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2015'07.12 (Sun)

「闇に咲く」後編(リク2)

こんにちは。ジメジメ雨が続いて寒いくらいの毎日でしたが、天気になると真夏日!。ちょ、その中間が欲しいんですけど(^^;)、な気候はここ数年変わらずでしょうか。穏やかな四季の移り変わりって もう望めないんですかね。

さて、先日 登校して行った娘から朝LINEが入りました。
『ブラ忘れた(笑)』
・・・?。まさかね。その一言だけだったので、部活で大量の汗をかくけど 着替えのブラを忘れたのかな?と。そりゃ揺れるほどない郁ちゃんサイズだけど、まさかノーブラで行く女子高生なんて(*≧∀≦*)・・・
マジでノーブラでした。部活ではタンクトップ1枚で激しく動く娘。よりによって偉い先生も来てくれるって日で、仕方なく母は娘のブラ○ャーを届けましたよ。裏口からブラ入り紙袋をポーンと放りましたよ。
前日は「ノーブラの日」だったそうですが、女子として如何なものかと(o´д`o)。
堂上さんに「やる気ありすぎだろう」と突っ込んでもらいたい日でした。

さて更新です。数日前に書き上げたものの、何だか長くて。切りどころも(●´^`●)。で、切ったり貼ったりしつつ 結局我が家にしては長いのですが後編です。この後に「の後で」で都合つけようかと。
リク内容は最後です。
捏造その他諸々は御承知おき下さいね←

↓こちらから どうぞ


【More】

「闇に咲く」後編(リク2)


「閉所、恐怖症?。笠原さんが?」
小牧が眉根を寄せた。
「ああ、そんな深刻なわけでもないらしいが。」
それでも。強そうに見えてそうでないのは知っている。平気だとうそぶいてみせて 影で泣いているのも、悔しくて涙が止まらなくなるのも────閉所の暗闇で重ねた指が震えていたのも。
入隊した時から散々見てきたのだから。
検閲に立ち向かう勇気ある背中を持ちながらも、俯いて泣いていた非力な少女が笠原郁なのだ。
あれから、どんなに鍛えても どんなに食らいつくようになっても、だ。堂上は拳をギリギリと握った。

必死に郁を案ずる堂上の横顔に小牧は力強く頷いた。
「だとしたら、早く出してあげないと だな。」
どんな気丈さを持ってしても、深層の恐怖心は頭をもたげてくるはずだ。
毬江が痴漢の被害にあった時、助けを求めていたであろうその場に なぜすぐに行って助けてやれなかったか、悔しくて堪らなかった。この世で1番守りたい女の子なのに。少しも傷付けたくない女の子なのに。だから堂上の握られた拳の意味がよくわかる。
堂上にとっては もうただの部下でなくなっているに違いない郁が、今 この扉の向こうで恐怖に震えているのか分かっているのに、どれだけ手を差し延べたくても叶わないのだ。その胸中は痛いほど伝わってくる。

扉を叩き続けていた堂上は、一歩引いて注意深く辺りを見回した。
「──小牧!」
堂上の視線の先を追って直ぐに理解した小牧が手塚に目配せすると、手塚は瞬時に走り出した。


暗闇に全てが吸い込まれるようだ。現実感覚が薄まってくるのがわかる。
郁は閉じ込められている息苦しさに敢えて深く息を吸い、下唇を噛んで意識を保つよう心掛けた。
資料室には本の劣化を防ぐのに窓はない作りとなっているため、僅かな光も見当たらない。
「平気よ。平気・・・。」
病的な恐怖感に襲われることはない。ただ、ちょっと他のことより苦手に感じるだけのこと。自分に言い聞かせるようにそう言葉にして誤魔化すしかない。
ガンガンと聞こえてくる音は、きっと堂上が助けに行くと約束してくれている音。しかしその音も遠のいてきた。代わりに聞こえてくる声は────


『もういいかーい』
『もういいよー』
『まだぁ〜』
幼い子供達の声。
ああ、うまく隠れなくちゃ 直ぐに見つかっちゃう。末っ子の行動パターンなんて お兄達にはお見通しなんだから、今日はうんと難しいところに隠れてやるんだ。もう1年生になったんだから、バカになんかされたくないもん!

そうか、あたし、かくれんぼしてるんだ。

意識が混濁する。

中兄ちゃんは探すのがうまい。でもここなら・・・。実は数日前から狙いは付けていた。いつもの公園の奥にある 茂み脇の管理倉庫。近所の男の子と遊んだ時に鍵が壊れているのを発見したのだ。
歪んだ引き戸を開けてこっそりと忍び込んだ。キッチリ締めれば気付かれることはないだろう。ドキドキしながら息を潜めて隠れていた。
・・・・・・いつの間に眠ってしまったんだろう。あたりはすっかり薄暗くなっていた。
『ふふ、見つからなかったんだァ。中兄ちゃん、悔しがってるだろうな。』
外に出るため引き戸を開けようと手を掛けると、ガタンと音をたてて止まった。
『あれ?』
思い切り力を入れてもガタガタいうだけで動かない。僅かに開いた口からは腕が半分通る程度。
『う、うそっ!』
足で蹴る。体当たりする。
しかし郁の小さな体ではびくともしない。
『やだ!出してぇ!中兄ちゃんっ!小兄ちゃーん。』
大声で叫んでみても、いつまで経っても誰も来ない。公園は山茶花の生垣で囲まれている。今は剪定前で、伸びた新芽に奥の管理倉庫は隠れてしまっている状況だ。日が落ちてきてどんどん暗くなってきた。
『助けてー!誰かー!』
声を出していないと迫り来る何かに押し潰されてしまいそうになる。
戸を叩く手は痺れ 声が枯れる。

『────っ!』



「堂上二正!」
手塚が握り締めて持って来たものは、図書館の建築設計図。堂上は奪うようにして床に広げた。目的はエアダクトの経路の確認。貴重な書物の管理には空調設備が必要不可欠であり、武蔵野第一図書館のエアダクトは通常の建物より広く取ってある。電子キー設置の際に一部空調も新調されているこの設備はまだ新しい。
「あそこからより───ここ。」
小牧の指が一点を指した。先ほど見上げていたダクト口より直結のルートで、資料室の向かいの部屋の天井に設けてある別のダクト口だ。
「俺が行く。」
こんな時、小柄な体格がモノをいう。今は感謝だ。
堂上は手塚の肩を借りて天井に手を伸ばしてダクト口の格子カバーを力一杯剥がし、指をかけてグイっと身体を持ち上げた。中は堂上がギリ通れるか。それでも一般的なエアダクトよりずっと広い。手塚がそのまま堂上の足を持ち上げて送り込んだ。
「小牧、指示をくれ。」
堂上は小型懐中電灯を手に 匍匐前進でエアダクト内を進んでいく。途中風量調整の為のダンパーがあるのが問題だ。
「8m先を右に────その先が唯一のダンパーだ。」
もし溶接されていたら ただの行き止まりで、郁の元にたどり着けない。堂上は鉄格子部分を握って力を入れた。
期待半分だったがガチャンと外れた。さすが稲嶺顧問の仕込み車椅子の設計者が関わったという工事なだけある。あらゆる想定を考慮したのか、ただの趣味なのか。我が後方支援部の人材は優秀である。
「案外どこかに隠し扉とかあるんじゃないか?」
そう呟きながらもインカムから聞こえてくる小牧の誘導で郁のいる資料室のダクト口までたどり着くと 足で蹴飛ばして室内に侵入を果たした。

懐中電灯を巡らすと、倒れた書架と壁に出来た狭い空間に郁を発見した。
「笠原!」
ぐったりした郁に駆け寄って抱き起こそうとしたが、足が挟まっていて動かせない。堂上は書架の下に肩を入れ込み力の限り上げると、郁の身体を引きずり出した。
大きな怪我はなさそうだ。ヘルメットを外し、ペチペチと頬を叩く。
「笠原、かさ──」
すると郁のごく薄く開いた目が、急に見開いた。
『────っ!!』
声にならない悲鳴をあげながらめちゃくちゃに拳を振り回す郁は、そのうち堂上の胸を叩きだした。パニックに陥っているのは明らかだ。
「っ、落ち着け!笠原っ!おいっ!」
全く耳に入っていない様子に、堂上は振り回す郁の腕ごと強い力で抱き締めた。
「大丈夫だ。もう独りじゃないから。────俺がいる。」
抱き締める腕の力とは逆に、ゆっくりと落ち着いた低い声で 郁の耳元に繰り返しふきこむ。
やがて郁から力が抜けると、堂上は郁の背中をポンポンと叩いて体を離した。
「落ち着いたか?」
「大にぃ・・・。え?きょ、教、官・・・?。あ、ここは・・・」
まだ僅かに混乱しているのか、状況が理解出来ない。
「不審者と争って お前は本棚の下敷きになったんだ。そのあと別の侵入者に館内のケーブルを切断されて、今は資料室に閉じ込められた状態だ。」
あ、と郁に記憶が蘇る。
「犯人は!?」
「全員確保した。お前の攻撃喰らった男は、顎が砕けてるかもしれんな。」
わざと軽く言葉にするのは 場の雰囲気を和らげるため。
「・・・真っ暗。」
「あほう。お前が暴れるから懐中電灯が────」
郁が振り回した腕に当たって、堂上が持っていた懐中電灯はだいぶ飛ばされたらしい。離れた場所の散らばった本の隙間に 仄かな灯りが見える。
「待ってろ。」
灯りがあれば少しは気が紛れるか、と 堂上は懐中電灯を取りに行くために郁から離れようとした。
「やっ・・・」
咄嗟に郁は堂上の袖を掴んだ。2人動きが止まる。
「あ、いえ・・・その・・・」
袖を通して伝わってくるのは、郁の微かな震え。
堂上はそのまま郁の隣に腰を落とすと、身体が触れ合う位置に座った。
「じきに電気は回復する。それまでの辛抱だ。」
「・・・」
頷く気配はしたものの、郁は堂上の袖を握ったまま黙り込んでしまった。
郁にとって、この閉鎖空間に堂上の存在は絶大だ。不意に襲ってくる恐怖と隣り合わせであるこの状況に、縋る手が離せないでいた。
これまでも堂上は 郁が泣いているといつだって探し出しては近くで寄り添ってくれてきた。いつもより近くに座ってくれているのは、臆病な部下に対する堂上の上官としての優しさか。
懐中電灯の光は互いの表情を捉えるほどの位置にはない。
この暗闇では 例え迷惑と思われているとしても そんな表情を見なくてすむ。郁にとって都合の悪いことが排除できるのは好都合。もう少しこのままで。
だが暫く無言でいた堂上に 袖を握っていた手が外され、郁の緊張が走る。
(やっぱり迷惑だったんだ。鬱陶しいよね・・・。)
震えと共に涙が滲む。
その郁の手から、戦闘用のグローブがそっと外された。ジャリっと音がして堂上もグローブを外した気配がし、外気を感じた郁の手に 堂上の手が包み込んできた。
そして 互いに汗ばんだ手だが、するりと堂上から指を絡めてきたことに 郁の心臓は早鐘を打つ。
「お前、今ほっぺた真っ赤だろう。」
突然耳元で堂上の声がして飛び上がりそうになった。
「な、なんでわかるんですか!?」
咄嗟に答えて口を反対の手で塞ぐ。クッと堂上が笑ったのがわかった。
「もうっ、教官は意地悪です。」
いくら夜目が利く戦闘職種であってもこの暗闇では郁の顔色など分かるはずはない。
カミツレのお茶を一緒に飲みに行って以来、心臓に悪い堂上の言動に振り回されてばかりだ。

「教官は────」
何かいいかけて、やめた。その代わり絡めた指に力を込めた。
「さっき、あたし、教官のこと 大兄ちゃんと間違えちゃいました。」
「大兄ちゃん?」
「うち3人兄がいるんですけど、1番上の兄のことを大兄ちゃんといいまして。子供の頃かくれんぼして 誰かどうしても最後まで見つからない時は、大兄ちゃんが探しに出るんです。」
怪訝な様子の堂上に、先ほどまで見ていた夢の・・・いや、過去の記憶を話した。話していればいろいろ気が紛れる。
「そうしてもう泣き疲れちゃって諦めた頃に、大兄ちゃんがあたしのことを見つけてくれたんです。一緒にかくれんぼしてたわけじゃないのに、やっぱり中兄ちゃんより探すのが上手いんです。やっと戸が開いて助け出された時には夜になっていて・・・でも大兄ちゃんの後ろに山茶花の花が見えたのを はっきり覚えています。」
みんなが懐中電灯を持って そこら中を探し回ってくれていた。その明かりに照らされた山茶花が闇夜に綺麗で。
「何でかなぁ。教官の後ろにも山茶花が見えた気がしたんです。だから真っ暗なのに外に出たんだって ホッとして、安心しました。おかしいな、今もまだ閉じ込められたままなんですよね。苦手なはずなのに、こうしてると・・・」
キュッと手を握った郁の言葉が途切れて、静寂が訪れる。
堂上はこんな話をしている郁の顔が見たいと思った。あの時のように真っ赤な頬なのか?。絡めた指はそのままに、空いている手で郁の頬を手探りで探り当てる。
暗闇で見えない表情を求めるように郁の顎に指を滑らせて引き上げても、抵抗せずにされるがままの郁に堂上は────


バチン と音がして明かりがついた。急に眩しくなって目がくらむ。
直後にピッと鳴って電子キーが解錠されて扉が開くと、小牧が真っ先に飛び込んできた。
光に手をかざして顔をしかめた堂上と郁は扉のほぼ正面にいた。
「おっと。・・・もう少し後の方が良かった?」
2人無事な様子に安堵した小牧は口角をあげる。
「・・・余計なお世話だ」
堂上の胸にもたれかかるようにして眠っている郁の寝顔は、汗をびっしょりとかきながらも安らかで。しかしかなりの緊張感を持っていたことは確実だ。
眠っていたのか。どうりで────
「後は任せて、そのまま救護室に運んであげなよ。どうせ、外れないんだろ?」
小牧が指をさしたのは、2人素手で指を絡めたまま握りあっている2人の手。
「違うな、外さないのか。」
頬を緩めた小牧は、斎藤班に応援を頼み 手塚と室内検分を始めた。派手に倒れている書架に手を掛けると、思い出した様に堂上を振り返って言った。
「後方支援部からの伝言。『よくぞミッションインポッシブってくれました。作った甲斐があったよ。』だって。どうやら 俺達の知らない仕掛けが図書館には装備されているらしいよ。」

稲嶺顧問の改造指示は、車椅子だけではなかったらしい。
無事事件が解決して 玄田の高笑いが聞こえるようだった。


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リクエストはゆっこさんで、「堂上班に降りかかる事件を4人の信頼で解決するお話をお願いします。」 でした。
特に堂上と小牧のバディが好きとのことで、組み合わせを堂上・小牧組と手塚・郁ちゃん組で書き始めてみました。堂郁のラブラブを入れたら小牧の影が薄くなっちゃったんですけど( ̄o ̄ゞ。
さて、今回出てくるエアダクト。映画とかではお馴染みですけど、現実的じゃないよ~なんて言われるかな。しかし図書戦には仕込み車椅子なんぞが出てくるではありませんか(〃∀〃)。きっと後方支援部には ヤマトの真田さんなみの隊員がいるのよ!って都合よく解釈(*´艸`)。
てなわけで、ミッション・インポッシブるのは兄貴も同じwww。
班の話というよりも郁ちゃんの閉所恐怖症ネタに焦点がいっちゃいましたが、ゆっこさん リクエストありがとうございました。





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 | 2015年07月13日(月) 07:23 |  | コメント編集

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