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2012'11.14 (Wed)

「正しい 移送の仕方」

玉子を買い忘れた英香です。いかん、もう一度買い物行かなくっちゃ。ここで余分な物を買わない事を祈ります。
更新です。色々捏造いいよね?。上官・部下 内乱辺り

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「正しい 移送の仕方」


郁と手塚は慎重に辺りの気配を探りながら 住宅地を歩いていた。郁のショルダーバッグにはハードカバーの本が5冊入っている。

玄田から蔵書移送の護衛にあたるよう指示されていた。
図書館にほど近い住宅地。ここに某私立大学名誉教授の自宅があるのだが 先月亡くなり、夫人の希望で自宅書庫の整理を兼ねて 蔵書の寄付を申し込まれたのだ。中には検閲対象図書が含まれており、良化隊の奇襲に会う恐れがあった。基本個人の財産に手出しするのは法に触れるが、自宅から出て図書館に入る移送の間は所有権が何処にもないとみなされる。これまでも良化隊との交戦が実際あった。
今回の検閲対象図書は5冊。しかも歴史的価値の大きい蔵書だった。良化隊が無理をする可能性があると判断された。そこで ワゴン車で他蔵書を移送する間に 堂上班は単独で対象図書を別移送する作戦に出たのだ。
良化隊がワゴン車を監視しているのを確認して 裏口から郁と手塚が出る。教授宅に出入りする大学生に扮してラフな出で立ちだった。念のためだろう、2人の良化隊員がその後ろを付けてくる気配があった。
路地に入っても続く尾行。途中自販機で飲み物を買って様子を見た。1人いない。
と、反対側から男が声をかけてきた。
「おい、鞄の中を見せろ。」
「なんで~?。女の子の鞄の中を見るなんておじさん、サイテー。」
郁は女子大生の口調で応えて手塚と目で合図する。
ここから図書館まであと少し。郁の脚で逃げ切れる自信はあった。地図は頭の中に入っている、はず。
「いきなり失礼ですよ。」
手塚が男に言うと 突然男が郁のバックに手をかけた。手塚が間に入ろうとすると もう1人が走って来るのが見えた。携帯で仲間を呼んだらしい。
「行け!。」
手塚は男を掴むと駆け寄った男に向かって放り投げた。
郁はバックを抱えて路地を駆け抜ける。後ろで手塚が時間を稼いでいる。右に折れて左に向かったところで 正面から別の良化隊が来た。視線を巡らせ 細い路地に入り込む。坂を上るとそこは行き止まりだった。
「しまった!」
ここは高台だ。柵を越えれば下の道に出られる。が 高いか。
新手の良化隊とそれを追った手塚が来た。郁は柵に登る。
「よせ!!。」
バックを抱えた郁は後ろ向きに落ちていった。残されたのは真っ青になった手塚と良化隊員。

追われていると連絡が入った堂上と小牧は車で住宅地内で待機していた。上から声がしたので堂上は外に出て見上げると、高台に郁の姿を捕えた。「笠原!。」声をあげて下に回ろうとしたら、とんでもない物が降ってきた。
グラリとバランスを崩した郁がそのまま落ちてくる。必死になって受け止めると衝撃をやわらげる為に2、3回転がる。小牧が廻した車に勢いのまま乗り込めば、そのままタイヤを軋ませて走り去っていった。
柵に駆け寄った手塚と良化隊員は 呆気に取られてその一部始終を見ていた。

基地敷地内に無事到着し、小牧は車を止めた。
堂上と郁は肩で息をしていたが、郁はショルダーバッグを突き出し「任務完了しました。無事です!。」と自慢気に顔を上げた。
「か―――さ―――は――ら――」
地に響く様な声を出したのは堂上だ。郁の首根っこを押さえながら車の外に降ろした。
「ひゃい。」
郁も覚悟を決めたようだ。
「よもや人ごと降ってくるとは思わんかったぞ。」
「う、でも教官だし…。呼ばれたし…。」
「普通 鞄だけ放り投げるなりするだろう!。」
「ほら、でも無事でしたよ?。」
「あのな――。」
小牧は肩を震わせながら 2人のやり取りを見ていたが、
「手塚の回収に行ってくるよ。」
と車を出した。長くなりそうな説教だった。
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