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2012'11.28 (Wed)

「初めての堂上家」

またも題名が浮かばない英香です。
もういいよね と開き直っておきます。

今日は更新です。季節無視で題名そのまま。別Ⅰの堂上家年始挨拶をちょっとアレンジ。脳内で原作を補いつつ よろしければお読み下さい。

↓こちらから どうぞ


【More】

「初めての堂上家」


郁は緊張感いっぱいで 度数の高いワインを呷る。
ここは堂上の実家で、初めて両親と妹の静佳を前にしていた。
堅苦しくは決してないが、堂上の彼女としてどう対処すればいいのか分からない。テンパる郁に構わず歓迎してくれる、堂上にはないノリに正直 面食らっていた。だから言われるがまま再びグラスを呷って目を回したのだ。

「ったく、嫁入り前の娘こんなザマにしやがって!」
堂上はお姫様抱っこで郁を2階の自分の部屋に運ぶべく 階段を上がる。その後ろを静佳がひょいひょい着いてくる。
「あら、兄貴が責任とるんだもの 問題ないじゃん。」
にやにや顔の静佳に仏頂面で睨み付ける。
「照れなくってもいいって。そのつもりがあるから 今日連れてきたんでしょうよ。」
堂上の睨み顔はこの妹には無効である。
「兄貴がいい加減な付き合いなんて 出来るはず無いもんねぇ。ベタぼれ確定だわ。」
「偉そうなこと言いやがって。」
ホレ、と顎でドアをしゃくる。はいはい と静佳が堂上の部屋を開けると郁を運び入れた。静佳は持って来たミネラルウオーターとグラスを机の上に置く。物は少なくなったが 堂上はよくこの机に向かって勉強していた。何が楽しくて勉強なんかするんだろうと不思議だったが、出来の良い兄を友達から羨ましがられると鼻が高かった。
やんちゃだった兄貴も堅物になった兄貴もからかい甲斐があって楽しい。
チラリとその兄の顔を見れば、ベッドに横たわる彼女に 家族には見せた事のない甘い表情を浮かべている。あら、彼女にベタぼれな兄貴もからかい甲斐がありそうね、とほくそ笑む。
「で、いつ頃お嫁に来てもらえるの?。」
静佳の存在を失念していたのか ギョッとして眉間の皺を深くして応える。
「ばっ、一足飛びに何言いやがる。」
「大事にし過ぎるのもどうかと思うわよ。」
したくなる気持ちもわかるけど~とクスクス笑う静佳を 「さっさと出ろ!。」と部屋から押し出し、バタンとドアを閉めて鍵を掛けた。

ベッドを背にして床に座る。
付き合い始めから意識していた。20代の大半を郁に費やし、もう30男だ。待つのは慣れている。この純情乙女の歩調に合わす覚悟も出来ている。しかし、だ。
クルリと向きを変えて ベッドの上の郁を見る。額にかかっている髪を分けてキスを落とす。
「タイミング計るのも 一苦労だよ、おまえには。」
ベッドの枕元に座りなおして郁の髪を梳く。愛しいと想う気持ちは、閉じ込めていた期間が長過ぎた反動でか、溢れるばかり。
「俺を受け止めてくれるのか?。」
と問えば、郁の目が開いた。
半分酔っている郁のだだ漏れ宣言にしてやられた。
取り敢えずは 初売りでデジカメを送ろう。指輪は勘弁してくれ、今は。隊の奴等のからかいは半端じゃなさそうだ。そのうち本物を贈るから。キスは―――。
再び眠りについた郁を見下ろす。
額に 眉間に 目尻に。1度離れて鼻の頭に 左右の頬にキスの雨を。最後に唇に触れる直前で、スライドさせて唇の端にキスを落とす。記憶の残らないキスは 郁の望みじゃないからな、と酔っ払いの鼻先をトンと指で突く。
そして、お預け食らった熱を冷そうと堂上は風呂に向かった。

居間ではのんびりとテレビを観ている堂上家の面々。静佳のミッションインポッシブりは いつもの事と気にも止めない。長男の春は一家の春だと言わんばかりに 賑やかでめでたいお正月となった。

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