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2015'08.16 (Sun)

「靭やかな時間」

こんにちは。
長い長い夏休みも、このお盆を過ぎるとあっという間?かと。
おかしい、こんなに日にちがあったのに、なぜ宿題が残ってる?なので 宿題に追われて夏休みの終りだけ時間が早まるんですよね。
休みの日は家族の予定に振り回されるばかりなので、もう自分のアレコレは諦めています。ってことで放置癖のついたこちらのブログ(^ω^;)。
でも 珍しくぽっかり纏まった時間が空いたので、書きかけのお話を仕上げました。
いえ、連載でもリクエストのでもないのですが。ちょっと落書きして、下書きのままですが色を塗ってみたイラストに、せっかくだからお話つけてみました。雑誌のお姉さんの脚がすこぶる綺麗でして、ついムラムラっと郁ちゃん変換←。夏ですし、サービスしてみました(我が家比)。

では久しぶりの更新です。途中そのイラストを入れてみたのですが、例の如くワカランちんなので・・・。ホント 学習しない頭。んで慌ててアップなので変なところあったら教えて下さい。この機会逃すとまた暫くできないかもなので。
夫婦期です。新婚さんだな。
↓こちらから どうぞ


【More】

「靭やかな時間」


今年の夏は特別暑い。
それでも日々の鍛錬に努めているのだから、公休日はゆっくりと身体を休めたいところだ。
夫婦して同じ部署同じ班なので 公休日も同じなのは非常に助かる。

午前中に買い物を済ませて午後はのんびり過ごす贅沢を味わうのも立派な計画だ。普段大人数の中で賑やかにしていると、意識して時間を作らなければ2人きりを堪能できやしない。休日返上で出勤する事もある堂上だが、今日は完全休業を宣言してきた(主に隊長に)。
元気なりに少々夏バテ気味の郁に休憩を。堂上自身 読みかけの本があるから読書の時間を。
体調を崩さないようしっかり食べるのも仕事のうち。食材は一般家庭より豊富に買い込んでいるから、2人して両手に下げて運んできた パンパンに膨らんだショッピングバッグを玄関に並べると壮観だ。これだけの材料もあっという間に終わってしまうのだ。目を合わせるとくすりと肩を竦めた。
「よし こっちは俺が片付けるから、郁は洗濯物見てくれ。」
堂上が手際よく冷蔵庫や保管庫に整理して収納し始めると、郁はベランダに出て行った。
「わ、もうほとんど乾いちゃってるよ。大物も後少しってとこだね。干場があくから、十分第二弾行けるよ!」
シーツはもう少し日に当てておこうか、と他の物を取り込み、新しく洗濯機を回す。風も程よくそよいでいて、見事な洗濯日和だ。
洗濯物をたたみ終わった郁は、ソファーの肘掛けから腰を落として う~んと伸びをして後ろに倒れ込んだ。締め切っていた部屋は蒸し暑く、換気をしてからエアコンを付けてある。
「気持ちいい〜。」
ポスンと寝転がって見上げた天井は真っ白だ。窓辺に置いたガラスの置物から反射した光が一筋映っているのを見て目を細めた。
穏やかな時間。
大好きな人と結婚して得たこの空間は、思っていたより静かに流れる。
普段の夫は、職場の性質上 叱咤激励が過度なほど厳しい上司ではある。しかしその分プライベートでは優しく甘いのも知った。
奥さんとしては まだまだ発展途上・日々鍛錬なのだが、舵取りのうまい夫と二人三脚でなんとか切り盛りしていけそうだ。

「お疲れ。」
一通り収納を終えた堂上がキッチンスペースから出てきた。マメな男は下処理して冷凍保存までこなして。
「わ、なんて格好だ。」
すっかりリラックスモードな郁の姿に虚をつかれた。
「外 暑くて汗かいちゃったから。篤さんも着替えてサッパリしたら?。まだ洗濯機かけたばかりだから放り込めば間に合うし。」
脱いでちょうだい、というように手を伸ばして来た郁の姿は、上からすっぽりと長めのカットソーを被っただけの装いだ。辛うじて腰が隠れる裾の先から、スラリとした脚が伸びている。
いつもは訓練服で覆われている郁の肢体は、白く靭やかだ。開放感溢れんばかりに突き上げた 筋肉の引き締まった形の良い脚は、瑞々しく艶やかで汚れのない────とは褒めすぎかもしれないが、堂上の視界には十分すぎるほど艶かしく映り込む。
「こら、あんまり冷やすなよ。」
堂上の手が さらりと郁の髪を梳き、柔らかな頬に触れる。その手を気持ち良さそうに受けて目を細めた郁に下から除きこまれた形の堂上は、えも言われぬ愛おしさが込み上げてくると、掌はそのままに親指でそのふっくらとした唇に触れた。
守りたいものがここに在る幸せ。その確かな手応えを感じながら、ゆっくりと目を閉じる郁の顔に吸い寄せられていった。

靭やかな時間2


ピンポーン

玄関のチャイムが鳴った。
「あ、柴崎と手塚が来るんだった!」
は?聞いてない。
というより。
「こら、待て待て待て。」
ぴょんと弾みを付けて起き上がり、そのまま玄関に飛んでいこうとする郁の腕を捕まえた堂上の眉間の皺は深い。
「そんな格好で出て行こうとするな!」
柔らかなブルーのカットソー1枚姿の郁は、言われて視線を自分の身に落とした。少し肩から落ちた襟元を引き上げる。
「変ですか?」
「変とかじゃなくてだなぁ、」
面白く無さ気な様子の堂上に 初め首を傾げた郁だったが、「あぁ。」と何とか察しがついたようだ。
「柴崎ですよ?」
「柴崎だけじゃないだろが。」
「手塚だし。」
「手塚でも、だ!」
その格好の破壊力を理解していない郁に堂上はイラつきを覚え、少々乱暴に引き寄せた。
そして有無を言わさず唇を塞ぐ。驚きの声は飲み込む様に。
早々と深いキスに移りながら、郁をソファーの肘掛けに座らせる様に追い込むと、一旦唇を離して顔を覗き込む。郁の目が潤みを帯びたのを確認したら、何か発しようとしたその唇を覆い被さるようにして再び塞ぐ。先のキスで濡れていた唇は容易く堂上の舌の侵入を受け入れ、弱いところを突かれればたちまち郁は翻弄される。
優しくてそれでいて何か引き出すような少し意地悪なキスに酔いつつあった郁の耳が2度目のチャイムを捉えても、どこか遠くに聞こえるだけ。
唇を離した堂上はそんな郁を見下ろして言った。
「その顔晒す気があるならどうぞ。」
とん、と肩を押して 郁をソファーに沈めると、キス以上に意地悪な笑みを浮かべて1人でチャイムが鳴った玄関に出ていった。

鍵を開ければ にこやかな挨拶をする柴崎と、荷物を持たされて会釈をする手塚が立っていた。
「お邪魔します 教官。───あら、笠原は?」
柴崎は軽く挨拶を済ませ、ひょいと堂上越しに玄関奥に視線を送る。
「あいつは今手が離せない用が出来たから暫くダメだ。」
淡々と話す堂上の言葉に柴崎は唇を突き出した。
「もー、お昼過ぎに行くって言ってあったのに・・・。」
が、ふと何かに気付いた柴崎は、片眉を上げると 優美な笑顔を向けて「なるほどね」と言って付け足すようにくすりと笑った。
「じゃ、コレを笠原に渡して下さいね。ほら、手塚。」
柴崎が突っ立っている手塚に荷物を渡すよう促すと、手塚は怪訝な顔をして言った。
「来るの分かってるんだからすぐ終わるんじゃないか?。説明がいるんなら少し待たせて貰えれば・・・」
「いいのよ、後でメール入れておけばいいことだから。ね、教官。」
「そういうことだ。」
ひょいと手塚から荷物を取り上げた堂上は、すまんな とさっさと戸を閉めた。


玄関脇に荷物を置いた堂上がリビングに戻ると、郁はソファーに沈められた姿のまま 両手で顔を覆っていた。
ソファー脇に立った堂上の気配に、郁は掠れた声を出した。
「・・・絶対、柴崎変に思った。」
「じゃあ 自分で取りに出れば良かっただろ。」
「だって────」
堂上は郁の顔を覆った手を外す。
「ズルイ」
小さく言い放って 堂上の視線から逃げるように背けるが、頬に朱を残した可憐極まる女の顔は堂上の視界にしっかり映る。膝を折りその顎に手を掛けて正面を向かせ、無理矢理にでも視線を合わせると、郁の頬はみるみる紅く染まった。
「誘うからだ。」
「え、誘ってなんて────」
「さそわれた。」
するりと撫であげた脚が 肘掛けの上で跳ねた。



手塚はなんとなく無言で柴崎の一歩後ろを歩いていた。
図書館の夏祭りイベントに使う小道具の打ち合わせをするんだと、柴崎は公休を合わせて堂上家にやって来たはずなのに。ついでに夏物バーゲンに誘い出し、あぶれた堂上の相手兼荷物持ちにと手塚を引っ張りだして来たのだと、さっきまで楽しみに話していたはずなのに。別段ガッカリした様子はないが。
「少しくらい待ってれば良かったじゃないか。楽しみにしてたんだろ。」
荷物持ちの回避は有難いが、見ていて不本意な嫉妬を覚えるほど仲の良い元同室の友人同士、久しぶりの外出を楽しみにしていたのだろう。
「あんた、馬にでも蹴られたいの?」
「は?」
「来るの分かってて『今は』出られないってんだからさぁ。まあ、いろいろ想定されるけど、教官のあの様子では正解よね~。」
「・・・意味分からん。」
「居留守使ったなら意地悪してやんなくはなかったんだけど〜。」
「・・・ますます分からん。」
あの2人のそばにいるなら、このくらい察しが悪い方が丁度いいかしらね、と半分呆れるがそれも良し。
「暇になったし、バーゲン付き合って。」
結局 荷物持ちからは逃れられなかった。手塚の場合は、それで良し。

そんな夏真っ盛りの公休日。



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 | 2015年08月20日(木) 01:13 |  | コメント編集

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