の動きは慎重かつ情報も厳重だった。比較的落ち着いていた年度始めでも、特に渦中の堂上班は新人図書館員の錬成教育に関わることがなかった為、本年度採用の金井達には縁が薄い存在だ。

「あ、でも 柴崎士長と仲がいいですよね。お姫様のイメージなら断然図書隊の華である柴崎士長なんだけどなぁ。笠原士長っていつもどこかに痣作ってるし埃まみれだし。背も高いから どちらかと言えば騎士のイメージなんだけど。」

イメージするお姫様とは程遠いタイプの郁は、これまで金井の萌え人間ウォッチリストから外れていたのだ。

「で、王子様は見付かったんですか?」

ウキウキと食いついてきた後輩に、イタズラな顔をした先輩は提案した。

「ふふ、そこはロマンス小説家としていろいろ推測出来るんじゃないかしら。じゃ、私からのアドバイス。金井ちゃん、暫く観察してみたら?」

笠原郁図書士長。

金井春子のウォッチング生活が始まった。


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 | 2015年06月05日(金) 16:01 |  | コメント編集

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