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2015'10.19 (Mon)

「日常のしるし」(リク5)

こんばんは。
今日は日中暖かかったです。こんな晴天に1019(堂郁)の日。映画も公開され、多分盛り上がっていることでしょう!
が、我が家は通常更新です。ひっそり営業中なので、最近書いてて寂しい気もしなくもない微妙なテンション。ひゅるりら〜なんでしたが、映画、観てきましたよ‹‹\(´ω` )/››‹‹\(  ´)/››‹‹\( ´ω`)/››。
最初はお友達と。週末には家族と。今のところ2回。今のところです。まだ前売り券使ってないし( ̄∇ ̄*)ゞ。
アクション、更にアクション!。え?キュンは?←と映画続々編へと期待させる教官を、何度も観に行きたくなりました。
もう!カッコイイ!につきますね。メロメロです。

更新です。リクエストになります。上官・部下の県展後。もちろん原作添いですので、頭切り替えねばですよ(^Д^)。
↓こちらから どうぞ


【More】

「日常のしるし」(リク5)


堂上と部屋飲みしていた小牧は、静かに?腹を抱えて笑った。やがて落ち着き、空になっている堂上のビール缶に1人カツンと合わせ自分のビールを飲み干すと、珍しく机に突っ伏すようにして寝息をたてている堂上を眺めながら苦笑混じりに呟いた。
「さっさと楽になっちゃいなよ。」
激しく苦しかった攻防の記憶は新しいが、友人の近い未来に明るい光を垣間見た小牧だった。



玄田隊長をはじめ多数の負傷者を出した茨城県展の攻防から関東図書基地に帰ってきた特殊部隊の面々。
重傷の玄田は茨城の赤十字病院に入院したままだが、帰還してきた隊員は副隊長の緒形を隊長代理として通常業務に戻っていった。
負傷した隊員もほぼ復帰した頃、自然と飲み会の話が出た。いろいろと難しい話は幹部の指示に従うしかない。ただ飲んで騒いで、そして自分達の仕事に向き合う。いつもの光景だった。

「笠原〜、遠慮なく飲めよ〜。」
小田原では別行動だったが、大規模戦を初めて経験した郁を 皆がねぎらう。怯まず前を向いていた郁を特殊部隊の面々は見ていた。自慢の娘っ子だ。
いつもの居酒屋のいつもの座敷で郁にアルコールをすすめていた。
「あー、今日は遠慮しておきますよ。食べたい気分ですし。」
郁はちらりと座敷の入り口に視線をやりながら掌を胸の前で振って断わる。
「そんな事言わないで飲めよ。ほら、コレなんか甘いぞ。」
「まだこっちのは飲んだことないだろ。挑戦するか?」
郁の前にはカラフルなカクテルが並ぶ。
「きれ〜ぃ。」
でも。
今日は堂上はまだ来ていない。何かと残務処理がある中、緒形の補佐として書類に埋もれているのを事務室を出てくる時に目にしたのだ。「後で行く。」とはいつになるやら。
例の如く酒は飲むなと釘を刺されてはいるが、フルーツの沈んだ美しい色をしたカクテルに、「ちょっと舐めるくらいなら」と誘惑される。甘い香りの見た目ジュース。郁は淡いピンクの液体の入ったグラスを傾けてちろりと舌に転がせた。
舌に乗せただけで熱く感じるが、ほんのり甘くて苦味が薄いから飲みやすそう。
これなら もう少し────
郁がもう1度グラスに唇を寄せると、いきなり上から手が伸びてきてそのグラスを奪っていった。
「なにこんな度数の高いもん飲んでるんだ。」
残業を終えた堂上だった。
「え、そうなんですか?」
見た目で騙されるな、と指導を入れつつギロリと郁の前にいる進藤を睨んだ。
「大体怪我人が酒だなんて調子に乗るんじゃないですよ!」
進藤は右腕に被弾し重傷を負ったが、幸い骨や神経に重大な損傷のない貫通痕であり、リハビリ次第で元の状態に戻せる。
「いや怪我人だからな、酒は控えるようにカミさんに言われてるんだよ。多少の酒くらい平気なんだけどな〜。」
普段なら好きなだけ呷る進藤も、家族に心配をかけた手前暫く大人しくするしかないとボヤく。いつ何があってもおかしくない仕事だ。覚悟をしている と気丈に振る舞う夫人の顔に かえって申し訳なさが先に立つ。泣かれるより辛いんだよな、といつかの抗争の後に呟いた進藤の言葉は印象深かった────と感慨にふけっている場合ではない。
「だからさ 笠原、俺の代わりに飲めや。」
ヒヒヒと笑う いたずらな顔はいつもの進藤だ。
「ちょ、どうして笠原なんですか!」
「笠原は 俺を撃った敵さんの居場所を即座に見破ったんだ。お礼だよ、お礼。な。」
ポンポンと郁の肩を叩いて左手でグラスを突き付けた。アルコールも入っていないのに陽気な進藤に皆も追随する。
「明日も仕事です。潰されて迷惑被るのはこっちなんですよ。」
必死に阻止しようとする堂上に進藤はニヤリとする。
「じゃあ、代わりに上官であるお前が飲めよ。」
今度は堂上の目の前にグラスが向いた。
「う・・・」
ピンクだのブルーだの、カラフルな色のカクテルからは甘ったるい匂いが漂う。堂上のしかめっ面とは対照的だ。
「カクテルの似合わん男だなぁ。」
やんやと笑う周りを一瞥すると、堂上は進藤からグラスをむしり取り一気に呷った。
「わあ、教官!」
焦る郁の隣にどかりと座った堂上は、並べられたグラスを次々と流し込んでいく。
「なんか もったいない・・・」
綺麗で可愛い液体が無造作に運ばれる様に郁は唇を尖らせた。
「体調が思わしくない時にアルコールなんて入れてみろ、お前なんかテキメンに酔いが回る。」
「え?」
気付いていたんだ。
県展から帰った後、暫くして落ち着いた今の方があの日の夢を見る。暴徒と化した良化隊員の 押し潰されて変わり果てた姿、初めて人を撃った感触、それらが夢に出る度に飛び起きて 寝不足になっていた。
いつも見ていてくれている。
それは郁の入隊当時から、厳しくも面倒見の良い上官としてそうしていたのだろうが、最近は特に。
眉間に皺を寄せ 苦手な甘い酒を飲む堂上の横顔に、郁の胸に温かいものがこみ上げてきて 自然とにやけてしまう。それを隠すように 目の前の唐揚げを頬張った。
「あー、堂上、まずいんじゃない?」
少し離れたところで手塚と飲んでいた小牧が声をかけた。その声と同時に郁の左肩に重みが加わった。
見れば郁の横でズルズルと崩れていく堂上。
「なんだ、珍しいな 堂上が。酔ったのか。」
進藤が面白そうに堂上の肩を揺する。
「酔っちゃいませんよ。」
言葉とは裏腹に身体は完全に畳の上に横たわった堂上は、仰向けになって顔を腕で覆う体勢をとった。
「お前も笠原さんのこと言えないんだよ。空きっ腹にあんなに流し込んじゃ。」
堂上は堂上で、玄田隊長不在のしわ寄せをまともに食らっているところだ。生真面目な男の連日の残業に疲労はたまっている。
「外でヘマすること滅多にないのに笠原さん絡むとこれだから…。ひと寝入りすれば起きるだろうからさ、そのまま寝かしといてやってくれる?」
「寝てない!」
小牧に反発するように返事をしていた堂上だが、やがて何も発しなくなった。

「寝てる・・・よね?」
こんなところで寝落ちる堂上を初めて見る。郁はまじまじと見下ろした。
ズレた腕から覗く眉間にはいつも張り付いている皺がなく、閉じられた目は開かない。半開きの唇はこのところの乾燥からかカサついているが、規則的に上下する胸に合わせて聞こえてくる穏やかな呼吸音に少し安心する。
「あ、そうだ。上着・・・」
郁は無造作に脇に寄せられていた堂上の上着を腕を伸ばして引き寄せると、寝ている堂上の体にかけようとした。

「か さ は ら・・・」
郁の動きが止まった。
と、同時に騒がしかった室内がしんと静まり返る。
寝言だ。寝言。その場にいた全員が耳を澄ませた。郁もゴクリと固唾を呑む。
「なにした・・・」
眉間に皺がよる。
「腕立て100回!!」
グゥ、と寝返りした堂上に皆呆れた。
「なんだ、夢の中でも扱いているのか。色気のない寝言だなぁ。」
わっと笑いが起き、いつものテンションへ。郁も肩の力が抜けて ふぅとため息をついた。
別に何か期待したわけでもないけどさ と半ば不貞腐れて バサリと上着をかけて食事に戻った。
なんとなく、距離が縮まってるような気がして。何せ自分が教官のことを好きだと自覚して、もう意識せざるを得ないのだから。だから「あれ」はもしかして、とか都合よく考えてしまう。

眠っているのをいいことに、こそっとごく近くまで寄ってみた。喧騒の中でもその寝息を聞き取れるほどに。
生きている。
あれだけの攻防戦をくぐり抜けた仲間も無事に帰ってきた。重体だった玄田も回復しつつある。どんなに鍛錬はしていても、いつ誰が何かあるかもしれない。自分も。そしてこの大切な人も。
上着に隠れた堂上の指にそっと触れてみた。指先から伝わってくる温もりに安堵し、そこに内から溢れ出てくる思いがない交ぜになる。
だめだ、泣きそう。
ほんの少し触れた熱が増大されるのに耐えきれなくて手を引こうとしたその瞬間、掴まれた。堂上の手に。
声をあげなかった事を褒めてやりたい。
上着の下、誰にも見えない2人の手が繋がった。
起きてるの?
バクバクと郁の心臓が早鐘となって胸を突く。包み込むようなその手は外れないどころか更に力がこめられるほどなのに、堂上の表情は変わらず寝入ったままだ。
周りは相変わらずのバカ騒ぎで、もう2人のことなんて気にも止めずに酒やツマミの消費に集中されるのみ。
さっきのカクテルじゃないけれど と、甘い香りに誘われるように郁の意識は堂上の手に。寝ぼけているなら、みんな見ていないのなら、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ・・・。
僅かに指を絡めれば、無意識なのか握り直され今度はしっかりと繋がれた。大きくて、ゴツゴツして、力強い手は堂上の象徴。叱咤も激励も全てこの手で受けてきた。そして、県展で支えられたのも────
思い出してボッと茹だる。だめだ、限界。
寝ている相手とはいえ、いくらなんでも図々し過ぎる。我に返って自分の大胆さに汗が吹き出す。郁は冷たいウーロン茶を求める為に腰を浮かした。
くん、と引かれて体勢が崩れた。手が離れなかったのだ。「ひゃ。」後ろにつんのめる形で尻餅をついた郁の耳元に囁かれたのは────約束、忘れるなよ────

慌てて座り直した郁が振り返って見るが、ゴロリと反対側に寝返りをうった堂上の背中が横たわるだけ。でも聞き間違いじゃない、そんな確信の持てる声に、にやける顔が隠せない。
約束は1つ。カミツレのお茶を飲みにいくのだと交わしてある。
「忘れるはず、ないじゃないですか・・・」
ウーロン茶のグラスにつける唇は緩んで落ち着きなく、引き締めるのは難しい。


「おい、アイツらあれで 隠してるつもりじゃないだろうな。」
「思いっ切りいちゃついてるぞ。」
県展でのあれやこれやは 戦闘の最中であっても目に入ってきていた。必死に食らいついて戦う郁と、それを認め守ろうとする堂上が。上官と部下として それ以上の絆を深めていた。
「小牧、ホントのところ どうなんだ。」
「Xデーは 近いと思いますよ。」
頑なな仮面は もう剥がれている。堂上が吐露する内なる思いは 誰の目にも明らかで、秘めているつもりでいるのは本人だけだ。

あの夜 ふと漏らした言葉は、酔った勢いじゃなかったはずだ。堂上のアルコールの強さは長い付き合いで把握している。
「ふ。」
小牧の揺れる肩に進藤の手が乗った。
「おまえ、何か知ってるな~?」
「小牧、吐けよ!1人で楽しんでんじゃねぇーよ!」
「えー、どうしようかな。」


白い包帯をした隊員達にも日常が戻ってきた。
「玄田隊長、早く転院して来ないといいとこ見逃すぞー。」
皆でジョッキを合わせる日は遠くない。


===============


と、この時点では思ってたんですよね〜(^Д^)。

リクエストはアイスさんより。
リク内容は「堂郁、上官部下時代で特殊部隊の飲み会が見たいです。堂郁がお互いを意識しつつも決定的なことが出来なくて周りが温かい目でつつくお話」でした。
楽しい職場ですよね。
で、私はアルコール全く飲まないので、カクテルが分からなくて。チューハイなら知らなくはないのですが、今回見た目で甘い香りとか書いちゃいました。違ってたらすみません。細かいことはスルーでお願いいたします←。
アイスさん、リクエストありがとうございました(≧∇≦)。

17:59  |  図書戦  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2015年10月20日(火) 14:30 |  | コメント編集

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