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2015'11.16 (Mon)

「妙薬」(リク6)

こんばんは。このところ暖かいようですね。有難いです。
盛り上がりを見せた実写映画でしたが、もう上映回数が減りましたね。うーん、結局前売券最後の1枚は残りそうですが、コレも記念かな、とか思っています。最後まで機会はうかがってはみますが。もう1回見たかったなぁ~。
先日Twitterで知り合ったお友達と ロケ地ともなった自衛隊基地を見学してきました。映画を見た後だったので「あ、ここで訓練してた!」「おお、これがあの場面に出ていた建物か!」と大興奮。その後で再度映画を見ると「ここ、行ってきた!」と臨場感がまた違ってワクワクしながら見られました。某図書館とか実際行って見て感じると、また映画も楽しめるんだろうなと思いました。そうか、こんな楽しみ方もあるんだ と新たな発見でした。
お付き合い下さった皆様、ありがとうございました\(*ˊᗜˋ*)/♡。

更新です。リクエストになります。内容は最後に。夫婦で郁ちゃん練成教官中です。

↓こちらから どうぞ。


【More】

「妙薬」(リク6)


朝、郁が目覚めたのはいつもの時間をずっと過ぎてから。
「ん、・・・・・・ヤバッ!?」
枕元の時計を見てガバリと身を起こした。
寝過ごした?
しかし隣にいるはずの存在がない。
焦る郁に声がかかった。
「起きたのか。もう少し横になっててもいいぞ。今日は公休だ。」
かちゃりと戸を開けて寝室に入って来たのは夫である篤だ。まだ部屋着のままだから、こちらも起きて間もないところらしい。
「あ、そうだった────遅刻したかと焦った~。」
ぽすんと枕に顔を埋めて安堵する。疲れが抜けきっていないのか身体が休みを求めているのが分かる。
「練成教官になってから気を張り過ぎだ。このところ休みの日でも資料と格闘してたからな。無理すんな。」
「だってぇ~・・・」
手塚と共に錬成教官の辞令を受けた。火気規制がかかったことで防衛部を志望する女子隊員も出てきた。勿論 郁が女子隊員として実績を積んだ事が影響を与えているのも大きいが。
しかし入隊以来後輩を持たないまま教官として指導するというのは、郁にとってはプレッシャーが大きかった。ソツのない手塚のように出来はしないのは分かっているが、郁なりに人員把握をし訓練をつける事に全力投球してきたのだ。
篤はベッドに腰掛け、枕に沈んでいる郁の頭に手を置いた。
「お前はよくやってるよ。慣れない頭もよく使ってるしな。」
ポンポンと手を弾ませる篤に郁は枕から半分顔を出して「ひどーい」と拗ねてみせる。
「必死で下士官の指導した経験はカラダで覚えるお前の糧になったろ。少しは慣れてきたところで ゆっくり休めばいい。今日は特に予定をいれてないしな。何せ 問題ありそうな隊員もいるそうだからな。」
教官職ではない篤にもそれなりに新人の様子は耳に入るらしい。ニヤニヤする篤の顔を上目遣いで睨んだ。
郁に憧れて入隊してきたという女子隊員。元気はいいが考えなしで何度も鉄拳を落とさねばならない郁の担当班内の男子隊員。何かと手のかかるこの2人の問題を兼ね備えていた自分を指導して貰っていたと思うと、申し訳なさ一杯である。
でも。
こんな話をしながらも篤の郁を撫でる手は止まらない。肉厚でがっしりした掌は、優しく髪を揉み込むように指先が動く。柔らかく触れてくる熱に 郁はまどろんだ。

厳しかった。この手で落とされた拳骨の痛みに文句を言い噛み付いて反発して。それでも食らいついていったのは、憧れの王子様への想いとは別に、尊敬出来ると知った上官に褒められ認めてもらい────温もりを欲したから。
「ふふ、気持ちいい・・・」
緊張の多い戦闘職種だ。このゆったりした空間は心地よく、心も身体も解される。
(こういうところが優しいんだよね〜・・・)
一緒に暮らすようになって、恋人時代より更にいろんな表情や場面に出会う。厳しさと甘さが同居する人との生活。
入隊時、篤が郁に対して特別キツくあたっていた理由は、まあ、当然というか、それはもう気の毒というか、原因はコチラにあったのも事実だし。
「・・・・・・」
しかし厳しさの裏返しで実は優しい人だと知った。
一見強面でもあるし、戦闘職種で手強い雰囲気を醸し出していた堂上は、小牧のように普段から柔らかな物腰ではないし、手塚のようにいかにもなルックスでもないから表立ってキャーキャー言われるタイプではない。でも。それでも同期の女子からの勝手な評価では、たしか「カッコイイ」とも言われていた。教育期間中、自分以外の女子隊員には堂上も普通に接していたし、郁からしたらチビだとなじってはいたが 大半の女子なら自分よりは背の高い男性の1人だ。あの柴崎がはじめは入れ込んでいたくらいだし、郁自身、いがみ合ってたくせに ひょいとみせる笑顔にドキリとした覚えがあるのだから────
「もててたんだろな・・・」
ついポロリと口から出た。
「ん?」
頭から頬に移っていた篤の手が止まった。
郁はがしっと篤の手首を掴んで仰向けに寝転がって凝視する。
この手が今まで触れてきたもの。それは銃であったり本であったり・・・・・・モヤモヤと胸がざわめく。
過去は過去。嫉妬なんて無意味で無駄なことだとは分かっているけれど、でかくてがさつな女だと自覚のある郁には 自信がない為に不安になることもある。幸せであればあるほど。
「贅沢になってるのかな。」
あらゆることに独占欲がむくむくと。自分以外にこの手を手に入れていた存在がいたとしたら。
ひとり切なくなっていると、ぱしっと篤の手が翻り、逆に郁の手首がとらえられた。
「あ」
そのままベッドに縫い止められる。
「どう横滑りしてるんだ。」
覆いかぶさるように顔を覗きこむ篤が目の前に。郁の意識が浮上した。
「へ?あ、あの。」
ぐるぐるしていた思いは咄嗟には言葉に出来なくて、不意に目が潤んできた。
「お前はわかりやすいヤツだな。」
「やだ。べ、別に何も────」
無意識に言葉に出ていたらしく、ふと複雑な表情を見せて篤が笑う。
「ききたいのか?」
そう訊かれて 郁はふるふると首を振る。
篤の全てを知っているわけではない。一般的に考えて いろいろあっただろうことは想像つくし、覚悟だってしてる、つもりだ。ただ あえて訊くことではないし、知ったところで今の篤と何ら関係ないことだ、、とは頭では分かっていても1度モヤモヤし始めたら抑えることも出来なくて。
「疲れが出てる証拠かな、変なこと考えちゃった。みっともないよね、嫉妬なんて・・・」
奥さんなのに。奥さんにしてもらってるのにまるで信用してないようなこと言っちゃって。しかも勝手にその存在を膨らませて 醜い自分の気持ちを止められない。
「みっともないか?嫉妬なら俺だってするぞ。」
「は?なんで篤さんが。」
どこにそんな要素が。郁は首を傾げた。
「どの口が言うか。散々王子様と比べた発言してたヤツが。」
「や、スミマセン、って でも本人だったんだし。」
「アホが。どうきいても別人だったろ、アレは。」
「だってホントにそうだったんだもん。」
まだ言うか、とその口を軽く同じモノで塞ぐと、頬を染めた郁に言い放つ。
「自分が自分に嫉妬しなきゃならん状況なんて、不毛以外のなんでもなかったぞ。お前の王子様ネタは。」
「う・・・」
毎度恐縮するしかない。現在それに近いことで恥辱を強いられ反省しているところなのだから。
「因みに今だって。」
そう言った篤の目にすっと色味が入ると、いきなり郁の首元に顔を埋めて唇で触れてきた。
「ひゃ。」
縫い止められた手首はいつの間にか両方きっちり力が込められていて身動きが取れずに身体が跳ねる。
「若い奴らの中に放り込んでいるのは面白くないな。」
耳に入ってくるのは新人達の訓練中の様子だけではなく、新人達が口にする「女性教官」の話題も含まれる。若い男の関心事といえば大体察しがつくが、それに自分の妻の名が出ているとなると不愉快極まりない。内容が内容なだけに。
次第に篤の行為に熱が帯びる。
「ちょ、今日はゆっくり休めって言ってたのに。」
「終わったら2人して休めばいい。」
「こんな・・・明るいのにぃ。」
「こうすれば問題ないだろ。」
バサリとシーツを全身に被って日の光を遮ると、改めて視線を合わせる。
「つべこべ言ってないで 俺の嫉妬を受け止めてみろってんだ。」
郁の言う嫉妬なんてものは可愛いもので、そんな嫉妬を我慢することはないし 不安だというのであれば 何度でも払拭してやる。但し、自分だけだなんて思っているのなら間違いだから。

互いに求め合うのが妙薬だ。
効果はてきめん。郁の吐息にあらわれた────


===============


リクエストはくほままさんより。
「時期は恋人か夫婦で、卒業式やその時期の話をしながら、やきもちを焼いちゃう郁ちゃん、なんていうのはどうでしょうか?モテていたんじゃないかとか、その頃の彼女を想像してグルグルしちゃう郁ちゃんは可愛いんじゃないかと…可愛い郁ちゃんと、甘い教官が読めたら嬉しいです。」でした。
郁ちゃん以外の彼女なんてヽ(≧Д≦)ノ、と私がグルグルしちゃって、あらぬ方向に暴走www。
2代目鬼教官してる郁ちゃんは 頑張れば頑張るほど新人達には人気が出るんでしょうね。
お互いにヤキモチやいてイチャイチャしていればいいと思います。

くほままさん、こうなりました。リクエストありがとうございました\(*ˊᗜˋ*)/♡


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 | 2015年11月17日(火) 10:54 |  | コメント編集

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 | 2015年11月17日(火) 11:03 |  | コメント編集

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 | 2015年11月17日(火) 21:00 |  | コメント編集

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