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2015'07.01 (Wed)

「闇に咲く」前編(リク2)

こんばんは。
現在高校生ズは期末試験中。午後には帰宅ですので、普段夕方から夜にかけて 行ったり来たりの車の送迎はお休みです。夕飯どきに出回ることがないのはホント有難い。てことで少し書けるところまで。
しかし試験期間中であるにも関わらず部活がある娘・・・お弁当の休みはないのね(´・ ・`)。
さて、7月です。
え?もう今年も半分終わったの?です。
この7月から 観たい映画が目白押し。
ジュラシックワールド、ターミネーター、アベンジャーズ、ワイルドスピードは終わっちゃうか。もちろん図書戦もじわじわきてますし。
観たい観たい詐欺もありますが、出来れば大きなスクリーンで観たいですよね~( ̄∀ ̄)。

更新です。放ってある連載もありますが、お待たせしてるリクも書きたい。って長くなったので前後編(予定)です。内容的にはよくある話なんですが、我が家版ということで。リク内容は完結後に。
時期は上官・部下の革命中です。
↓こちらから どうぞ

【More】

「闇に咲く」前編(リク2)


当麻の最高裁判決前に、堂上班は隊長室で打ち合わせをしていた。
判決では完全勝訴以外は事実上敗訴。勝ち取れなければ当麻を亡命させる為、緒形と堂上班が秘密裏に当麻を連れ出し大使館へ急行することになっている。

「当日は全員が事務官を装ってスーツを着用のこと。笠原も動きやすいスーツにしろよ。」
女性隊員が混じっている隊が警護の本命を担当する可能性は低いと良化特務機関の方も考えるだろう。郁の機動力は相手に意表を突くことができる。
「当麻先生の希望を優先し、オランダ大使館に急行することとする。次に───。」
堂上班と共に大使館の下見に行った緒形から指示が出る。前もって玄田とは打ち合わせは出来ている。
護衛の手順、車の座席配置、大使館までのルート、非常時の対策などの最終確認を行っていると、玄田の机の上の電話が鳴り響いた。
「なんだ。」
そう受話器を取った玄田は、次第に険しい表情になった。
「わかった。直ぐに対処する───堂上!」
受話器を置きながらの声色は硬い。
「柴崎からホットラインだ。図書館の一般利用者立ち入り禁止区内で 不審者の目撃情報があったらしい。良化隊の声明はないが最高裁を前にして何が起きるかわからん。」
「待ってください。今アクションを起こしても 良化隊には何のメリットもないはずです。」
小牧の指摘通り 今下手に動けば判決に影響を及ぼす可能性がある。
「だから、だ。不審者情報も曖昧で そもそも良化隊とも限らん。こちらも表立って動けんからお前らで見て来い。閉館時間ギリギリで、今柴崎らが利用者には事情を伏せて速やかな退館を促してるところだ。後は緒形────」
「斉藤班を待機させておきます。」
そつなく纏めた進藤と玄田に堂上班4人が敬礼で応え、装備を身に付けるために隊長室を飛び出した。



館内には、カウンターエリアや事務室、閉架書庫など、利用者には立ち入り禁止表示のあるエリアがある。地下以外にも希少価値の高い所蔵資料を保管してある閉架書庫は複数あるが、セキュリティー機器は管理・利便性を重点においていて、立ち入りに際しての防犯は主に人の目によるものが大きい。
「階下の書庫は封鎖済みだ。目撃情報があったのは館長室もある4階の専門資料室へと続く通路奥、故意に侵入しなければ迷い込む場所じゃない───。」
戦闘準備をして堂上が指示を出す。
「俺と小牧で下から。手塚と笠原は上をしらみつぶしに当たれ。」

手塚は郁に目配せすると 渡された銃を持って非常階段から回る為に駆け出した。郁も追う。
5階に上がると 息を潜めて非常口の戸を郁が開け、手塚から静かに侵入した。ここは4階と同じく古い資料室が並ぶ。近年各書庫の出入口に電子キーのシステムが設置されたので、書庫自体は古いが電子盤だけは異様に新しく見える。
静まり返ったフロアに神経を張り巡らせながら、端から2人で確認していった。


「当麻先生への探りなら、こんなところに来ないよね。」
3階の利用者は既に退館している。小牧は誰もいない閲覧室や視聴覚室に人影がないか、不審物はないかを確認しながら訝しんだ。
当麻自身は寮の客室で警護されながら生活している。既に処分されている江東元特等図書監繋がりの動きとも考えにくい。
しかし良化法賛同団体の中には過激派も複数存在し、裁判問題に便乗して混乱を促そうとする動きがないわけではない。
堂上と小牧は警戒しながら階段を上がり、不審者の目撃があった4階通路を目視する。銃を構え直して腰を落とすと 足音を忍ばせながら呼吸をあわせて素早く身を進めた。
と、その先。
僅かに動く影。
滅多に使われない細い搬入用階段に消えていく影を見逃さなかった。


手塚と郁の無線に堂上の低い声が入った。
「搬入階段上で待機。ターゲットは1人。但し 周囲に留意しろ。」
手塚が階段右の壁に張り付く。郁は左。資料室を背に耳をすますと、階段を上がってくる足音が微かに聞こえてきた。手塚とタイミングを合わせるべく、銃を握り締めた。
と、突然郁の後ろの資料室の戸が開き、中から伸びてきた腕に襟首を取られて引き込まれた。
「!!」
「笠原!」
手塚には階段を上がってきた男が飛びかかってきた。接近戦で銃を使うわけにはいかない。手塚は身を翻して男の攻撃を躱すと、階段に向かって男の背を蹴り飛ばした。
手塚の声を聞いて駆けつけた小牧が転がり落ちてきた男を拘束する。それを確認した堂上が階段を掛け上ると、資料室から大きな音が響いた。
資料室内では、郁と男が揉み合いになっていた。相手は良化隊の装備はつけておらず、それなりに体格はいいが構えは素人だ。戦闘員でないことは明らか。しかし男が腰から抜き出した武器は、棍棒。非常に単純な武器だが この状況では郁は完全に不利だ。背の高い書架に囲まれ、足元には無造作にダンボールが置かれており、振り下ろされる棍棒から逃れるのに精一杯で攻撃する間がない。
こんな時はどうする?教官なら?
格闘技訓練なら散々堂上に絞られた。特に腕力で不利になる肉弾戦は容赦なく叩き込まれている。
振り回される棍棒は 堂上の拳ほど早くはない。右に左に避けて掻い潜り 相手の懐に入り込むと、顎をめがけて銃を持った腕を突き上げた。


手塚が資料室に駆け寄ったところで 棚の倒れる音と本が流れ落ちる音がひときわ大きく響き、中から顎をおさえた男が転がるようにして飛び出してきた。反動で勢いよく戸が閉まる。
ふらふらになりながらも非常口に向かって脇をすり抜けようとする男を手塚が逃すはずもなく、棍棒を銃の柄で叩き落とすと 難なく倒し沈めた。

ガチャン

突然照明が落ちた。
まだ日が落ちきる前だが、窓枠の小さな通路は薄暗くなった。男2人を拘束して警戒するが、近くに仲間の気配はない。

無線が入った。
「こちら斉藤。侵入者によってケーブルが切断された。犯人は拘束したが 非常電源もやられて普及には時間が掛かりそうだ。」
「こちら堂上。男2人を拘束。他に侵入者は見当たらず・・・」
無線報告していた堂上が、何か気付いたように資料室の戸に飛びついた。
「笠原!?笠原!!」
戸はびくともせず、電子キーが掛かったまま電子盤の画面は真っ暗だ。予備電源にも繋がらない。
「クソっ!笠原!!」
全力で叩き、体当たりするほど必死な堂上を小牧が制した。
「落ち着け 堂上。電源が普及すればすぐに開く。どうやら他に侵入者はいないようだから、笠原さんも少し待てば────」
「待てるか!」


遠くでガンガンと音がする。
いつの間にか気を失っていたらしい郁は目を開けた──はずなのに真っ暗だ。何も見えない。
身体を起こそうと力を入れるが、狭い空間に挟まれているようで身動きが取れない。
どくん、と心臓が跳ねた。
「痛っ・・・」
右足に大きな物が乗っかっていて引き抜くこともままならない状態だ。
この状況に一気に覚醒する。
ここは資料室の中だ。男と揉み合いになって 力づくで相手を吹っ飛ばした弾みに棚が倒れてきて・・・その後の記憶がない。
暗闇の中、ガンガンと音が鳴り響く。微かに聞こえるのは、自分の名を呼ぶ堂上の声。
(教官!ここです────)
喉が貼り付いて声が出ない。
閉じ込められたんだと理解すると、胸の鼓動が忙しくなり息苦しく感じられ、背中に汗が吹き出てきた。
手を伸ばすが 虚しく空を切るばかり。


堂上の耳に甦る、稲嶺邸から逃走する際の 密閉されたコンテナでの郁と当麻の会話。
『あたしもちょっと閉所恐怖症気味で・・・』
暗闇で見えなかったが、気丈な声の中に不安の色が濃く浮き出ていた。
あんな彼女を独りにはしたくないのに。
「笠原!!」
硬い扉に阻まれて、堂上の声は反響するばかりだった。
20:56  |  図書戦  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2015年07月02日(木) 13:52 |  | コメント編集

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